LINE

不動産の小さな事務所のLINE連絡を整える|内見の日程調整・書類案内・問い合わせの引き継ぎ

広告(アフィリエイトリンク)を含みます

不動産の小さな事務所では、お客様とのやり取りが担当者個人のLINEやスマホに散らばりがちです。内見の日程は誰のカレンダーに入っているのか、書類は送ったのか、先週の問い合わせは誰が見ているのか。こうした「あの件どうなってる?」を減らすために、LINE公式アカウントとL Message(エルメ)をどう使い分けるかを整理します。売上を伸ばす話ではなく、手間・漏れ・属人化を減らすための業務の話です。

なお、重要事項説明や契約といった法的な手続きは、この記事ではLINEに任せる前提では扱いません。どの手続きをどの方法で行えるかは法令や所属団体の定めによるため、一般論にとどめ、各事務所で確認していただく形にします。料金やプランの数字は、2026-10-09時点で公式サイトの表示を確認したものです。

この記事の流れ1最初に決める線引き2内見の日程調整3書類案内4問い合わせの引き継ぎ5タグの設計6活用例
この記事の流れ

最初に決める線引き:LINEで扱う連絡と、LINEに載せない連絡

ツールの設定より先に、「この連絡はLINEでやる」「これはやらない」を事務所で決めておくと、あとの設計が楽になります。不動産の連絡は、軽い案内から重い手続きまで幅が広いからです。次の表は、私が考える線引きの一例です。事務所の方針や関係する決まりに合わせて変えてください。

連絡の種類LINEで扱うか考え方
内見の希望日時の受付・確定連絡扱う日程のやりとりは往復が多く、予約機能と相性がよい
内見前の案内(集合場所・持ち物・駐車場)扱う送り忘れが起きやすい定型案内。事前に文面を決めておける
物件資料・間取り図の送付扱う案内のみ。送る資料の範囲は事務所で決めておく
必要書類の一覧の案内扱う(一覧の案内まで)提出のお願いは案内できるが、中身の審査や判断はLINEに載せない
本人確認書類・収入関係の書類の受け取り原則扱わない方針を推奨機微な情報は、受け取り方法を別に定め、LINEのトークには残さない運用が無難
重要事項説明・契約に関する手続きLINEに任せない法的な手続きは所定の方法で行うもの。LINEで代替できるかは本記事では判断しない(各自確認)
金額の交渉・条件変更の合意扱わない(日程調整だけLINE)合意は記録が残る形で別途行う前提。チャットは「面談の予約」までにとどめる

ポイントは、LINEを「入口と案内の窓口」と位置づけることです。お客様が相談を始める入口、日程を決める窓口、決まったあとの案内を送る手段としては便利ですが、法的な意味を持つ手続きや判断を要するやり取りは、LINEの外で行う前提にしておきます。この線引きがあると、スタッフ全員が「このメッセージには返信してよいか」を迷わずに済みます。

内見の日程調整:どの予約機能を使うかの分かれ道

エルメの公式マニュアルによると、予約機能は用途ごとに分かれています。サロン予約(個人タイプ・スタッフタイプ)、レッスン予約、イベント予約です。なお、以前あったカレンダー予約は2025年3月末に廃止されたと公式マニュアルに書かれているため、古い解説記事を見て設定しようとするときは注意が必要です。

内見は「担当者の空き」が軸ならスタッフタイプ

内見は、お客様が好きな日時を選び、こちらの担当者の空きに合わせて確定する形が基本です。この形はサロン予約に近く、スタッフタイプなら担当者ごとにシフトを持てます。公式の説明では、スタッフタイプはGoogleカレンダーと連携でき、カレンダーに予定があると予約が自動で止まるとされています。小さな事務所で、誰が内見に出られるかをカレンダーで管理しているなら、二重予約の予防に役立ちます。

オープンハウスや相談会はイベント予約

特定の日時に複数組を受け付ける見学会や相談会は、イベント予約の領域です。参加者の管理まで画面上で行えます。Freeでは2イベント・決済なし、Standardで10イベント、Proで無制限と公式に表示されています(2026-10-09確認)。

