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予約枠を、紙の予約表や手帳、スマホのカレンダー、電話のメモ、DMの履歴といった複数の場所に分けて持っていると、閉店後に「あれ、この時間は誰が入っているんだっけ」と見比べる作業が毎日のように発生します。二重ブッキング(ダブルブッキング)が怖くて、予約枠を手で管理している。この記事は、そんな美容室・エステ・レッスン講師の方に向けて、エルメ(L Message)の「サロン・面談予約」で何をどこまで機械に任せられるか、逆に何は人が持ち続けるべきかを整理します。
先に結論を言うと、枠の上限や空き時間の設定で「そもそも重ならない状態」を作ることはできますが、電話や紙の予約が残っている間は、人の確認を完全には外せません。確認が必要な場所を3か所に絞り込むところまでが、現実的なゴールです。なお、エルメの公式マニュアル(lme.jp/manual)は2026-10-09時点で読んでおり、機能名や画面名はそのときの記載に基づいています。
予約枠を手で守る夜の作業は、どこで増えていくのか
二重ブッキングの不安は、予約が多いから起きるというより、「予約が入ってくる入口が複数ある」ことで膨らみます。たとえば、一人で営業している美容室を考えてみます。常連さんは電話、新規の方はLINE、SNSのDMで希望日時を送ってくる方もいる。それぞれの入口で受けた予約を、最後に手帳へ転記する。転記する前に別の入口から同じ時間の希望が届くと、重なります。
もう一つは、「空けておくつもりの時間」が頭の中にしかない場合です。カラーの放置時間に別のお客様を入れるつもりだった、スタッフの研修で午前は受けないつもりだった、といった意図は、ルールとして枠に反映されていなければ、予約する側には見えません。結果として、予約は成立しているのに現場では対応できない、という状態が起きます。
つまり、悩みの正体は「重複そのもの」ではなく、次の3つに分けて考えると手が打ちやすくなります。
- 入口が複数ある:電話・LINE・DM・来店時の口頭など、予約が入る場所がバラバラ
- 転記が遅れる:受けてから台帳に反映するまでに時間差がある
- 意図が枠に載っていない:休憩・準備・研修・外出など、空けたい時間が予約側に見えない
原因の切り分け:どこで重なるかによって打ち手が変わる
同じ「ダブルブッキング」でも、起きる場面によって効く対策が違います。エルメの設定で防げるものと、運用ルールで防ぐものを混ぜて考えると、設定だけを増やして迷子になりがちです。次の表で、場面ごとに分けて確認してください。
| 重なる場面 | 主な原因 | 対処の方向 |
|---|---|---|
| LINEの予約画面から、同じ時間に複数の人が入る | 同時に受け付ける件数の設定が想定と違う | 店舗全体・スタッフごとの同時受付上限を見直す(後述) |
| 予約の直後に次の予約が入り、片づけや準備が間に合わない | 予約と予約の間に余白がない | 予約の前後に空き時間を設定する |
| 休みや外出の時間に予約が入る | シフトや休業日が登録されていない/Googleカレンダーの予定が反映されていない | シフト登録、休業日登録、Googleカレンダーの予定を受付停止に使う |
| 電話で受けた予約とLINEの予約が重なる | 電話の予約が台帳(予約カレンダー)に入っていない | 電話で受けたらその場で予約カレンダーへ手動登録する運用に統一 |
| 手動で追加した予約が上限を超えている | 手動登録は受付上限に関係なく追加できる仕様 | 手動登録の前に、その時間帯の埋まり具合を目視で確認するルール |
| 直前の予約で準備が間に合わない | 締切の設定がなく、開始直前まで受け付けている | 予約締切を日数指定か時間指定で設ける |
表の下から二つ目が、見落とされやすいところです。公式マニュアルによると、予約カレンダーからの手動登録は受付上限に関係なく追加できます。便利な反面、「上限を設定したから安心」とは言い切れません。人が入れる予約だけは、人が確かめる。ここは設定ではなく運用で守る部分です。
LINEの予約機能で解ける部分/解けない部分
「LINEにすれば二重ブッキングがなくなる」とは言えません。解ける部分と解けない部分を、先に線引きしておきます。なお、公式マニュアルには「ダブルブッキング」という語そのものの記載は見当たりませんでした。上限・空き時間・Googleカレンダー連携などの機能を組み合わせて重複を避ける、という形で読み取れる、というのが私の整理です。
| 項目 | LINE(サロン・面談予約)で解ける | 解けない/人が残す |
|---|---|---|
