広告(アフィリエイトリンク)を含みます。この記事は、エルメ(L Message)の公式マニュアルを2026-10-09に確認して書いた、業務改善の整理メモです。
「営業時間は何時までですか」「駐車場はありますか」「キャンセルはいつまで無料ですか」。同じ質問が、日を替え人を替えて届く。そのたびに文面を探して貼り付けて返信する。一件ずつは短い作業でも、積み重なると手が止まり、返信の言い回しもスタッフごとにばらつきます。そこで「リッチメニューに答えを載せておけば、聞かれなくなるのでは」と考えるのは自然な発想です。
ただ、最初に押さえておきたい点があります。リッチメニューは「画像にタップできる範囲を重ねたもの」で、画像の中に長い答えの文章を書き込む仕組みではありません。「載せる」と言っても、実際には「質問の見出しをメニューに並べ、タップされたら答えのメッセージが届く」という二段構えになります。この記事では、その二段構えをエルメの公式機能の名前で組み立てる手順と、組んでも解けない部分を分けて整理します。
同じ質問が繰り返される原因を、先に3つに切り分ける
メニューを作り込む前に、「なぜ聞かれるのか」を切り分けておくと、作り直しが減ります。原因によって、効く手当てが違うからです。
| 原因 | 現場で起きていること | 先に試す手当て |
|---|---|---|
| 答えが見つからない | 答えは公式アカウントのどこかにあるが、探せない | 質問の見出しをメニューの1タップ目に置く |
| 答えが長すぎて読まれない | 案内文を送ったが、要点が埋もれている | 答えを短く分け、パネル・ボタンで項目ごとに出す |
| 状況が人によって違う | 「うちの場合は?」と個別事情を確認したい | 条件を聞く質問ボタンから、答えを出し分ける |
| そもそも答えが決まっていない | スタッフにより回答が変わる | メニューより前に、回答を社内で1つに決める |
| 時期で答えが変わる | 休業・繁忙期・料金改定で古い案内が残る | メニューの案内を更新する担当と頻度を決める |
特に4行目は見落としがちです。答えが決まっていない状態でメニューを作ると、「間違った答えを自動で、均一に、速く配る」仕組みができあがります。先に回答をそろえる作業は地味ですが、いちばん効きます。回答のばらつきそのものを直す方法は、同じ質問への返信を毎回手打ちしている問題の解き方|FAQの整え方と、LINE公式アカウント+エルメの自動応答・テンプレート・リッチメニューが向く条件でも整理しています。この記事は、そのうち「リッチメニューの並べ方」に絞った続きとして読んでください。
もう一つ、質問の数え方のコツがあります。直近の問い合わせを見返し、同じ趣旨の質問に印を付けて、多い順に並べます。上位から3〜6件ほどがメニューに載せる候補です。件数の目安に公式の決まりはなく、私の経験則でもありません。単に、一つのメニューに詰め込むほど、どれを押せばよいかが分かりにくくなるため、候補を絞るという考え方です。
リッチメニューで「解ける部分」と「解けない部分」
公式マニュアルによると、リッチメニューは画像を用意してタップ範囲(エリア)を設定し、エリアごとにタップ時のアクションを割り当てます。アクションは大きく3種類あり、「エルメアクション」ではテンプレートやテキストの送信、ステップ配信・リマインド配信の開始と停止、タグや対応ステータスの付け外しなどが選べます。「友だちアクション」では指定ページ、回答フォーム、予約ページを開く、電話やメールを促すといった動作が選べます。さらに、タップで別のリッチメニューへ切り替える設定もあります。これらを前提に、FAQという用途で解ける範囲を整理します。
| 場面 | リッチメニューで解けるか | 使う仕組み(公式の機能名) |
|---|---|---|
| 営業時間・場所などの定型の質問 | 解ける | エリアのタップでテンプレートを送信(エルメアクション) |
| 料金・流れなど、項目が多い案内 | 一部解ける | 複数メッセージのテンプレート、またはパネル・ボタンで項目別に |
| 予約・申込・問い合わせの入口 | 解ける | 友だちアクションで予約ページや回答フォームを開く |
| 質問の種類が多くメニューに載り切らない | 工夫すれば解ける | リッチメニュー切り替えで、階層に分ける |
| お客様ごとの事情を確認したい回答 | 解けない部分が残る | 1:1チャットで個別に返信する |
| 緊急性のある連絡・判断が要る相談 | メニューでは解けない | 電話・対面など、事業者が決めた手段に誘導 |
