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「届いたマグカップを洗ったら、内側にうっすら細かいひびのような線が見えました。不良品でしょうか」。陶器の釉薬に入る貫入(かんにゅう)は、一点ずつ焼いて作る雑貨ではよくある現象ですが、買った人にとっては初めて見る線です。作り手にとっては常識でも、受け取った人には伝わっていない。そのすれ違いが、問い合わせや不信感のもとになります。
雑貨やハンドメイドは、素材ごとに「最初の扱い方」と「長く使うためのお手入れ」が違い、しかも一点物は個体差が出ます。商品ページや同梱の紙に書いていても、使い始めに読み返してもらえるとは限りません。LINE公式アカウントなら、届いたころ、使い始めたころ、お手入れの時期という節目に、短い案内を届けられます。この記事では、そのための文例7つを作例として用意しました。
注文の受付や制作期間の連絡は注文受付確認と制作期間のご案内の文例7つ|ハンドメイド作家向けの言い回しと使いどころ、発送後の連絡は発送完了・受け取り案内の文例7つ|ハンドメイド・小規模通販向けの言い回しと使いどころに分けてあります。この記事は、商品が手元に届いたあとの「使い方とお手入れ」だけを扱います。
最初に整理|この案内は「誰に・いつ・どの形で」送るのか
文例は、お手持ちの商品に合わせて書き換えて使う作例です。実際の素材の扱い方(水洗いの可否、乾かし方、オイルの種類など)は、商品ごとの正しい情報を作り手の方がご自身で確認して入れてください。食品に触れる器や、肌に触れるアクセサリーの表示・安全面の決まりは、一般論としては各自で確認が必要な分野です。この記事では判断しません。
エルメでは、メッセージを送る形が複数あります。公式のマニュアル(取得日2026-10-09)で確認できた範囲で、今回の文例と形の対応を表にしました。
| 文例 | 送る形 | きっかけ | 向いている理由 |
|---|---|---|---|
| 1 使い始め前の案内 | ステップ配信 | 購入後・発送後の経過日数 | 届く日に合わせて自動で届く |
| 2 革小物の最初の1週間 | ステップ配信 | 購入からの日数 | 慣らしの時期が決まっている |
| 3 初回洗濯の問い合わせ | 自動応答 | 「洗濯」などのキーワード | 答えが決まっている質問にすぐ返せる |
| 4 変色の相談への返信 | 1:1チャット | お客様からの相談 | 状況を聞いて個別に返す必要がある |
| 5 オイルの塗り直し | ステップ配信 | 購入から約1か月後 | 節目が決まった定期のお手入れ |
| 6 イベント出店のあとで | 一斉配信 | 出店後の締め切り日 | 出店で買った人だけに絞って送る |
| 7 ギフトで受け取った方へ | 自動応答+ステップ配信 | 同梱カードの案内からの友だち追加 | 購入者と使う人が別人 |
ステップ配信は、あらかじめ設定したメッセージを指定した順番と間隔で自動配信する機能です。2通目以降は「日時で指定」(開始時点から何日後の何時何分)または「経過時間で指定」(72時間以内)で時刻を決められます。また、配信を始めるには「開始のエルメアクション」の設定が必要で、これを忘れると何も届きません。ここは設定ミスが多い箇所です。
雑貨・ハンドメイド特有の注意点|これを外すと文面が空回りする
- 素材ごとに案内を分ける:木・革・布・陶器・真鍮・レジンでは、避けたい水分や日光の条件がまるで違います。「大切にお使いください」だけでは何も伝わりません。
- 個体差の説明は届く前に:一点物の色味、貫入、木目の違いは、トラブルになってから説明すると言い訳に聞こえます。使い始めの案内に「こうなることがあります」と先に書きます。
- 「不良品ではありません」の連呼は逆効果:最初から否定形で書くと、不安を煽る場合があります。起こること、その理由、対処の順に書きます。
- お手入れは「やってはいけないこと」を3つまで:禁止事項が10個並ぶと読まれません。壊れやすい順に3つに絞り、詳細は商品ページに誘導します。
- 安全面の表示は断定しない:「安全です」「無害です」といった断定表現は避け、公式の表示や根拠を確認できる範囲だけを書きます。
文例7つ|素材と状況の違いで使い分ける
以下はすべて当ブログの作例です。【】の部分は、ご自身の商品名・数値・URLに差し替えてください。
文例1|陶器・初めて使う前(貫入と目止めの案内)
受け手の状況:初めて買った方。届いたばかりで、扱い方が分からない。
この文面の狙い:使い始めに起こりうる現象を先に伝え、不安を減らす。
【お名前】さん、【商品名】がお手元に届いたころかと思います。 使い始める前に、ひとつだけお伝えさせてください。釉薬の表面に、細い線(貫入)が出ることがあります。ひとつずつ焼いているため、入り方に個体差があります。 初めて使うときは、水に【30分】ほどつけてから、水気を拭いてお使いください(目止めの方法は【作家の方法】に合わせて変更)。 使い方の詳しい手順は、こちらの商品ページにも載せています。【URL】
