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月末に開く手数料の明細と、「常連さんまで通っているのでは」という引っかかり
月末、予約サイトの管理画面から今月の手数料の合計を確認する。新規のお客様が増えたのはありがたい。けれど、明細を眺めているうちに、ふと引っかかる。「この予約のなかに、もう何度も来てくれている常連さんは何人いるのだろう」。次の予約も、同じサイトのボタンから入れてもらっている。自店の窓口がないので、そうなるのが自然な流れでもある。
この記事は、そんな場面で「自店の予約窓口を持ちたい」と考え始めた、サロン・飲食店・宿泊などの事業者向けです。結論を先に書くと、LINEで作れる自店の窓口は「すでに自店を知っている人」の予約を受ける場所としては使えますが、「新しく自店を見つけてもらう場所」の代わりにはなりません。この二つを分けて考えると、手数料の悩みは整理しやすくなります。なお、他社の予約サイトの名前や料金には触れません。契約内容はご自身の契約書・管理画面でご確認ください。
窓口を作る前に:手数料の「どの部分」が重いのかを3つに分ける
「手数料が負担」と一言でいっても、重く感じている場所は人によって違います。ここを取り違えると、窓口を作っても気持ちが軽くなりません。まず、次の3つのどれに近いかを見てください。
| 重く感じている部分 | 見分け方 | 窓口づくりの意味 | 次の一手 |
|---|---|---|---|
| 新規のお客様にかかる分 | 手数料の明細で、初めて来た人の予約だけを数えてみる。その分は「見つけてもらうための費用」と納得できるか | 小さい。新規の発見は予約サイトの役割のまま | 新規はこれまで通り受け、2回目以降を自店の窓口へ案内する流れを考える |
| 常連・紹介の方にもかかる分 | 2回目以降の予約が、同じサイト経由かを数える。紹介で来た人が、わざわざ検索して予約していないか | 大きい。ここが窓口づくりの中心 | 来店時・会計後に「次回はこちらから」と渡す導線を作る(第5節) |
| 件数に関係なくかかる固定の費用 | 契約書に掲載料・月額のような固定項目があるか | 窓口を作っても固定費は変わらない | 契約の見直しは窓口づくりとは別の話として、契約書を確認する |
| 手数料の額ではなく、予約管理の手間 | 予約サイト・電話・LINEで受けた予約を、手帳やカレンダーに転記しているか | 窓口を作ると、かえって管理場所が増えることもある | 一つの予約表に集める設計にしてから始める(第4節) |
ここで大切なのは、「手数料を減らしたい」と「予約サイトをやめたい」は別の話だということです。この記事が扱うのは前者、つまり二回目以降の予約を自店の窓口で受けられる形にするところまでです。予約サイトを解約する判断は扱いません。
LINEの予約機能で解ける部分と、解けない部分
エルメ(L Message)の予約機能は、公式マニュアルによると4種類あります。「スタッフの有無」「一度に対応する人数」「営業の頻度」で使い分ける作りです。美容室・整体・マッサージのように、お客様が時間を選ぶ1対1の業態は「サロン・面談予約」(個人タイプ/スタッフタイプ)、決まった時間枠に複数人が参加する教室形式は「レッスン予約」、特定日のセミナーなどは「イベント予約」です。
| やりたいこと | LINEの窓口で解けるか | 補足 |
|---|---|---|
| 常連・既存客が自店のLINEから予約する | 解ける | リッチメニューから予約画面を開く導線を置ける |
| 予約の完了・キャンセル時の自動メッセージ | 解ける | 予約時・キャンセル時・リクエスト時の文面とアクションを編集できる |
| 前日や数時間前のリマインド | 解ける | 予約日時を基準に「日時で指定」か「経過時間で指定」で送れる。全プランで利用可(2026-10-10確認) |
| 来店前の質問(初めてか、希望メニューなど) | 解ける | 短文・長文・選択式などの質問項目を作れる。回答を友だち情報に保存する設定もある |
| 事前のカード決済 | 条件つき | 有料プランの契約、決済サービス(StripeまたはUnivaPay)の事前審査が必要。対応はクレジットカード決済のみ |
| 新規のお客様に自店を見つけてもらう | 解けない | LINEは友だち追加の後に使う窓口。検索や掲載の役割は別の手段 |
| 口コミ・ランキングのような「選ぶ材料」 | 解けない | 公式の予約機能の説明に該当する記載は確認できませんでした |
| 飲食店の席予約・宿泊・時間貸し・レンタル | 対応できない場合がある | 公式の使い分けページに、これらの一部には対応できない場合があると書かれている |
