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LINE公式アカウントを運用していると、月末になって「そういえば今月はどうだったかな」と管理画面を開き、グラフをなんとなく眺めて閉じる、ということが起きがちです。数字は山ほど表示されるのに、どれを見れば次の月の作業が楽になるのか分からないまま終わる。この記事は、その状態を「5つの数字を決まった順番で見て、メモを1枚残す」ところまで落とし込むための手順書です。
扱う範囲は、LINE公式アカウントの統計情報(LINEヤフー for Business のマニュアルで説明されている画面)と、エルメ(L Message)の分析機能のうち公式ページで確認できた部分だけです。確認日は2026年10月9日。画面の名称や項目は更新されることがあるため、実際の画面と食い違う場合は公式の最新の案内を優先してください。なお、この記事には「この数字ならよい」「この数字なら悪い」という目安は書きません。公式が基準を示していないものに、こちらで線を引くことはしないためです。見るのは「前の月と比べてどう動いたか」と「動いた理由に心当たりがあるか」の2点に絞ります。
見る数字は5つに絞る|どの画面で、何を数えている数字か
統計情報には、メッセージ、友だち、チャット、プロフィール、リッチメニュー、クーポン、予約、ショップカードなど、たくさんの分析画面があります。全部を毎月見ると30分では終わらないので、月次の振り返りでは「業務の手間と漏れに直結するもの」だけを選びます。ここでは次の5つです。
| 番号 | 数字 | 見る場所(公式の画面) | 何を数えているか(公式の説明の要約) | 見るときの注意 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 友だち追加数・ブロック数 | 分析 > 友だち(概要) | 選んだ期間に増えた友だちの数と、ブロックされた数。初期表示は直近7日間で、期間は日付で選べる(最大397日分) | ブロック数は「その期間に起きたブロック」の数で、その期間に追加された人のブロックとは限らない |
| 2 | ターゲットリーチ | 分析 > 友だち(概要・属性) | 友だち追加数からブロック数と属性不明数を引いた、メッセージを届けられる人数(エルメ公式メディアの説明) | 属性は約3日前の数値。リーチが少ないと属性が「不明」になることがある |
| 3 | 友だち追加経路 | 分析 > 友だち(追加経路) | 友だちの追加とブロックが、どの経路で起きたか。選べる期間は最大90日 | 経路ごとの合計が20件未満だと数値が出ず「その他」にまとめられる |
| 4 | メッセージ配信の開封とクリック | 分析 > メッセージ配信 | 配信した人数、開封した人数、URLをタップした人数など。配信から14日間の集計 | 直近24時間の値は推定値で、更新される。少数の結果は表示が制限される |
| 5 | チャットの手動応答数・自動応答数 | 分析 > チャット | チャットで人が返した数と、自動応答で返した数 | 表示される項目は設定や配信状況によって変わる |
表の「見る場所」は、PC版の管理画面(Web版)の「分析」タブを基準にしています。管理アプリにも「分析」タブがあり、友だち追加数やブロック数は確認できますが、詳しい内容はWeb版のマニュアルを参照する作りになっています。月次の振り返りはPCで行うほうが、CSVの取得なども含めて迷いません。
1. 友だち追加数とブロック数は「ペア」で見る
追加数だけを見ると「増えた」という事実しか分かりません。ブロック数を横に並べることで、「増えた分のうち、どれだけが残る前提なのか」の輪郭が見えます。ここで気をつけたいのは、先ほどの表の注意にもあるとおり、ブロック数は「その期間に起きたブロックの件数」だということです。先月の初めに追加された人が先月の終わりにブロックしても、今月追加された人が今月ブロックしても、同じ「ブロック数」に入ります。ですから「追加100人に対してブロック20人だから20%」のような割り算は、公式の定義からは言えません。見るのは割合ではなく、前の月から「増えたか・減ったか・変わらないか」の方向だけにしておくのが安全です。
2. ターゲットリーチは「届けられる人数」の目安
エルメの公式メディアでは、ターゲットリーチを「友だち追加数からブロック数と属性不明数を引いた人数」と説明しています。友だち数の合計にはブロック済みの人も含まれるため、実際に配信が届く人数を考えるときはこちらを見るほうが実態に近い、という位置づけです。月次の振り返りでは、友だち追加数の増減と見比べて「追加は増えたのにリーチはあまり動いていない」ような差があれば、メモに一行残します。理由の断定はしません。後で経路やブロックの数字と合わせて見るためのしおりです。