避けたい言い方:「不良品ではないのでご安心ください」と先に言い切ること。
差し替える箇所:貫入の有無、目止めの要否、浸す時間、商品ページのURL
送る前の確認:貫入が出ない商品に同じ文面を送っていないか。電子レンジや食洗機の可否が、商品ごとに正しいか。
文例2|革小物・最初の1週間(慣らしの案内)
受け手の状況:財布やカードケースを買った方。使い始めて数日の時期。
この文面の狙い:革の色や感触が変わる時期を知らせ、「傷んだ」と誤解されないようにする。
【お名前】さん、【商品名】はいかがでしょうか。 革は使い始めの数日で、手の脂や摩擦によって、すこしずつ色や手ざわりが変わります。これは経年変化のひとつです。 この時期だけ、次の2点にご注意ください。 ・雨や水滴が付いたら、乾いた布で軽く押さえるように拭いてください。 ・淡い色の服やバッグと長く重ねると、色が移ることがあります。 気になる点があれば、このトークで写真を送ってください。
避けたい言い方:「革製品なので当然です」と突き放す書き方。
差し替える箇所:革の種類、色移りの注意の有無、写真を送る受付の窓口
送る前の確認:染色や仕上げの違う革に、同じ注意を流用していないか。
文例3|リネンの布もの・初回洗濯(自動応答で返す)
受け手の状況:買った直後に「洗濯していいですか」と聞きたい方。夜や休日でも答えがほしい。
この文面の狙い:定型の質問に、時間を問わず同じ品質で答える。
【商品名】の初回のお洗濯について、お答えします。 ・洗い方:【30℃以下のぬるま湯で、やさしく手洗い/洗濯ネット】 ・脱水:【短め(30秒ほど)】 ・干し方:【形を整えて、日陰で干す】 初回は、わずかに縮んだり、色の水が出たりすることがあります。他の洗濯物とは分けてください。 素材の状態によっては異なる場合があります。ご不明な点は、このトークでお気軽にご連絡ください。
避けたい言い方:「普通に洗えます」と、条件を省略すること。
差し替える箇所:洗い方、水温、脱水、干し方。「洗濯」「洗い方」など反応させるキーワード
送る前の確認:縮み率や色落ちの度合いを、実際に確認した数字で書いているか。確認していない数字は書かない。
文例4|真鍮アクセサリー・変色の相談に返す(1:1チャット)
受け手の状況:「使っていたら色が変わった」と、少し不満げに連絡してきた方。
この文面の狙い:原因の説明より先に、気づいてくれたことと状況の確認を伝える。
【お名前】さん、ご連絡ありがとうございます。 色が変わってしまい、驚かれたかと思います。 真鍮は、空気や汗などに触れることで、色合いが変わっていく金属です。ただ、変化の出方には幅があります。 お手数ですが、次の点を教えていただけますか。 ・いつごろから変わったか ・汗をかく場面で着けたか ・保管するときの状態 お写真があれば、あわせて送ってください。お手入れの方法も、状況を見てご案内します。
避けたい言い方:「真鍮はそういうものです」と一言で終わらせること。
差し替える箇所:商品名、確認する項目、お手入れ方法の案内の有無
送る前の確認:返品・交換の対応は、作家の方針に沿った別の連絡で行う。この文面だけで約束しない。
文例5|木のカトラリー・購入1か月後のオイル案内(常連向け)
受け手の状況:以前にも買った常連。使い込んで、手ざわりの変化に気づき始めたころ。
この文面の狙い:節目に合わせて、お手入れの提案を一回だけ届ける。
【お名前】さん、【商品名】を使い始めて、1か月ほどになります。 木の表面が少しかさついてきたら、オイルを薄く塗る時期のサインです。 【手順】 1.洗って、しっかり乾かす 2.布に【オイルの種類】を少量とり、薄くなじませる 3.【10分】おいて、余分を拭き取る 塗らなくても使えます。気になったときで大丈夫です。 オイルは、【取扱い先/お店のページ】でも扱っています。
避けたい言い方:今すぐ必要なように急がせること。
差し替える箇所:購入からの日数、オイルの種類と手順、オイルの案内先
送る前の確認:食品に触れる木製品に使うオイルの種類を、食品に使えるものにしているか。商品ごとに確認する。
文例6|天然石・レジンのアクセサリー・イベント出店のあとで
受け手の状況:出店したイベントの会場で買った方。作家のことは、まだあまり知らない。
この文面の狙い:出店で買った人だけに、水・汗・直射日光の注意を届ける。
先日の【イベント名】にお立ち寄りいただき、ありがとうございました。 【商品名】をお迎えくださった方へ、ひとつだけお知らせです。 天然石やレジンは、長時間の直射日光や、水に濡れたままの放置を避けてください。外すときは、柔らかい布で水気や汗を拭き取ってください。 素材ごとの詳しい注意は、こちらにまとめました。【URL】
避けたい言い方:出店に来ていない人まで含めて、全員に送ること。
差し替える箇所:イベント名、素材ごとの注意点、まとめのページのURL
送る前の確認:出店で買った人だけにタグを付けて絞り込んでいるか。配信対象を間違えていないか。
文例7|ギフトで受け取った方へ(購入者と使う人が別人)
受け手の状況:購入者ではなく、贈られた側。商品の名前もうろ覚え。
