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お客様から「料理が出てくるのが遅かった」「対応が気になった」といったご意見がLINEで届いたとき、最初の一通をどう書くかで、その後のやりとりの空気が大きく変わります。かといって、営業中のホールや厨房の合間に、毎回ゼロから言葉を考える余裕はありません。この記事では、飲食店のご意見・クレームへの一次返信(共感と確認の最初の一通)を、場面別の文例8つとして整理しました。文例はすべて当ブログの作例です。実際の店舗の返信を引用したものではありません。使うときは、お店の状況に合わせて【】の部分と言い回しを差し替えてください。
飲食店のご意見対応で、最初の一通が難しい理由
飲食店のご意見には、他の業種にはあまりない事情があります。ひとつは、体験した場がもう終わっていることです。席で起きた出来事は、その場にいたスタッフにしかわからず、返信を書く人(店長や経営者)は状況を直接見ていないことが多くあります。二つめは、時間の問題です。ランチ営業の終盤やディナーのピークにメッセージが届いても、すぐには返せません。三つめは、食べ物は「一度口に入れたら戻せない」ため、味や量、体調に関わる申し出は、気持ちの面でも重くなりやすいことです。
このため、最初の一通で「原因の説明」や「謝罪の範囲の決定」まで書こうとすると、事実が確認できていない段階で言い過ぎてしまいがちです。一次返信の役目は、ご連絡へのお礼、受け止めた気持ちの表明、事実確認のための質問、次の連絡の見通し、この四つに絞るのが安全です。
一次返信の骨組み:共感→確認→次の連絡
文例に入る前に、どの文例にも共通する骨組みを整理します。骨組みを先に決めておくと、文面を差し替えるときにも迷いにくくなります。
| 順番 | 入れる内容 | 書き方のポイント |
|---|---|---|
| 1 | ご連絡へのお礼 | 「ご指摘ありがとうございます」ではなく、まず「お知らせいただいたこと」への感謝にする。評価の言葉にしない |
| 2 | 受け止めた気持ち | 「ご不快な思いをさせてしまったこと」など、相手の感じた事実を受け止める。原因の断定や責任の範囲はまだ書かない |
| 3 | 確認したいこと | 日時、席の場所、内容など、答えやすい形で1〜3点に絞って聞く |
| 4 | 次の連絡の見通し | 「確認のうえ、〇日までにあらためてご連絡します」など、期限は守れる範囲で書く |
| 5 | 別の連絡手段の案内(必要時) | 電話での説明を希望される場合など、選択肢を一言添える |
すでに社内でご意見対応の流れを決めている場合は、お叱り・クレームの連絡がLINEで来たときの初動ルール|返信の順番・共有・記録の残し方もあわせて読むと、文面と運用の両方が整います。
一次返信の文例8つ(すべて作例・【】を差し替えて使う)
各文例には「使いどころ」「避けたい言い方」「差し替える箇所」を付けています。文例の中の【】は、お店ごとの情報に置き換える変数です。
文例1:ご意見を受け取った直後の最初の一通(共通型)
【お客様名】様
ご連絡をいただき、ありがとうございます。【店名】の【担当者名】です。
このたびは、ご不快な思いをさせてしまったとのこと、受け止めております。
状況を正しく把握したく、差し支えのない範囲で、ご来店の日時とご利用の内容を教えていただけますでしょうか。
確認のうえ、【日付】までにあらためてご連絡いたします。
- 使いどころ:どの内容か判断がつかない段階の、とりあえずの受け止めに使う。営業中に届いたときの最初の返信にも向く
- 避けたい言い方:「ご指摘は当店では想定外です」のように、相手の感じ方を否定する言い方。「申し訳ありません」だけを繰り返す文面
- 差し替える箇所:【お客様名】【担当者名】【日付】。確認の質問は、聞きすぎないよう2点以内にする
文例2:状況確認の質問を添えるとき
【お客様名】様
詳しくお知らせいただき、ありがとうございます。
お席やご注文の状況を、当店でも確認したいと考えています。