物件に紐づく調整は「予約リクエスト」の承認制が候補

内見で面倒なのは、鍵の手配や所有者・管理会社の都合で「お客様が選んだ枠がそのまま確定できない」場面があることです。公式マニュアルによれば、予約リクエストを有効にすると予約を承認制にできます。お客様には「仮のお申し込み」として受け付け、確認後に確定する流れにすれば、確定できない日時を断る連絡を減らせます。ただし、物件単位の鍵の管理や空室状況の確認そのものをエルメが行うわけではありません。この部分は事務所の既存の管理方法を残します。

また、公式では時間貸し施設・物品レンタル・飲食店・宿泊などの予約には対応できない場合があるとされています。不動産の内見が自社の使い方に合うかは、無料プランで試して確かめるのが確実です。

予約機能でなくフォームで「希望日を3つ」聞く手もある

担当者のカレンダー連携が不要な事務所なら、フォームで第1〜第3希望を聞き、事務所側が後で確定連絡を送る方法もあります。フォームの日付入力欄が使えます。この場合、確定連絡を送り忘れる心配があるので、後述のタグで「確定待ち」を可視化します。

日程調整の往復を減らす考え方は、面談・相談の日程調整で何度もやりとりが往復する問題の解き方|日程の決め方の選択肢と、LINE公式アカウント+エルメの面談予約が向く条件でも整理しています。内見と面談で共通する部分が多いので、あわせて読んでください。

書類案内:「何を、いつ、どの方法で」を一枚にしておく

書類の案内で起きるミスの多くは、「案内した気になっていた」「別の担当者が別の書類を案内していた」です。案内内容を事務所で一つに揃え、メッセージとして登録しておくと、担当者が変わっても同じ案内になります。

案内メッセージに入れる4項目

  • 何の手続きのための書類か(一般的な説明にとどめる)
  • 必要になる書類の名前と、用意に時間がかかるものの目安
  • 受け渡しの方法(来所、郵送、専用の方法など)と期限
  • 不明点の相談先(営業時間と、LINEで答えられる範囲)

ここで大事なのは、「必要書類は物件や契約条件によって変わる」ことを案内文に必ず入れ、個別の判断は担当者に確認するようにしておくことです。案内文に書いた内容が一般論なのか、このお客様に当てはまる個別の話なのかを分けておけば、誤解によるトラブルを減らせます。

フォームでの資料受け取りは「範囲を決めて」使う

エルメのフォームにはファイル添付の設問があり、画像・動画・音声・PDFなど受け付ける種類を指定でき、上限は10MBと公式マニュアルにあります。物件の希望条件のメモや、現在の住まいの写真といった、機微度の低いものを受け取る用途には使えます。一方、本人確認書類や収入に関する書類のように、取り扱いに特に注意が必要なものをLINEで受け取るかは、事務所のルールと個人情報の取り扱い方針で別に決めるものです。この記事では推奨も判断もしません。

フォームの回答は、画面での確認、CSVのダウンロード、Googleスプレッドシートとの同期ができると公式に説明されています。回答後にタグを付ける「完了アクション」もあるため、「資料受領済み」を自動で付ければ、送った・受け取ったの管理が楽になります。

問い合わせの引き継ぎ:担当者が代わっても止まらない仕組み

小さな事務所の引き継ぎは、「休み明けに前任者の携帯を見て状況を知る」という形になりがちです。エルメの1:1チャットには、引き継ぎに使える機能がいくつかあります。公式マニュアルから、確認できた範囲を表にしました。

機能公式マニュアルでわかること引き継ぎでの使い方
対応ステータス「未対応」「対応中」「完了」など友だちごとに付けられ、名称・色・順序は編集できる。一覧の絞り込みにも使える朝一番に「未対応」だけを一覧にして、誰が拾うか決める
メモ友だち詳細から作成・編集・削除・並び替えができる経緯・希望条件・次にやることを残す。お客様には見えない
テンプレート送信事前に作った文面を送れる。送る前にテキストだけ編集でき、元のテンプレートは変わらない定型の案内をぶれずに送る
友だち詳細の共有リンク他のスタッフに友だちの詳細ページを共有できる担当交代時に該当のお客様をすぐ開いてもらう
送信トリガーの確認送信されたメッセージが、どの機能から送られたかを確認できる「このメッセージ、誰が送ったの?」の確認
担当者の自動振り分け1:1チャットのページには記載なし(公式で確認できませんでした)割り振りは人が決めるルールにする