3. 友だち追加経路は「入口の棚卸し」
どの経路から友だちが来て、どの経路でブロックが起きたかを見る画面です。公式のマニュアルでは、経路・流入元・キャンペーンごとに期間合計が20件以上ある場合に数値が表示され、満たないものは「その他」に集計される、とされています。また、フィルターで絞り込むと数値は50単位の概算になります。小さなアカウントでは、月によっては大半が「その他」になることもあり得ます。その場合は「経路別の数字は今月は読めない」とメモして先へ進んでかまいません。無理に読み解こうとすると、偶然の揺れを理由づけしてしまうからです。
4. メッセージ配信は「開封」と「クリック」を、定義を確認して見る
公式の説明では、開封は「吹き出しのいずれかが100%表示された人数」で、プレビュー表示も含まれます。クリックユーザーは「メッセージ内のURLをタップした人数」です。キャンペーン単位の集計では、クリック率の分母が開封数になる一方、個別のメッセージ単位では分母が違う、という説明もあり、同じ「クリック率」という名前でも画面によって計算が異なることがあります。月次で毎回同じ画面の同じ項目を見る、というだけでも、比べ方の食い違いはかなり防げます。
集計は配信から14日間が対象です。月末近くに配信したメッセージは、月が替わってすぐに見ると、まだ集計の途中ということになります。この扱いは後ろの節でまとめます。
5. チャットの応答数は「手間」の数字
チャットの分析では、手動応答と自動応答の送信数が分かります。ここだけは反応を見る数字ではなく、運用側の手間を見る数字です。手動の応答が多い月は、担当者の時間が取られた月だと考えられます。自動応答がどれだけ使われたかを合わせて見ることで、「よくある質問を自動応答に移せているか」を点検する材料になります。数字の良し悪しを決めるのではなく、「手で返している質問の中に、定型にできるものが残っていないか」を探すために使います。
30分で終わる確認の順番|時間配分つきの進め方
見る数字が決まったら、次は順番です。順番を固定すると、迷う時間が減ります。ここでは月初の平日に、1か月分をまとめて見る想定で組みます。
| 時間 | やること | 開く画面 | メモに残すこと |
|---|---|---|---|
| 0〜3分 | 期間を「前月1日〜末日」と「前々月」に決める。用意するのはメモ1枚だけ | 分析 > ダッシュボード | 今月の振り返り日と、見た期間 |
| 3〜8分 | 友だち追加数とブロック数、ターゲットリーチを見る | 分析 > 友だち(概要) | 前月と比べた方向(増・減・横ばい)を3項目分 |
| 8〜13分 | 友だち追加経路を見る。経路が20件未満で出ないときは飛ばす | 分析 > 友だち(追加経路) | 件数が多かった入口の名前。出なかった場合はその旨 |
| 13〜20分 | 前月に配信したメッセージの開封とクリックを、一覧で見る。月末配信分は「集計途中」と印をつける | 分析 > メッセージ配信 | 配信日、内容の種類、開封・クリックの動き。理由の心当たり |
| 20〜25分 | チャットの手動応答数・自動応答数を見る。直近の問い合わせから、定型にできそうな質問を1〜2個書き出す | 分析 > チャット | 手動で返した質問の種類と、自動応答に回せそうな候補 |
| 25〜30分 | メモを読み返し、「来月やること」を最大3つ決める | メモ | 来月の作業3つ以内と、担当者・期日 |
この表のポイントは、最後の5分で必ず「来月やること」を書くところです。数字を見て終わりにすると、翌月も同じ状態から始まります。逆に、やることを3つ以内に絞れば、翌月の自分が実行できます。振り返りで増やしたい作業が出てきても、まず1つ削ってから足す、という約束にしておくと、運用が膨らみません。
つまずきやすい分岐と対処
- 配信を1通もしなかった月は、メッセージ配信の画面は見ない。その月は「配信なし」とだけメモし、友だち・チャットの3項目に時間を回す。
- 数字が表示されない・ハイフンで表示される項目は、無理に推測せずメモに「表示なし」と書く。公式が、少数の結果は表示が制限されると説明している。
- 複数の人でアカウントを見ている場合は、見た人の名前もメモに書く。誰が見たか分からない振り返りは、次回の比較材料にしにくい。
- 前月と比べる数字が見つからないときは、先月の自分のメモを探す。メモがなければ、今回のメモが「最初の基準」になるので、それで問題ない。