表の見方として大事なのは、メニューが減らすのは「定型の質問」だけだという点です。個別事情の確認、判断を伴う回答、緊急の連絡は、メニューを整えても残ります。残る部分は1:1チャットで受け、その返信にもテンプレートを使うのが現実的です。公式マニュアルでは、1:1チャットでテンプレートを送る際、送信前にテキストだけ編集でき、元のテンプレートは変わらないと説明されています。定型の返信を土台にしつつ、一言だけ個別に添える使い方ができます。
設定の流れ:メニュー、テンプレート、質問ボタンの順に組む
作る順番は「答え(テンプレート)→メニュー→確認」の順がつまずきにくいです。メニュー画像から先に作ると、あとで答えの数が合わず、画像を作り直すことになりがちです。
手順1:答えをテンプレートにしておく
まず、メニューに載せる質問の数だけテンプレートを作ります。公式のテンプレート関連ページでは、テンプレートの作成数はどのプランでも制限がないと案内されています(取得日2026-10-09)。1つのテンプレートに複数のメッセージを登録できるので、「結論を先に、詳細を後に」の二通構成にすると読みやすくなります。名前は「FAQ_営業時間」のように、あとで探せる付け方に統一します。
手順2:メニュー画像とタップ範囲を作る
左メニューの「リッチメニュー」から新規作成し、管理用の名前を付けます(この名前は友だちには表示されません)。画像は大(横2,500×縦1,686px)か小(横2,500×縦843px)のサイズのみ登録できます。テンプレートのレイアウトを選ぶか、手動でタップ範囲を描き、エリアごとに先ほどのテンプレートを「エルメアクション」で割り当てます。最大パネル数は公式マニュアルに記載がありませんでした。載せる数は、押しやすさを基準に決めてください。
手順3:項目が多い質問は「パネル・ボタン」で受ける
メニューの1タップ目で「料金について」と選ばせ、返信のパネル・ボタンで「入会金」「月額」「支払い方法」を選ばせる、という二段にもできます。公式マニュアルでは、パネル・ボタンにスタンダード、カラーボタン、画像、クイックリプライの4タイプがあり、スタンダードなどは最大10枚のパネルを送れること、スタンダードのボタンは縦に最大4つであることが説明されています。クイックリプライはボタンを最大10個置けますが、タップするとボタンが消え、複数メッセージを同時に送る場合は常に最後に送られる、という注意点も書かれています。
つまずき:質問ボタンを押すと、自動応答まで反応する
見落としやすいのがここです。公式マニュアルによると、ボタンをタップすると、ボタンの文字が友だちの発言として自動で送信されます。キーワードに反応する自動応答を別に作っていると、ボタンの文字にも自動応答が反応し、答えが二重に届く可能性があります。自動応答の設定には、質問ボタン用の除外設定があると公式に案内されています。ボタンとキーワード応答を併用するなら、必ずこの設定を確認してください。
もう一つ、タップ数の数え方にも注意が必要です。公式マニュアルでは、リッチメニューのタップ回数が数えられるのは、エルメアクションを設定したエリアだけとされています。友だちアクション(ページを開くなど)だけのエリアは、この回数に出てきません。「押されていない」と判断する前に、リッチメニューを作ったのに押されない・使われない|原因の見分け方と、公式の機能での確認手順の確認手順も合わせて見てください。
運用ルール案とチェックリスト:作ったあとに古くならないために
FAQメニューは「作った日がいちばん正しい」状態から古くなっていきます。次の運用ルールを先に決めておくと、放置を防げます。
- 更新担当を1人決める:料金・営業時間・休業日が変わったら、その日のうちにテンプレートを直す人を決めます。
- 確認日を決める:月に一度、各項目のテンプレートを開いて、リンク切れと古い案内がないか見ます。
- 迷った質問は記録する:メニューを押したあとで結局1:1チャットで聞かれた質問は、答えが足りていないサインです。メモに残します。
- 見直しの基準を持つ:エリアのタップ回数(エルメアクション設定分)を見て、まったく押されない項目は入れ替え候補にします。
- 古い答えを残さない:一時的な案内は、期間終了後にテンプレートの内容を戻す作業まで予定に入れます。
公開前のチェックリストとしては、次の点を確認します。
- 各エリアをタップして、想定したテンプレートが届くか(自分のアカウントで実際に押す)
- 答えの文面に、事業者側が決めた最新の内容が入っているか
- スマートフォンの小さい画面で、メニュー画像の文字が読めるか