「担当者管理」の機能は、料金表ではFreeが対象外、Standardで管理者+10名、Proで無制限と表示されています(2026-10-09確認)。ただし、この「担当者管理」が1:1チャットの担当割り当てとどう結びつくのかは、確認できた公式ページには詳しい記載がありませんでした。導入前に、自社の人数で必要な機能が使えるかを、公式の説明か無料プランで確かめてください。

メモの書式を決めておく

メモは書き方がばらばらだと、読む側が疲れます。次の4行を型にするだけでも引き継ぎが楽になります。

  • 経緯:いつ、どの物件に、どんなきっかけで問い合わせがあったか
  • 希望:エリア・予算・入居時期など、お客様が話した内容そのまま
  • 状況:内見済み・申込前・検討中など、いま止まっているところ
  • 次の一手:誰が、いつまでに、何をするか

問い合わせが特定の人に偏る、見落とすという悩みについては、問い合わせ対応が特定の人に偏る・見落とす問題の解き方|対応ルールの作り方と、LINE公式アカウント+エルメの1:1チャットが向く条件に詳しく書きました。

タグの設計:物件と段階を分けて持つ

不動産では、お客様の状態と、見ている物件が別々に動きます。タグを一つの軸にまとめると破綻しやすいので、「段階」と「物件・エリア」を分けて設計するのがおすすめです。タグはFreeを含む全プランで使えると公式の料金表に表示されています。

タグの種類例付けるタイミング外すタイミング
段階内見希望/内見済み/申込検討/見送り予約が入ったとき、内見が終わったとき段階が進んだとき(前の段階は外す)
物件物件A検討中、物件B検討中お客様が物件を指定したとき見送りのとき
要確認確定待ち/折り返し待ち仮予約を受けたとき、電話依頼を受けたとき確定連絡を送ったとき
配慮連絡は夜のみ希望などお客様が希望を伝えたとき希望が変わったとき

「確定待ち」のタグが残っているお客様を絞り込めば、確定連絡の送り忘れを毎日の始業時に点検できます。一方、タグは増やし過ぎると誰も管理できなくなります。最初は段階と要確認の2系統から始め、必要になったら足す程度が現実的です。

お客様の情報が担当者の頭の中にしかない問題は、お客様の情報が担当者の頭やノートの中にしかない問題の解き方|顧客情報の持ち方の選択肢と、LINE公式アカウント+エルメの友だち情報・タグが向く条件も参考になります。

活用例(架空の設計例)

以下は実在の事務所の事例ではなく、考え方を示すための架空の設計例です。成果の数字は載せません。賃貸の仲介を数名で行う小さな事務所を想定します。

  • 入口:友だち追加時のあいさつで「内見のご希望」「物件についての質問」「その他」から選んでもらい、選択に応じたタグを付ける
  • 内見の受付:スタッフタイプのサロン予約で枠を用意。予約リクエストを有効にし、鍵や管理会社の都合を確認してから確定連絡を返す
  • 前日の案内:予約をきっかけにリマインドを設定。集合場所と持ち物、遅れる場合の連絡先を前日の夕方に送る
  • 内見後:1:1チャットで御礼と次の案内を送る。ステータスを「対応中」にし、メモに「希望・状況・次の一手」を残す
  • 引き継ぎ:翌朝の始業時に「未対応」と「確定待ち」を一覧にして、担当を決める
  • LINEに載せないもの:重要事項説明、契約、本人確認書類の受け渡しは、事務所が定める別の方法で行う

リマインド配信は、予約や友だち追加をきっかけに、「終了日の○日前の○時」や「○時間○分前(最大23時間59分前)」のようなタイミングで送れると公式に説明されています。前日の夕方に案内を出す、といった使い方に向いています。送り忘れ防止の考え方は「来所前の案内(場所・持ち物・注意事項)の送り忘れをなくす方法|案内の出し方の選択肢と、LINE公式アカウント+エルメのステップ配信・リマインドが向く条件」でも書いています。