数字が欠ける・遅れるときの扱い|公式が説明している制限
月次の振り返りで一番混乱しやすいのは、「数字が出ない」「数字が後から変わる」場面です。公式のマニュアルで説明されている制限を、整理しておきます。
- メッセージ配信の指標は、配信から14日間で集計される。配信直後の24時間は約30分ごとに更新される推定値で、1%程度の誤差があり得る、と説明されている。
- 開封は、吹き出しのどれか1つでも100%表示されたときに数える。一部だけ見えた場合は開封に数えられない。
- インプレッションは回数であり、人数ではない。同じ人が何度も表示すれば、人数より大きくなる。
- 結果が少ない場合(1〜19の範囲)は表示のしかたが変わる。たとえば開封が20未満だと「0」と表示され、他の指標は「ー」と表示される、とされている。
- 属性(性別・年齢・地域)は約3日前の数値が表示される。
- 友だち追加経路は、経路・流入元・キャンペーンごとに20件未満だと数値が出ず、「その他」に入る。
- セグメント別の内訳は、2025年3月1日以降に配信したメッセージが対象、という説明がある。
この中でもっとも実務に響くのは「14日間集計」です。月末の10日前に配信したメッセージは、月が替わった時点で集計が終わっていません。そこで次のルールを提案します。「月次の振り返りでは、前月1日〜15日に配信分を『確定』として扱い、16日以降の配信分は『集計途中』と印をつけ、翌月の振り返りで見直す」。この運用なら、同じ配信を翌月にもう一度だけ見る手間はかかりますが、途中の数字で判断を誤るリスクを下げられます。
エルメの分析機能で補える範囲|公式ページで確認できたことだけ
LINE公式アカウントの統計情報だけでは、外部から来た人をまとめて「外部流入」として数えるなど、粒度の粗い部分があります。エルメの公式ページ(lme.jp)の説明で確認できた、補える範囲は次のとおりです。
| 機能 | 公式ページで確認できた内容 | 確認できた制約・注意 |
|---|---|---|
| URL分析 | メッセージ内のURLについて、配信数、開封数と開封率、ユニーククリック数とクリック率を確認できる。詳細では、クリックした友だちの名前と日時、日別・時間帯別のクリックが見られる。左メニューの「データ分析」から開く | 開封率とクリック率は、URLが短縮URLに変換された場合に計測される。「URLを変換せずに送信する」設定や、リッチメッセージ・テンプレートのボタンに設定したURLは計測されない。フォームや予約管理のLIFF URLは対象外 |
| QRコードアクション | URL読み込み人数、友だち追加・ブロック解除人数、アクション稼働人数を確認できる。数値はCSVでも取得できる | 広告名・LP名・ブロック日時など一部の情報は有料プランで確認できる、と記載されている |
| 流入経路の分析 | どのメディアから友だちが追加されたかを確認し、自動タグ付けで流入経路ごとの配信に使える(エルメ公式メディアの説明) | エルメの分析機能の細かな仕様までは、そのメディア記事では説明されていない |
エルメ公式のメディアでは、標準機能では「誰がクリックしたか」までは把握できず、エルメでは個別の反応を見て属性別に分析できる、という趣旨の説明もあります。上の表のURL分析で「クリックした友だちの名前と日時」を見られる、という点がこれに対応します。一方で、プランごとにどこまで使えるかを含めた全機能の対応表は、今回の確認では見つかりませんでした。使う前に、公式のマニュアルとプランの説明で確認してください。
また、エルメ側の分析画面にある指標が、LINE公式アカウントの統計情報と同じ定義だとは限りません。「開封率」「クリック率」という同じ名前でも、集計方法が異なる可能性があるため、月次メモには数字の横に「どちらの画面の数字か」を書いておきます。比べるときは、同じ画面の数字同士で比べるのが原則です。
エルメを使う場合は、まず自分のアカウントでURL分析の画面を開き、どんな列が並ぶかを確認してみるのが早道です。なお、プランごとの機能差は変わることがあるため、契約前に公式の最新情報を確認してください。
振り返りの前提になる「友だち追加の入口の分け方」は、関連記事の エルメの流入経路分析とクロス分析|どこから友だちが来たかを見る設計 で詳しく整理しています。また、配信数の見方については LINE公式アカウントのメッセージ数の数え方と、超えないための考え方|吹き出し・Push・Replyの違い も合わせて読むと、配信画面の数字が読みやすくなります。