| LINE経由の予約同士の重なり | 同時受付上限・スタッフごとの上限・前後の空き時間で、重ならない枠だけを見せやすくなる | 上限の考え方(一人で何件までか)を決めるのは人 |
| 休み・不在の時間 | シフト登録、休業日登録、Googleカレンダーの予定の日時を受付停止にできる | カレンダーへの予定入力を忘れると反映されない |
| 電話・口頭の予約 | 予約カレンダーに手動登録すれば台帳に集約できる | 電話予約が入った瞬間に自動で枠が閉じる仕組みは、公式で確認できませんでした |
| 他の予約サイト・他のアプリとの自動連携 | Googleカレンダー、Googleスプレッドシートの連携は公式に記載あり | 他の予約サービスとの自動同期は、公式で確認できませんでした |
| 直前の変更・当日の事情 | キャンセル用URLの送付、リマインドの自動送信 | 急な体調不良や遅刻の判断は人。電話の方が早い場面もある |
エルメの予約機能は大きく4種類(サロン予約の個人タイプ・スタッフタイプ、レッスン予約、イベント予約)に分かれます。美容室やエステなら、サロン・面談予約が基本です。選び方の全体像は、エルメの予約機能3種類の違い|サロン予約・レッスン予約・イベント予約をどう選ぶかに整理しています。
サロン・面談予約で「重ならない枠」を作る設定の順番
設定は、順番を間違えると後戻りが大変です。特に、最初に選ぶ運営タイプは作成後に変更できません。ここだけは慎重に決めてください。
手順1:運営タイプを決めて新規作成する
左メニューの「予約管理」から「サロン・面談予約」を開き、「+新規作成」へ進みます。店舗名(お客様に表示される)と管理名(表示されない)を入力し、運営タイプを選びます。一人で運営なら「個人タイプ」、複数スタッフなら「スタッフタイプ」です。個人タイプはシフトを一人分しか登録できません。将来スタッフが増える見込みがあるなら、最初からスタッフタイプを検討したほうが、作り直しを避けられます。
手順2:シフトと休業日を登録する
スタッフタイプは日付ごとに出勤時間を設定し、個人タイプは基本の出勤時間と休みの曜日を設定します。曜日ごとの繰り返し登録は最大1年先まで指定でき、休業日としての登録もできます。CSVでの一括登録もあります。「予約できない」という相談の原因で多いのは、シフトの未登録です。公式の対処法でも最初に挙がっています。
手順3:同時受付上限と空き時間を決める
店舗全体の同時受付上限は、「無制限」「その時間に受付可能なスタッフ数の合計」「任意の人数」から選びます。スタッフごとの同時受付上限のデフォルトは1件で、同時に複数人を見られる施術のときだけ変更します。さらに、予約の前後に空き時間を設けられるので、片づけや移動の時間を枠に含められます。
ここで勘違いしやすい点があります。「予約の受付制限」にある「同時に予約できる件数」は、公式マニュアルによると、一人のお客様が同時に持てる予約の数を制限する設定です。他のお客様との重なりを防ぐ設定ではありません。名前が似ているので、混同に注意してください。
手順4:受付開始と締切を決める
予約の開始日・締め切りは、「日数指定」か「時間指定」で設定します。開始は最大180日前まで指定でき、締切を設定しなければコース開始まで予約できます。締切を早めると、直前の予約が減り、準備や人数調整がしやすくなる、と公式にも記載があります。
手順5:Googleカレンダーの予定を受付停止に使う
Googleカレンダーと連携すると、カレンダーに入力した予定の日時を受付停止にできます。反映まで数分かかる場合があると公式の対処法にあります。連携の詳しい考え方はエルメとGoogleカレンダーの連携|できること・設定前の確認点・使えない場面にまとめました。
| 設定 | 確認ポイント | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 運営タイプ | 一人か複数スタッフか | 作成後は変更できない |
| シフト | 出勤時間とコース所要時間の整合 | 所要時間がシフトより長いと予約できない |
| 同時受付上限 | 店舗全体とスタッフごとの両方を確認 | 一人のお客様の同時予約件数と混同する |
| 前後の空き時間 | 片づけ・移動時間を含めたか | 空けすぎると枠が減る |
| 受付開始・締切 | 直前予約を受けたいか | 締切を過ぎるとその日程は入れられない |
| Googleカレンダー | 予定が反映されるか試す | 反映まで数分かかることがある |
設定が済んだら、必ず自分のLINEで予約画面を開き、意図した枠だけが表示されるか確認してください。公式の「予約できない時の対処法」には、シフト未登録、受付制限、絞込表示、期間限定営業の残り、Googleカレンダーの予定、受付時間の単位、所要時間とシフトのずれ、といった確認項目が並んでいます。「枠がおかしい」と感じたら、この順で見ていくと原因にたどり着きやすくなります。