つまずきやすい点と運用ルール案

  • 個人のLINEで続きをしない:公式アカウントで始まった相談は公式アカウントの中で終える。個人LINEに移すと履歴が散らばる
  • 返信の期限を決める:営業時間内は半日以内に一次返信、のように事務所内のルールを決める。期限は事務所の実情で決める
  • 配信前に宛先を確認する:特定の物件のお客様だけに送るときは、絞り込みの条件と対象人数を送信前に見る
  • メモに感情的な記述を書かない:メモは引き継ぎの資料。事実と次の一手に絞る
  • Freeのチャット履歴は180日:長期の検討客が多い場合は、残したい情報をメモや友だち情報に書き出す
  • 解約と再接続の注意:有料プランから無料へのダウングレードはできず、解約後に接続解除して再接続するとデータが削除される、と公式にある。事前に別の場所へ控える

LINE公式アカウント側のプランにも、月ごとの無料メッセージ通数があります。公式ページの表示では、コミュニケーションプランが月0円で200通、ライトプランが月5,000円(税別)で5,000通、スタンダードプランが月15,000円(税別)で30,000通とされています(2026-10-09に確認した表示。取得日が掲載されていないため、契約前に最新を公式で確認してください)。エルメのFreeにある月1,000通の配信数とは別の枠なので、混同しないようにします。通数の数え方については、公式の説明を本記事では詳しく確認できませんでした。

エルメのプランをどう選ぶか

項目FreeStandardPro
月額(税込)0円10,780円33,000円
配信数(エルメ)1,000通/月無制限無制限
フォーム3つまで無制限無制限
リッチメニュー2つまで無制限無制限
担当者管理なし管理者+10名無制限
チャット履歴180日無制限無制限

表の数字は2026-10-09時点で公式トップの料金表を確認したものです。契約は自動更新で、日割りの返金はないと整理されています。数名で内見の受付と引き継ぎを行うなら、担当者管理のあるStandard以上が候補になりますが、まずFreeで予約とタグの動きを確かめてから判断すると失敗が少なくなります。

私の見立て ― 3つのポイント1最初の成果物は、機能ではなく「LINEに載せる連絡・載せない連絡」の一枚表です。これがないと、便利な機能ほど使い方がばらけます2内見の予約は、確定を急がず「仮受付→確認→確定」の二段階にすると、不動産の事情に合いやすいと考えます。ただし、鍵や管理会社の確認はツールの外に…3引き継ぎの質は、機能よりメモの書式で決まります。4行の型を決めて全員が守るほうが、高いプランに上げるより効きます
私の見立ての要点

私の見立て

  • 最初の成果物は、機能ではなく「LINEに載せる連絡・載せない連絡」の一枚表です。これがないと、便利な機能ほど使い方がばらけます。
  • 内見の予約は、確定を急がず「仮受付→確認→確定」の二段階にすると、不動産の事情に合いやすいと考えます。ただし、鍵や管理会社の確認はツールの外にあります。
  • 引き継ぎの質は、機能よりメモの書式で決まります。4行の型を決めて全員が守るほうが、高いプランに上げるより効きます。

まとめ

不動産の小さな事務所では、LINEを「入口・日程・案内」に絞り、法的な手続きや機微な書類は別の方法で行う前提にするのが、混乱を防ぐ第一歩です。そのうえで、内見の日程は予約機能、書類案内は定型メッセージとフォーム、引き継ぎは1:1チャットのステータスとメモ、状態の見える化はタグ、と役割を分けて設計します。公式で確認できなかった点(担当者の自動振り分け、LINE側の通数の細かい数え方)は、導入前に公式の説明や無料プランで確かめてください。

構築代行のご案内(30万円〜・税別)

「内見の予約から引き継ぎまで一通り設計してほしい」「自社の事情に合わせたタグとメモの型を作りたい」という場合には、構築代行のご相談を受け付けています。30万円〜(税別)で、業務の棚卸しから設定までお手伝いします。詳しくは構築代行のご案内をご覧ください。