活用例(架空の設計例)|月次メモ1枚のつくり方
以下は実在の事例ではなく、考え方を示すための架空の設計例です。成果の数字は書きません。小さな教室を一人で運営していて、LINE公式アカウントを問い合わせ対応と連絡に使っている、という想定です。
メモの項目(A4で1枚、手書きでも表計算でもよい)
- 見た日と見た人。期間は「前月1日〜末日」。
- 友だち追加数、ブロック数、ターゲットリーチ。それぞれ前月と比べて「増・減・横ばい」の記号だけを書く。
- 友だち追加経路。出た経路の名前と、出なかった場合は「表示なし」。
- 配信したメッセージの一覧。配信日、種類(お知らせ、予約案内など)、開封・クリックの動き、集計途中かどうか。
- チャットの手動応答数・自動応答数。手で返した質問の種類を3つまで。
- 来月やること(最大3つ)。担当者と期日。
この想定では、例えば「手で返した質問の上位に、場所の案内と持ち物の確認がある」と気づいたら、来月やることに「応答メッセージに場所と持ち物を登録する」を入れます。「配信の開封の動きが前月と違った」場合は、配信した曜日や時間帯、件名にあたる冒頭の文を並べて、変えたことが1つだけなら次月も同じ条件で試す、というように、一度に変える点を絞ります。数字に反応して施策を増やすのではなく、手間と抜け漏れが減る方向の作業を優先する、というのがこの設計の考え方です。
メモを毎月積み上げると、年に一度「1年分の流れ」を見返せるようになります。画面ではCSVのダウンロードもできるため、見直しの際にスプレッドシートへ貼り付けて並べる運用も考えられます。ただし、CSVの項目は画面によって異なるため、列の意味は取り込む前に公式の説明で確認してください。
私の見立て|月次の振り返りで割り切ってよいこと
- 数字は「5つ」で十分で、「全部見る」ことのほうがリスクになる。見る項目が多いと、偶然の揺れに理由をつけ、必要のない作業が増えます。業務を減らす目的なら、チャットの手間と配信後の動きに絞るほうが続きます。
- 振り返りの価値は、数字そのものより「来月やること」を書き残せたかで決まる。良し悪しの基準は公式が示していないため、自分で線を引くより、前の月との方向と、心当たりのメモを残すほうが、運用が属人化しにくいと考えています。
- 小さなアカウントでは「数字が出ない月」は普通にあるので、出ない前提で設計する。20件未満で表示が出ない項目があることは公式の説明どおりです。出ない月は出ないと書き、他の項目に時間を回す。そう決めておくだけで、振り返りが億劫になりません。
ここまでは私個人の見立てであり、すべての運用に当てはまるわけではありません。ご自身のアカウントの目的に合わせて調整してください。
まとめ|今月からできる最初の一歩
- 見る数字は5つ。友だち追加数とブロック数、ターゲットリーチ、友だち追加経路、メッセージ配信の開封とクリック、チャットの応答数。
- 順番は「期間決め → 友だち → 経路 → 配信 → チャット → 来月やること」。30分で終える。
- 配信の数字は14日間の集計で、24時間は推定値。月末配信分は翌月に見直す。
- 20件未満で出ない数字は無理に読まない。「表示なし」と書いて先へ進む。
- エルメのURL分析やQRコードアクションは、標準の統計で粗い部分を補える。ただし、短縮URLに変換しない場合は計測されないなど、公式の制約を先に確認する。
- 数字の良し悪しの目安は、公式が示す範囲を超えて決めない。前の月との比較と、心当たりのメモで十分。
まずは次の月初に、メモの項目だけ先に作っておくところから始めてみてください。今月分は、日付を入れて「基準」として残すだけで構いません。
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「月次の振り返りの型を作りたい」「どの画面をどう設定すれば、あとで見返しやすくなるか分からない」「複数人で運用していて、担当が変わっても引き継げる形にしたい」という場合は、LINE公式アカウントとエルメの構築代行も承っています。応答設定、リッチメニュー、配信の設計から、運用ルールの文書化まで、業務の手間と漏れを減らす観点で整えます。料金は30万円〜(税別)で、内容は状況をうかがってから決めます。詳細は 構築代行のご案内ページ をご覧ください。
※この記事の情報は2026年10月9日時点で、LINEヤフー for Business およびエルメ公式ページで確認できた範囲です。機能・画面・料金は変わることがあるため、実際にご利用の前に公式の最新情報をご確認ください。公式で確認できなかった点は、本文中に「確認できませんでした」と記載しています。