最後の行は特に見落としやすいので、飲食店・宿泊の方は先に確認してください。公式の使い分けページには、時間貸し施設、物品レンタル、飲食店、宿泊などの一部のビジネスには対応できない場合があるとあります。当てはまりそうなら、無料で試せる範囲でテスト予約を作って、自店の運用に合うかを確かめてから進めるのが安全です。
自店の窓口を作る順番:サロン・面談予約を作り、リッチメニューに置くまで
ここでは、お客様が時間を選ぶ1対1の業態(美容室・整体・ネイル・エステなど)を前提に、公式マニュアルの流れに沿って書きます。画面の名称は更新されることがあるので、操作の前に公式マニュアルも見てください。
設定の流れ
- 管理画面の「予約管理」から「サロン・面談予約」を開き、新規作成します。お客様に見える店舗名と、社内用の管理名の二つを入れます。
- 運営タイプを選びます。一人で運営するなら個人タイプ、複数スタッフならスタッフタイプです。この選択は後から変更できません。将来スタッフが増えそうなら、最初にここを決めておきます。
- シフト(予約を受ける日と時間)を登録します。曜日ごとの繰り返し登録は最長1年先までです。休業日として登録した日は予約できなくなります。
- コースを作ります。コース名・所要時間・料金を入れ、スタッフタイプでは担当できるスタッフを紐づけます。
- 予約のルールを決めます。受付の開始・締切の日時、予約の前後に空ける準備時間、一人が同時に持てる予約数、キャンセルの締切が主な項目です。
- 来店前の質問項目と、リマインド、予約完了時のメッセージを整えます。
- リッチメニューを作り、予約画面を開くエリアを置きます(画像サイズは横2,500px、縦は1,686pxか843pxの2種類のみ)。
- 自分のLINEでテスト予約をして、完了メッセージ・リマインド・キャンセルまで一通り確かめます。
つまずきやすい点
- 予約サイトと自店窓口で枠が二重になる。公式には、手動で予約を登録する場合は受付上限を超えて入れられるとあります。予約サイト経由の予約を自店の予約表に手で入れるときは、上限を超えていないか自分で見る必要があります。Googleカレンダーを連携すると、カレンダーに入れた予定の時間帯を受付停止にできると公式にあるので、予約サイト側の予約も予定として入れておく使い方が考えられます。ただし、予約サイトとカレンダーの連携の可否は、そのサービスの仕様によるため、ここでは扱いません。
- コースやスタッフ単位で完了時アクションを設定すると、全体設定のアクションは動かなくなります。タグ付けなどを全体設定に入れていると、「付くはずのタグが付かない」と見えます。どこに設定したかをメモしておいてください。
- リッチメニューのタップ数は、エルメアクションを設定したエリアだけ数えられます。予約画面を開くのは友だちアクションに分類されるため、タップ数は数えられません。「何人が押したか」ではなく「実際に入った予約数」で効果を見るほうが現実的です。
- 無料プランには上限があります。公式の料金ページでは、サロン・面談予約は無料プランで個人・スタッフタイプ各1つ、コースとスタッフは各2つまでです(2026-10-10確認)。コースを細かく分けすぎていると上限に当たります。
常連さんをどう案内するか:運用ルール案とチェックリスト
窓口を作っても、お客様が知らなければ予約は動きません。ただし、予約サイトを通して来てくれたお客様を、別の窓口へ案内してよいかどうかは、予約サイトとの契約や利用規約で決まっている場合があります。これは私が判断できる部分ではないので、案内を始める前に、ご自身の契約内容と規約を各自で確認してください。
そのうえで、案内の仕方は「押しつけない」ことを軸に、次のようなルール案が使えます。
| 場面 | 案内の仕方(例) | やらないこと |
|---|---|---|
| 会計・お見送りの場面 | 次回の予約を聞かれたら「LINEからなら、いつでも空きを見て取れます」と一言添える | 「サイトからは予約しないでください」のような、他の窓口を否定する言い方 |
| 来店後のお礼メッセージ | 文面の最後に「次回のご予約はこちらのメニューから」と窓口の場所だけを伝える | 毎回の配信に予約ボタンを並べること |
| 予約サイトからの予約が入ったとき | 当日までの案内は今まで通り。来店後に初めて自店の窓口を伝える | 予約サイト経由の方へ、来店前に勝手に別窓口へ誘導する連絡 |
| 電話で予約を受けたとき | 口頭で受けたあとに「次回はLINEからも取れます」と添える | 電話予約の方に、LINEへの移行を求めること |
立ち上げ前チェックリスト
- 予約サイトの契約・規約で、顧客への自店窓口の案内について制約がないか確認した
- 運営タイプ(個人/スタッフ)は変更できないと理解したうえで選んだ
- 予約サイト経由の予約を、自店の予約表に入れる担当と手順を決めた