この文面の狙い:贈り主を尊重しつつ、使い方を知らせる。購入者の情報は出さない。
はじめまして。【ショップ名】です。 同梱のカードからご登録いただき、ありがとうございます。 贈り物として届いた【商品名】の、使い方とお手入れをご案内します。 ・最初に:【ひとこと】 ・毎日のお手入れ:【ひとこと】 ・困ったとき:このトークでご相談ください。 贈ってくださった方の情報は、こちらからはお伝えしておりません。
避けたい言い方:「◯◯様からのギフトですね」と贈り主の名前を出すこと。
差し替える箇所:商品名、ショップ名、2つのお手入れ項目
送る前の確認:贈り主の個人情報を、受け取った側に見せていないか。
文例を配信する仕組みの作り方と、判断の基準
文例のうち、ステップ配信で送るもの(1・2・5)は、購入や発送のタイミングから何日目かを決めて並べます。公式のマニュアルには、ステップ配信を途中の日から開始する方法も載っています。1:1チャットで対象の友だちを選び、「ステップ配信を開始・変更する」から開始する日目を指定する、あるいは友だちリストで複数人にまとめて指定する方法です。すでに商品を受け取っている人に、案内を途中から届けたいときに役立ちます。
素材別に内容を変えたいときは、ステップ配信の「配信対象」を分け、タグで絞り込む方法があります。ただし、絞り込みは有料プランでのみ利用できると公式に記載があります。無料プランでは素材ごとにステップ配信を分けて作る方法を考えます。
| 状況 | 選ぶ形 | 理由 |
|---|---|---|
| どの商品にも共通の案内 | 一斉配信 | 全員に同じ文面でよい |
| 購入からの日数で決まる節目 | ステップ配信 | 自動で届き、送り忘れがない |
| 答えが決まった質問が多い | 自動応答 | 夜間・休日も返せる |
| 不満・不安が混じった相談 | 1:1チャット | 状況の確認と個別の返答が必要 |
自動応答は、完全一致(メッセージ全体がキーワードと同じ)と部分一致(キーワードを含む)を選べます。「洗濯」のような短い言葉は部分一致が便利ですが、関係ない会話にも反応する可能性があります。反応しすぎないよう、最初は少ないキーワードで試して調整してください。
活用例(架空の設計例)|リネンと陶器を扱う、週末だけ営業の小さなショップ
以下は実例ではなく、設計の考え方を示すための架空の例です。成果の数字は載せていません。
- タグ:「素材_陶器」「素材_リネン」「購入_イベント会場」の3種類。購入のたびに手動で付ける。
- ステップ配信A(陶器):1通目は発送の連絡から2日後に使い始めの案内(文例1)、2通目はその3週間後に「お手入れの節目」。
- ステップ配信B(リネン):1通目は同様の案内、2通目は購入から約1か月後に「洗い方の見直し」。
- 自動応答:「洗濯」「洗い方」に反応して文例3を返す。
- 1:1:変色やひびの相談が来たら、文例4の流れで状況を聞く。
お手入れの案内は、お客様の手元にある商品ごとに違うため、全員に同じ文面を送るのではなく、素材別に分けて届ける設計にしています。
向かないケースと、公式で確認できなかった点
LINEの案内が向かないケース
- 破損・不具合で、すぐに返品や交換の判断が必要な場合。写真のやり取りはLINEで行えますが、対応の最終判断は電話やメールのほうが、記録として残しやすいことがあります。
- 肌のかぶれなど、体調に関わる相談。使用の中止をすすめるといった判断は文例で定型化せず、個別に慎重に対応します。医療の判断は行わず、必要に応じて専門家への相談を案内してください。
- 食品に触れる器や、小さなお子さまが口に入れる可能性のある商品の安全性の案内。文例の定型では扱わず、各自で表示や規則を確認した内容だけを載せてください。
確認が必要な点
購入した商品の名前をメッセージに自動で差し込む方法や、購入時に商品ごとのタグを自動で付ける方法については、今回参照した公式ページ(取得日2026-10-09)では確認できませんでした。この記事の活用例では「手動でタグを付ける」前提にしています。商品販売機能との連携などで自動化できるかは、公式で確認してください。
私の見立てとまとめ
私の見立て3点
- お手入れの案内は「届く日」と「1か月後」のようにタイミングを決めて、短く2回に分けるほうが、長い1通より読まれやすいと考えています。
- 個体差や経年変化は、トラブルになる前に、肯定的な言葉で先に伝えるほうが、結果的に問い合わせが穏やかになると見ています。
- 案内の自動化は、不満や不安を含む相談まで広げないほうが安全です。そこは1:1で人が返す、と線引きしておくと運用が続きます。
まとめ
雑貨・ハンドメイドの使い方とお手入れ案内は、素材の違いと個体差への配慮が中心になります。7つの文例を、ステップ配信・自動応答・1:1チャット・一斉配信に振り分け、自分の商品の正しい情報に差し替えて使ってみてください。まずは1商品、1通からで十分です。
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