- 自動応答とボタンの文字が重なって、二重返信になっていないか
- メニューの一番下の項目から、1:1で相談できる入口(問い合わせ)に行けるか
- 表示開始日時を指定する場合、日時が意図どおりか(公式では表示開始日時の指定が可能と案内)
メニューの並べ方そのもの(どの順に置くか、何個にするか)は、リッチメニューのボタンを迷わせない並べ方|情報設計の考え方と、無料プラン2つの使い分けで情報設計の考え方として書きました。本記事は「FAQの答えをどう届けるか」に絞っているため、並べ方の理屈はそちらを参照してください。
活用例(架空の設計例):少人数の教室がFAQメニューを組むなら
以下は、実在の事例ではなく、考え方を示すための架空の設計例です。成果の数字は示しません。
少人数の教室で、スタッフが2人。体験の申込み、持ち物、駐車場、休講時の連絡についての質問が多い、という想定です。メニューは大サイズを使い、上段に「体験を申し込む」(友だちアクションで予約ページを開く)、下段に「持ち物」「駐車場・アクセス」「休講のとき」「その他の相談」の4つを置きます。下段の3つは、エルメアクションでテンプレートを送信します。「その他の相談」は1:1チャットの入口として、「ご相談内容を一言でお送りください」というテンプレートを返します。
「持ち物」のテンプレートは二通構成にします。一通目は結論(「動きやすい服装と室内用の靴をご用意ください」といった要点)、二通目は例外や補足です。こうすると、要点だけ知りたい人は一通目で足り、細かい確認をしたい人は二通目まで読めます。「休講のとき」は、連絡方法と時期の考え方を書いた案内にします。ここでは、実際の判断(休講にするか)は事業者側が行い、メニューは「どこに連絡が出るか」を伝える役割に限定します。
運用面では、毎月第一営業日に担当者が全テンプレートを開いて見直し、1:1チャットで繰り返し聞かれた質問を次のメニュー改訂の候補にします。メニューを一度作って終わりにせず、問い合わせの実態に合わせて少しずつ入れ替えていく、という設計です。
向かないケースと、私の見立て3点
向かないケース
- 緊急性が高い連絡(事故、急病、安全に関わる連絡):メニューのタップ待ちでは遅れる場合があります。電話などの手段を別に用意してください。
- 個人情報や契約内容に踏み込む相談:本人確認や判断が必要な内容は、メニューの定型回答では扱えません。取り扱いの方針は、各自の規約と方針に沿って決めてください。
- 答えが頻繁に変わる質問:テンプレートの更新が追いつかない場合、メニューより、その都度の一斉配信のほうが向くことがあります。
- LINEを使っていない層が中心の問い合わせ:電話や対面が主な窓口なら、メニュー整備の優先度は下がります。
- 法律・医療・税務などの判断が絡む回答:メニューで断定せず、専門家や公式窓口への確認を案内するにとどめます。
私の見立て3点
一つ目。メニューに載せるのは「質問」ではなく「次に取ってほしい行動」のほうが、うまく回りやすいと考えています。質問の見出しだけ並べると項目が増え続けるので、「予約する」「持ち物を見る」のように行動で束ねると数を抑えやすくなります。
二つ目。メニューを整えると、1:1チャットで受ける質問の質が変わるはずです。定型の質問が減るぶん、残る質問は個別事情を含んだものになります。そのため、メニューの導入と同時に、1:1の返信のテンプレートと対応ステータスの運用も整えておくと、手が止まりにくいと思います。
三つ目。最初から完成形を狙わず、小さく始めて入れ替えるほうが安全です。公式でタップ回数が見られる範囲(エルメアクション設定分)には限りがあるため、判断材料はタップ数だけに頼らず、「結局1:1で聞かれた内容」のメモと組み合わせるのがよいでしょう。
まとめ
同じ質問への対応は、「答えをメニューに載せる」というより、「質問の見出しをメニューに並べ、タップで答えのテンプレートが届く」形に組み替える作業です。順番は、回答をそろえる、テンプレートにする、メニューのエリアに割り当てる、自動応答との重なりを確認する、の流れ。残る個別の相談は1:1チャットで受け、そこにもテンプレートを使います。
なお、料金や対象プランに関わる機能(たとえば、ユーザー別にメニューを出し分ける機能は有料プラン限定と公式マニュアルに案内)は、変更されることがあります。契約前に公式で最新の内容を確認してください。公式で確認できなかった点(作成できるリッチメニュー総数、パネル数の最大値、プラン別の上限)は、本記事では断定していません。
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