手動管理を卒業するための運用ルール案とチェックリスト
設定が整っても、運用ルールがないと元に戻ります。次の案は、小さな店舗を想定した一例です。そのまま使う必要はありません。
- 台帳は一つにする:予約の正は「予約カレンダー」。手帳やメモは写しとして扱い、食い違ったらカレンダーを優先する
- 電話で受けたらその場で手動登録:通話を切る前に、日時と氏名を読み上げて確認し、登録まで終える
- 手動登録の前に、その枠を目で見る:上限を無視して入るので、埋まり具合の確認は人の仕事
- 空けたい時間は予定として入れる:研修・休憩・外出はシフトか休業、Googleカレンダーの予定に載せる
- 週に一度、翌週分を見る:枠と実際の予定にズレがないか5分で確認する
- 変更・キャンセルは一度でも電話で受けたら、カレンダーに反映した記録を残す
次の簡単なチェックリストを、開店前か閉店後に一度見る習慣にすると、見落としが減ります。
- 明日の予約件数と、カレンダー上の件数が合っているか
- 手動登録した予約が、他の予約と重なっていないか
- 休みや不在の時間が予約不可になっているか
- リマインドの送信状況に異常がないか
- キャンセルや変更があった枠が、次の予約に使える状態に戻っているか
電話予約から移行する段取りは別記事にまとめています。併用期間をどう置くかで、二重ブッキングの起きやすさが大きく変わるためです。電話予約中心のお店がLINE予約へ移すときの段取り|併用期間の設計と、お客様への伝え方も参考にしてください。
活用例(架空の設計例)と、向かないケース
活用例(架空の設計例)
以下は実在の店舗の事例ではなく、考え方を示すための架空の設計例です。成果の数字は含みません。
【設定】スタッフ2名の美容室を想定します。運営タイプはスタッフタイプ。スタッフごとの同時受付上限は1件のまま、店舗全体は「その時間に受付可能なスタッフ数の合計」にします。カット後の掃除と次のお客様の準備のために、予約の前後に短い空き時間を設けます。毎月のスタッフ研修の日は、休業日として登録します。
【運用】電話を受けた人は、通話中に予約カレンダーへ手動登録します。登録前に、同じ時間の予約があるかを目で見ます。閉店前に、翌日の予約一覧と手帳の写しを照合します。食い違いがあれば、その場で電話かLINEで確認します。
【狙い】枠そのものの重複はLINEの上限設定に任せ、人が確認する箇所を「電話の手動登録」と「翌日の照合」の2か所に減らします。ゼロにするのではなく、確認の場所を決めて減らす、という考え方です。
向かないケース
- 電話予約が大半を占め、LINEの利用率が低い店舗:台帳がLINEに集まらず、効果が出にくい
- 施術が長く、お客様ごとに所要時間が大きく変わる場合:コース設定で表しきれず、人の調整が残る
- 当日の急な体調不良や遅刻など、個別の判断が要る連絡:電話や1:1のやりとりが適切
- 時間貸し予約施設、物品レンタル、飲食店の席予約、宿泊予約:公式の予約機能の使い分けのページで、対応できない場合があると案内されている
- 個人情報や健康状態を詳しく聞く必要がある場合:どこまで聞くかは各自の方針・規約を確認してください
私の見立てとまとめ
私の見立て3点
- 二重ブッキングは「設定」で減らし、「確認の場所を減らす」運用で締める。ゼロを目指すと、設定が増えて迷子になる
- 一番の落とし穴は、手動登録が上限を無視できる点。便利さと引き換えに、人の目を残す場所として意識する
- 電話予約が残っている間は、併用期間を設計する。いきなり全部を切り替えるより、台帳を一つにする作業を先にやるほうが安全
まとめ
予約枠を手で管理する不安は、入口が複数あることと、空けたい意図が枠に載っていないことから生まれます。サロン・面談予約では、シフト、同時受付上限、前後の空き時間、受付開始と締切、Googleカレンダーの予定を使って、重ならない枠だけを見せやすくできます。一方で、手動登録は上限を超えられること、他の予約サービスとの自動同期は公式で確認できなかったことなど、人が残す部分もあります。
料金や対象プランについて、今回読んだ予約関連のマニュアル(2026-10-09時点)には対象プランの明記がありませんでした。契約前に公式で確認してください。まずは小さく設定して、自分のLINEで予約画面を試すのが近道です。
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「枠の考え方まで含めて、最初から整えてほしい」という場合は、構築代行も承っています。運営タイプの選択、シフトと上限の設計、リマインドの設定まで、業務の流れに合わせて組み立てます。詳細はLINE業務改善・構築代行のご案内をご覧ください(30万円〜・税別)。