お手数ですが、次の点を教えていただけますか。
・ご来店の日にちと、おおよその時間帯
・お席の場所(【カウンター/テーブル/個室】など)
・お気づきになった内容
お答えいただける範囲で構いません。
- 使いどころ:来店時の状況が文面だけでは見えないとき。スタッフ間で記憶を突き合わせる材料を集める場面
- 避けたい言い方:「何時に来たか覚えていないのですか」のような詰問調。質問を5つ以上並べること
- 差し替える箇所:選択肢の例の【】の部分は、自店の席の種類に合わせる。聞く項目は、後で使うものだけにする
文例3:提供の遅れ・待ち時間へのご意見
【お客様名】様
【日付】のご来店では、お料理のお届けまでお待たせしてしまったとのこと、お知らせいただきありがとうございます。
ご不便をおかけしてしまったことを受け止めております。
当日の様子をスタッフに確認し、状況がわかり次第、あらためてご連絡いたします。
お待たせしたと感じられた時間帯やご注文の内容がわかれば、教えていただけると助かります。
- 使いどころ:ランチ・ディナーの繁忙時間帯に提供が遅れた場合。原因(人手、仕込み、満席)が確定する前の一次返信
- 避けたい言い方:「混んでいたので仕方ありません」と原因をお客様側に寄せること。確認前に「人手不足でした」と書くこと
- 差し替える箇所:【日付】。お待たせしたと確認できていない場合は「お待たせしてしまったとのこと」を「そのように感じられたとのこと」に差し替える
文例4:接客・言葉づかいへのご指摘
【お客様名】様
ご連絡をいただき、ありがとうございます。
スタッフの対応で、お気持ちを損ねてしまったとのこと、重く受け止めております。
状況を確認するため、いつごろ、どのような場面だったか、教えていただけますでしょうか。
特定のスタッフを責める目的ではなく、お店全体の対応を見直すための確認です。
確認のうえ、【日付】までにご連絡いたします。
- 使いどころ:接客の態度や言葉づかいに関するご意見。スタッフが萎縮しないよう、一次返信では個人名を出さない
- 避けたい言い方:「そのスタッフにはよく言っておきます」と、個人を叱責する約束を先に書くこと
- 差し替える箇所:【日付】。個人名を聞かれた場合の扱いは、店の方針として別に決めておく
文例5:料理の味・量・温度についてのご意見
【お客様名】様
【メニュー名】について、ご期待と違う点があったとのこと、お知らせいただきありがとうございます。
ご満足いただけなかったことを受け止めております。
今後の改善のため、どのような点が気になったか(味、量、温度など)、差し支えなければ教えていただけますか。
いただいた内容は、厨房のスタッフとも共有いたします。
- 使いどころ:好みや期待とのずれが中心のご意見。お店側に明確な誤りがあるかは、まだわからない段階
- 避けたい言い方:「他のお客様には好評です」と比較で押し返すこと。「そういう料理です」と説明を先に始めること
- 差し替える箇所:【メニュー名】。共有する相手(厨房の担当)が実在する場合のみ最後の一文を残す
文例6:会計・料金の間違いの申し出
【お客様名】様
ご連絡ありがとうございます。会計に関して、ご不安な点があるとのこと、受け止めております。
レシートや明細(お手元にあれば)の写真を、こちらのトークで送っていただけますか。ご負担であれば、金額と日付をお知らせいただくだけでも構いません。
当店でも【日付】の売上の記録を確認し、わかり次第ご連絡いたします。
- 使いどころ:会計の金額や二重請求などの申し出。事実確認に記録が必要になる場面
- 避けたい言い方:「間違っているはずがありません」のように、確認前に断言すること。
- 差し替える箇所:【日付】。クーポンやポイントの扱いなど、自店の会計ルールに関わる点は、店長の確認後に回答する
文例7:体調・アレルギー・異物など、安全にかかわる申し出
【お客様名】様
ご連絡いただき、ありがとうございます。お知らせいただいた内容は、大切に受け止めております。