- 自店窓口で受ける枠と、予約サイトに出す枠の考え方(例:平日昼は自店窓口を優先)を決めた
- テスト予約で、完了・リマインド・キャンセルのメッセージが読める内容になっている
- 電話や来店で予約を取りたい方向けの窓口を残している
- 月に一度、自店窓口で入った予約数を数える日を決めた
活用例(架空の設計例)と、向かないケース
活用例(架空の設計例)
これは実在の店舗の事例ではなく、考え方を示す架空の設計例です。成果の数字は載せません。
スタッフ2人の小さな美容室を想定します。予約の中心は予約サイトで、2回目以降の方も同じサイトから入っています。そこで、LINE公式アカウントにサロン・面談予約(スタッフタイプ)を作ります。コースはカットとカラーの2つ、受付は2か月先まで、締切は前日の18時、予約の前後に15分ずつ準備の時間を空けます。質問項目は「初めてのご来店か」「気になるところ」の2つにします。
メッセージの流れは三つです。会計のあとの「ご来店ありがとうございました。次回のご予約は、このLINEのメニューからも取れます」という案内、予約の前日正午のリマインド、キャンセルの締切を書いた完了メッセージです。リッチメニューの左端に「ご予約はこちら」を置きます。予約サイトのほうは、新規の方を見つけてもらう場所として、そのまま残します。
LINEの窓口が向かないケース
- 新規集客のほとんどを予約サイトに頼っている場合。手数料は「見つけてもらう費用」の側面が大きく、自店の窓口を作っても新規は増えません。まず新規の流入元を別に考える必要があります。
- 飲食店の席予約や宿泊の予約。公式が、一部のビジネスには対応できない場合があると書いています。席数・部屋数の管理など、業態固有の条件が必要なら、先に公式へ確認してください。
- 常連の多くがLINEを使わない場合。電話で十分に回っているなら、窓口を増やすことが負担を増やします。紙の台帳や電話を無理にやめる必要はありません。
- 事前決済を必須にしたい場合。決済は有料プランの契約と、決済サービス側の審査が前提です。審査の結果は公式では関与されないとされているため、通らない可能性も見込んでおきます。
- 当日の急な変更が多く、人が調整したほうが早い場合。リクエスト制(承認してから確定)にもできますが、承認する人が常に対応できなければ、お客様を待たせます。
確認が必要な点、私の見立て3点、まとめ
公式で確認できなかった点(ここにまとめます)
- 決済サービス(StripeまたはUnivaPay)の手数料率:公式の予約機能ページでは確認できませんでした。比較するときは、各決済サービスの公式ページをご覧ください。
- 予約サイトとの契約上、顧客への案内がどこまで認められるか:予約サイト側の規約で決まるため、各自の確認が必要です。
- 飲食店・宿泊での具体的な運用可否:「対応できない場合がある」という記載までで、個別の条件は確認できませんでした。
私の見立て(一般論の範囲)
- 手数料の悩みは、「新規にかかる分」と「二回目以降にかかる分」に分けて数えると、窓口づくりの効果がある範囲が見えます。分けないまま始めると、期待した効果が出ないと感じやすいはずです。
- 自店窓口は「予約サイトの代わり」ではなく「二回目以降の受け皿」と位置づけたほうが、無理がありません。両方に枠を出す以上、枠の二重管理が最大の運用コストになります。
- 費用の比較は、予約サイトの手数料だけでなく、エルメの月額(Free 0円/Standard 10,780円/Pro 33,000円・いずれも税込、2026-10-10に公式で確認)、決済を使う場合の決済サービスの手数料、予約表を整える手間まで含めて、自分で表にして考えるのが現実的です。「必ず安くなる」とは言えません。
まとめ
予約サイトの手数料が重いと感じたら、まず二回目以降の予約がどれだけあるかを数えます。そこが多ければ、サロン・面談予約とリッチメニューで自店の窓口を作る価値があります。運営タイプは後から変えられないので最初に決め、予約サイトとの枠の二重管理は、カレンダーを一つに集める方針で防ぎます。新規の発見は予約サイトに任せたままで構いません。既存の予約サイトからの移行の段取りは、電話予約中心のお店がLINE予約へ移すときの段取り|併用期間の設計と、お客様への伝え方が参考になります。枠の二重管理が心配な方は、予約の二重ブッキングが怖くて予約枠を手で管理している|ダブルブッキング防止をサロン・面談予約の上限設定で見直すもあわせてどうぞ。窓口の案内文や入口づくりは、「初めて来る人が入口で迷う」を減らしたい|あいさつメッセージとリッチメニューで入口の目印を先に渡す手順で別の角度から書いています。
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