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閉店後、レジ横のノートを見返していると、「次回は来月ご連絡します」とだけ書かれた行が三つ並んでいる。会計のとき、お客様は「また連絡しますね」と笑って帰った。こちらも「お待ちしています」と返した。ところが三週間たっても、誰からも連絡はない。こちらから声をかけたほうがいいのは分かっている。けれど、いつ、誰に、どんな言い方で送ればいいのか。そう迷っているうちに日が過ぎていく。
もう一つ、よくある場面があります。気をきかせて「そろそろいかがですか」とLINEを送ったら、その方はすでに別の経路で予約を入れていた。「もう取ってあるのに」と思われてしまう。声をかけないのも困る、かけて間違えるのも困る。この記事は、サロン・整体・教室のように次回予約で成り立つ現場で、「次回予約を取らずに帰った人」だけに、後日声をかける流れをエルメ(L Message)で組むための手順です。ポイントは、送る仕組みよりも「予約済みの人に届かないよう止める出口」のほうを先に設計することにあります。
声かけが「遅れる」問題と「間違う」問題は、原因が別です
「次回予約を取らずに帰った人に、後日声をかけたい」という悩みは、実は二つに分かれます。ひとつは声をかけるのが遅れる、または忘れる問題。もうひとつは、声をかけたのに内容が合わない(すでに予約済み、来店予定が別にある、など)問題です。前者は「きっかけの自動化」で、後者は「止める条件の設計」で解決します。混ぜて考えると、自動化したのに間違いが増えた、という結果になりがちです。
| 起きていること | よくある原因 | まず確認すること |
|---|---|---|
| 声かけが2〜3週間遅れる | 誰が・いつ見るかが決まっていない。ノートや頭の中に「未予約」が溜まる | 会計時に「次回予約なし」を記録する場所が一か所に決まっているか |
| 声かけ自体を忘れる | 繁忙日に後回しになり、そのまま忘れる。担当者が休むと止まる | 声かけの対象を「日付」で拾える形(タグ・友だち情報)にしてあるか |
| 予約済みの人に声かけが届く | 予約を取った事実が声かけ側に伝わっていない。電話・店頭で取った予約はLINEに反映されない | 予約の入口が複数ある場合、どの入口で止めるか決めてあるか |
| 同じ人に声かけが重なる | お礼の連絡や別の案内と、声かけの配信が同時に動いている | いま動いている配信(ステップ)が何かを把握しているか |
| 文面が合わない(初回・常連の区別なし) | 対象を分けずに同じ文面を送っている | 初回の方と通い慣れた方を、タグで分けてあるか |
LINEで解ける部分/解けない部分
解ける部分は、(1)声かけを送る時刻と文面の固定、(2)予約が入った人に対する「配信の停止」、(3)対象の目印(タグ)づけ、の三つです。解けない部分は、「その方が今は予約を控えたい理由」です。費用、体調、時間、他店との比較など、LINEの通知では動かせない事情は多くあります。声かけは「忘れない・間違えない」ための仕組みであり、再予約を保証するものではありません。この線引きを最初に決めておくと、文面も「お誘い」ではなく「空き状況のお知らせ」程度に抑えられます。
設計の全体像:声かけの流れより先に「止める出口」を二か所つくる
エルメのステップ配信は、作っただけでは配信されません。公式マニュアルでは、1:1チャット、自動応答、フォーム回答、友だち追加時設定、タグ管理など、エルメアクションの「トリガー」から開始する仕組みだと説明されています。つまり「誰にいつ始めるか」は自分で決める必要があります。今回の設計では、開始は人の手(友だちリストで対象を選んでステップを開始)、停止は予約が入った時のアクション、という役割分担にします。
開始:その日の「次回予約なし」の方だけを手で拾う
友だちリストで対象の友だちにチェックを入れ、「アクション選択」からステップを開始できることが、公式のステップ配信FAQに書かれています。この方法なら、その日に来店して次回予約を取らなかった方だけを、閉店後の数分でまとめて開始できます。会計時にスタッフが次回予約の有無をメモし、閉店後にその一覧を見ながらチェックする、という運用です。自動開始より一手間かかりますが、店頭や電話で取った予約を取りこぼす心配が小さくなります。
停止:予約が入ったときの出口を二つ置く
- 出口1:LINEから予約が入ったとき。サロン・面談予約では、コースやスタッフごとに「予約完了時アクション」を設定でき、そこでタグの付与などを実行できます。同じアクションの中でステップの「停止」を選べば、予約と同時に声かけが止まる設計にできます(フォーム回答時にステップを停止する手順は公式に掲載されており、アクションの選び方は同様です)。