状況を直接うかがい、できるだけ早く確認したいため、お手数ですが【電話番号】にお電話をいただけますでしょうか。【受付時間】にお待ちしております。
お電話が難しい場合は、このトークで連絡の取りやすい時間帯を教えてください。こちらからご連絡いたします。
- 使いどころ:体調や異物など、文字のやりとりだけで進めるべきでない申し出。LINEから電話へ切り替える一通
- 避けたい言い方:原因や責任の有無を文面で断定すること。「問題ありません」と先に安心させるような書き方
- 差し替える箇所:【電話番号】【受付時間】。医療や衛生面の判断は、店舗の責任者と自治体の窓口などの案内に従う(この記事では判断しない)
文例8:確認に時間がかかるときの中間連絡
【お客様名】様
先日はご連絡をいただき、ありがとうございました。
お約束の【日付】までにご回答できる状態になっておらず、申し訳ありません。
現在【確認している内容】を進めております。あらためて【新しい日付】までにご連絡いたします。
お待たせしてしまい恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
- 使いどころ:一次返信で伝えた期限に間に合わないとき。約束の日が過ぎる前に送る
- 避けたい言い方:何も連絡しないまま期限を過ぎること。「検討中です」だけで新しい日付を書かないこと
- 差し替える箇所:【日付】【確認している内容】【新しい日付】。送信予約を使う場合は、送る時間帯が夜遅くならないよう設定する
どの形で送る?配信形態と、避けたい言い方の言い換え
ご意見への返信は、基本的に1:1チャットで個別に送ります。エルメの1:1チャットは、公式マニュアルによると、友だちごとの対応ステータス、メモ、テンプレート送信、送信予約などを扱えます。テンプレート送信では、送信前のプレビューでテキストを編集でき、その編集はテンプレート本体には反映されないと説明されています。つまり、文例を土台にして、毎回その場で名前や日付を書き換えて送る使い方に合います。
| 文例 | 向く送り方 | 機能の確認結果 |
|---|---|---|
| 文例1(共通型) | 1:1チャット(テンプレート送信→編集) | テンプレート送信は公式マニュアルに記載あり |
| 文例2(状況確認) | 1:1チャット | 同上 |
| 文例3〜6(場面別) | 1:1チャット。担当者が内容を見てから送る | 対応ステータスで「確認中」などを管理できる |
| 文例7(安全に関わる申し出) | 1:1チャットで電話へ誘導 | 電話の案内は文面で行う。自動応答には向かない |
| 文例8(中間連絡) | 1:1チャット。送信予約を併用する場合は夜遅い時間を避ける | 送信予約は公式マニュアルに記載あり。予約の編集は配信時刻前まで |
| 受付の自動返信(「ご意見はこちら」) | 自動応答で「ご連絡ありがとうございます。担当者が確認します」とだけ返す | 自動応答はキーワードに反応して返信する機能。クレーム内容の分析はできない |
なお、自動応答の対象プランや、1:1チャットでの担当者の割り当て機能は、確認した公式ページに記載がありませんでした(2026-10-09時点)。担当者を決める運用は、システム外の取り決めで補う前提で考えてください。複数人で対応する場合の決めごとは、エルメの1:1チャットの使い方と、複数人で対応するときの決めごとが参考になります。
| 避けたい言い方 | 言い換えの方向 |
|---|---|
| 「ご指摘は当たらないと思います」 | 「お感じになったことを、まず受け止めております」 |
| 「他のお客様からは何も言われていません」 | 言及しない。比較で応じない |
| 「できる限り善処します」 | 「〇日までにご連絡します」と具体的な次の動きを書く |
| 「申し訳ありません」を何度も繰り返す | 1回の謝意+確認のお願いに絞る |
| 「ご理解のほどお願いします」だけで終える | 確認したい点と、次の連絡の日付で閉じる |
送る前のチェックリストと運用ルール