- 出口2:店頭・電話・口頭で予約が入ったとき。この予約はLINEから見えません。そこで1:1チャットの友だち情報から個別に「ステップ配信を停止する」、または友だちリストで「ステップ購読状況」を絞り込み、チェックした人にまとめて停止を実行します。
設定の流れとつまずきやすい点(公式の仕様に沿って)
| 手順 | 画面での操作 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 1. 声かけ用のステップを作る | 「ステップ配信」から新規作成し、管理名を入力。1通目は「ステップ開始直後」 | 管理名は「再予約声かけ」のように、お礼のステップと見分けがつく名前にする |
| 2. 2通目以降の時刻を決める | 「日時で指定」は開始日から○日後の指定時刻。「経過時間で指定」は72時間以内 | 2週間後の声かけは日時指定。72時間を超える経過時間は指定できない |
| 3. 予約完了時アクションを設定 | サロン・面談予約のコース/スタッフごとの完了時アクションに「ステップ停止」とタグ付与を入れる | コース別に設定した場合、全体設定のアクションは実行されない(後述) |
| 4. 開始方法を決める | 友だちリストで対象を選び、アクション選択からステップを開始 | 開始する前に、その方が予約済みでないかを台帳で確認 |
| 5. テスト配信 | 自分のアカウントで開始し、予約を入れて止まるかまで確かめる | 「配信中のステップなし」の表示になれば停止できている |
つまずき1:コース別にアクションを設定したら、停止が働かなかった
サロン・面談予約の公式マニュアルには、コースやスタッフごとに完了時アクションを設定した場合、予約設定側の全体アクションは実行されない、と書かれています。全体設定にだけステップ停止を入れて、コース別にはタグ付与しか入れていない状態だと、そのコースで予約した方には停止が働きません。予約コースが複数ある場合は、コースごと・スタッフごとに停止が入っているかを一覧で見直してください。
つまずき2:タグを外してもステップは止まらない
公式のFAQには、タグを外してもステップ配信は自動では止まらず、タグは開始のきっかけにすぎない、とあります。「次回予約済」というタグを付けたから止まるはず、と考えるのは危険です。止めたいなら、停止の直接のきっかけとなるアクションにステップ停止を入れます。タグは「いま誰がどの状態か」を見分けるための目印として使い、停止はアクションで行う、と役割を分けてください。
つまずき3:別のステップが走っていると、元のステップが止まる
公式FAQによれば、同時に配信できるステップは一つだけで、別のステップを開始すると元のステップは自動で止まります。来店後のお礼ステップが動いている最中に声かけステップを開始すると、お礼の続きが止まります。お礼の最終通が出たあとに声かけを始める、または声かけをお礼ステップの末尾に組み込んで続けて流す設計にしてください。お礼の組み方は来店後のお礼を毎回個別に送れない悩みの解き方|サンクスメッセージを自動で届けるステップ配信とタグの組み方で詳しく扱っています。
運用ルールとチェックリスト:声かけの判断を、その場の気分にしない
判断基準表:誰に・いつ・何を送るか
| お客様の状況 | 声かけの時期の目安 | 文面の方針 |
|---|---|---|
| 初回来店で次回予約なし | 来店の1週間後に1通目(日時指定) | お礼を主にして、空き状況を添える程度。押しつけない |
| 通い慣れた方で、いつもの周期を過ぎた | 前回の周期+数日で1通 | 「いつもの時期ですので」と事実だけを伝える(周期ごとの組み方は再来店の目安時期(例:6週間後)に合わせて声をかけたい|来店周期別に組むステップ配信とタグの設計) |
| その場で「少し先になる」と言われた | 言われた時期の少し前に1通 | 会計時の発言を友だち情報に残して引用する。「先日、〇〇のころにとお話しでした」 |
| 施術後に不調・不満の様子があった | ステップには入れず、スタッフが個別に連絡 | 自動の声かけは使わない。1:1で様子をうかがう |
| 2通送っても反応がない | 3通目は送らない | 配信を止めて、タグで「声かけ済・反応なし」とし、次回来店時に口頭で確認 |
運用ルール案
- 会計時に「次回予約あり/なし/あとで連絡」の三択をスタッフが記録する。三択のうち「あとで連絡」だけが声かけの対象。
- 声かけは最大2通まで。2通で反応がなければ止めて、次の来店時に口頭で確認する。
- 店頭・電話で予約を取ったときは、その日のうちに停止を実行する(1:1の個別停止)。
- 閉店後に5分、「今日の未予約」の一覧を見て開始する担当を決める。担当が休みの日の代理も決めておく。
- 文面の変更は、配信中のステップに途中でメッセージを足すと、すでに配信日時が過ぎた分は配信されない点(公式FAQ)を踏まえて、配信が始まる前に行う。
開始前のチェックリスト
- 対象者は、その日に来店して、次回予約がない方だけか
- 予約台帳(LINE・電話・店頭すべて)で、すでに予約が入っていないか
- コース別・スタッフ別の完了時アクションに、ステップ停止が入っているか
- お礼のステップなど、他のステップが動いていないか
- 1通目の時刻は、日時指定で夜間を避けた時刻になっているか
- テスト配信で、予約を入れると止まることを確認したか
文面の作例(自作の例です)
1通目(来店の約1週間後)。この文面の狙いは、予約を急がせず、空き状況を知らせることです。
【お名前】様、先日はご来店ありがとうございました。
その後、お体の調子はいかがでしょうか。
来月の空き枠をお知らせします。【日付】は午前の枠に余裕があります。
ご都合のよい日が決まりましたら、こちらから予約できます。【予約ページのURL】
お急ぎでなければ、このままご返信いただかなくても大丈夫です。
送る前の確認:業種に合わせて「お体の調子」の部分を「髪の調子」「その後の練習」などに差し替える、予約済みでないか確認する。2通目(2週間後)は、同じ内容を繰り返さず、「前回の周期にあたる時期です」と事実だけを短く伝えます。避けたい言い方は、「予約が埋まってきています」のように焦らせる表現です。
活用例(架空の設計例):少人数の整体院で、月末の「未予約」を閉店後に拾う
以下は実在の事例ではなく、設計の考え方を示す架空の例です。成果の数字はありません。
スタッフ2名の整体院を想定します。施術のあと、受付でスタッフが次回予約について「取る」「取らない」「あとで連絡」のいずれかを会計メモに書きます。閉店後、院長が友だちリストを開き、その日の来店者のうち「あとで連絡」の方にチェックを入れ、声かけステップ「再予約声かけ」を開始します。ステップは1通目が開始から7日後の18時、2通目が14日後の18時(日時で指定)。そこで予約が入れば、サロン予約の各コースの完了時アクションに入れた「ステップ停止」で止まります。電話で予約した方については、その日のうちに院長が1:1チャットから個別に停止します。
タグは「声かけ中」「声かけ済・反応なし」の二つだけにして、増やしません。月末にタグ「声かけ済・反応なし」の人数を見て、その方々には次回の来店時に口頭で確認する、という確認の合図にします。
向かないケース、確認が必要な点、私の見立て
向かないケース
- 施術後の経過や体調に関わる連絡:不安を抱えている方に、自動の声かけが届くのは避けたい場面です。電話か対面で、状態を聞くことを優先します。
- 予約が電話中心で、LINEの友だちが少ない現場:停止の仕組みを入れても、止める対象が見えません。まずは友だち登録と予約の入口の整理が先です。
- 定員が小さく、ほぼ毎回その場で次回を決めている現場:声かけの対象が月に数名なら、ノートと手動のメッセージで十分で、仕組みは過剰です。
- お客様が「勧誘」と受け取りやすい業態:1通目を送る前に、会計時に「後日、空き状況をLINEでお知らせしてもよいか」を口頭で一言確認してください。
確認が必要な点(2026-10-09時点で公式から確認できなかったこと)
- サロン・面談予約の完了時アクション画面で、ステップの停止が選べるかの具体的な画面文言。手順は上記の公式記載(コース別アクション、フォーム回答時のステップ停止)からの推測を含むため、必ず自分の画面で確認してください。
- ステップ配信の停止を、タグの有無を条件に自動で行う方法。
- 対象プランの区分。絞り込み条件はスタンダード以上で使えるとの記載がありますが、全機能の区分は契約前に公式でご確認ください。
私の見立て
- 声かけの仕組みは、送る側の都合を軽くするものであり、送られる側にとっては「通知」です。停止の出口が先、本文は後、と考えると失敗が減ります。
- 開始を手作業にするのは、遠回りに見えて、店頭・電話の予約を取りこぼさない一番安全な設計です。まず手動で回して、運用が固まってから自動の開始を足すほうが、間違いに気づきやすくなります。
- 声かけは2通まで。反応がないなら、配信を止めて次の来店時に口頭で聞く、という切り上げ方まで決めておくことが、お客様との関係を守ります。
まとめ
次回予約を取らずに帰った方への声かけは、「遅れる・忘れる」と「間違える」を分けて考えると整理できます。エルメでは、ステップ配信を人の手で開始し、予約完了時アクションとフォーム回答・個別停止で止める、という役割分担が現実的です。つまずきは三つ。コース別アクションでは全体設定が働かないこと、タグを外してもステップは止まらないこと、別のステップを始めると元のステップが止まること。この三つを最初に潰しておけば、「予約済みなのに届いた」という失敗はかなり避けられます。まずは自分の画面で、予約完了時アクションを開いて、停止が入るかを確かめるところから始めてみてください。
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