文例があっても、送信ボタンを押す前の確認が抜けると、かえって事態が悪くなります。送る前に次の点を見てください。
- お客様のお名前、日付、メニュー名の【】が、すべて置き換わっている
- 事実が確認できていないことを、断定して書いていない
- 返信の期限が、自分たちが守れる日付になっている
- 体調・異物・会計の食い違いなど、重い内容は店長(責任者)の確認を通している
- 返信した内容と日時を、メモや対応ステータスに残した
- 同じ内容を、グループや他のお客様の目に触れる場所に出していない
運用ルールとして決めておくとよいのは、三つです。一つめは、一次返信を送る人を決めること(ホールスタッフが即答しない)。二つめは、営業中に届いたものを返す時間帯を決めること(営業後にまとめて見るなど)。三つめは、文例を月に一度見直すこと(言い回しの癖や、実際の返信と合わなくなっていないか)。返信が遅れる前提の設計は、飲食店のLINE連絡を整える|予約確認・臨時休業・貸切の問い合わせの切り分けの考え方も使えます。
活用例(架空の設計例):個人経営の飲食店での一次返信の流れ
以下は実在の事例ではなく、考え方を示すための架空の設計例です。成果の数字は載せません。
- 店の設定:店長が一人で見る、席数の少ない個人店。ご意見のLINEは営業後にまとめて確認する前提。
- 入口:自動応答のキーワード「ご意見」に、「ご連絡ありがとうございます。営業後に担当者が確認し、あらためてご返信します」とだけ返す。内容の判断は自動で行わない。
- 当日の営業後:1:1チャットで内容を確認し、対応ステータスを「確認中」にする。文例1か2をテンプレートから呼び出し、お名前と日付を書き換えて送る。
- 安全にかかわる申し出:文例7に切り替え、電話に誘導する。店長が電話を折り返す。
- 記録:メモに「日時・内容・返信した文例・次の連絡予定日」を書く。
この設計では、自動応答は「受け付けました」の一言に絞り、中身への返信は人が書く形にしています。最初の一通でお客様の話を受け止め、事実確認の時間を確保する、という分担です。
向かないケースと、私の見立て3点、まとめ
LINEの文面だけで対応しないほうがよいケース
- 体調不良、アレルギー反応、異物など、安全にかかわる申し出(文例7のように電話へ切り替え、責任者が対応する)
- 金額が大きい、または返金・補償の判断が必要な申し出(店の方針と責任者の判断が必要)
- お客様が強い怒りの状態で、文字のやりとりが続くほど悪化しているとき(電話や対面に切り替える)
- 法的な主張や専門家の判断が絡む内容(この記事では判断せず、各自で専門家などに確認してください)
私の見立て3点
- 一次返信で一番大事なのは、うまい謝罪より「次にいつ連絡するか」を書くことです。期限が書いてあるだけで、お客様の不安は和らぎやすいと考えます。
- 文例は、そのまま送るためより「迷ったときの土台」として持っておくのが現実的です。毎回少し書き換える前提にしたほうが、機械的な印象を避けられます。
- 自動応答に任せるのは「受け付けました」までに留めたほうが安全です。内容に踏み込む返信は、人が確認してから送る形にします。
この記事の機能の説明は、エルメの公式マニュアル(1:1チャット、テンプレート、送信予約、自動応答)を読んで整理したものです。公式で確認できなかった点は、自動応答や1:1チャットの対象プラン、担当者の割り当て機能の有無、そして文例が実際の対応でどう受け取られるかの実績です。LINE公式の配信ガイドラインに関する記述は、この記事では扱っていません。
まとめ
ご意見・クレームへの一次返信は、お礼、受け止め、確認、次の連絡の四点で組み立てます。場面別に文例を用意し、安全にかかわる申し出は電話に切り替える。送る前に、断定していないか、期限を守れるかを確認する。この流れを決めておくだけで、営業の合間でも、落ち着いた最初の一通が送れるようになります。
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