LINE

お叱り・クレームの連絡がLINEで来たときの初動ルール|返信の順番・共有・記録の残し方

広告(アフィリエイトリンク)を含みます

LINEの通知が鳴って、画面に出た最初の一行が「どういうことですか」だったとき。心拍が上がり、すぐに謝りたくなり、あるいは事情を説明したくなります。ところが、最初の数分でやってしまいがちな行動が、あとで一番響きます。事実を確かめる前に原因を断定する、担当者が一人で抱え込む、やりとりの経緯が誰にも残らない、といったことです。

この記事は、お叱りやクレームの連絡がLINE公式アカウントに届いたときの「初動ルール」を、事前に決めておくための手順書です。決めるのは、返信の順番、誰に共有するか、どう記録するか。使う道具は、エルメ(L Message)の1:1チャット、対応ステータス、タグ、メモ、通知で、公式マニュアルから確認できる範囲に限ります。

この記事の流れ1最初の10分は「受け止める、止める、回す」の順に動く2一次返信は「三つのこと」だけ書く3共有のルール4記録の残し方5活用例6私の見立て
この記事の流れ

なお、法律上の判断、賠償や補償に関する考え方には触れません。そうした判断が必要になったときは、あらかじめ決めた相談先や専門家に任せる前提で、ここでは「判断をする人にきちんと情報が届くまでの道筋」だけを扱います。

最初の10分は「受け止める、止める、回す」の順に動く

初動で最も大事なのは、上手な返信文を書くことではなく、動く順番を固定しておくことです。順番が決まっていれば、動揺していても手が動きます。

順やることエルメで使う場所目安
1メッセージ全体を読む。まだ「確認済み」にしない1:1チャットの友だち一覧(未確認の赤バッジ)すぐ
2対応ステータスを「クレーム」または自分で作った名前に変える対応ステータス1分以内
3一次返信を送る(受け止めと、次に連絡する時刻の約束)テンプレート送信で本文を編集10分以内
4担当者に共有する通知、Chatwork、チャットのメモ同じ日
5事実を確認し、本返信の準備をするメモ、友だち情報、フォーム回答の確認決めた時刻まで
6記録を整えて、ステータスを更新するタグ、メモ、ステータス対応の終わりごと
表で整理する項目12345
表で整理する項目

なぜ「確認済み」を後回しにするのか

公式のFAQによると、友だちアイコンの赤い数字は未読メッセージ数を示し、確認済みにすると消えます。つまり、読んだだけで確認済みにすると、「読んだけれど誰も返していない」状態が見えなくなります。マニュアルには、確認したが未返信のメッセージを区別して管理できる旨があります。お叱りの連絡は、返信を終えるまで未確認のまま置いておくほうが、見落としを防げます。

同じく公式には、チャット設定で、受信時や返信時などの条件で自動的に確認済みにできる項目があります。クレームを見落とさない運用にしたい場合、自動で確認済みになる設定が自分の運用に合っているか、一度見直してください。

ステータスは、返信の前に変える

返信を書いている最中に、別のスタッフが同じメッセージを開いてしまうことがあります。そのため、読んだ直後に対応ステータスを変えておくのがコツです。公式のFAQには、標準で「クレーム」といった名前のステータスがあり、編集や追加ができるとあります。「クレーム」という言葉を使いたくない現場なら、「要丁寧対応」「上長確認中」のような名前に作り替えて構いません。ステータスの名前は、社内の合図として機能すれば十分です。

一次返信は「三つのこと」だけ書く

一次返信の目的は、解決することではありません。「あなたの連絡は届いている」「いつまでに次の連絡をする」を伝えることです。長くすると、確認前の断定が混ざります。

一次返信に入れる三つ

  1. 受け止め:不快な思いをさせたことへの一言(事実の認否はまだ言わない)。
  2. 確認中であること:いま何を確認するのか。担当者に共有している旨。
  3. 次の連絡の時刻:「本日18時までに」など、守れる時刻だけを書く。

一次返信で書かないこと

  • 原因の断定(確認前に「こちらのミスでした」「お客様の勘違いです」と書かない)。
  • 個別の約束(返金、交換、再対応など。決める権限のある人が決めるまで書かない)。
  • 他のお客様や他のスタッフへの言及。
  • 絵文字やスタンプ。感情が強い相手には、軽く見えることがあります。

文面の例(言い回しは自社に合わせて直してください)は、次のようなものです。「ご連絡ありがとうございます。ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません。いただいた内容を担当者と共有し、事実を確認しております。本日18時までに、あらためてご連絡いたします。」

テンプレートは使うが、本文は必ず直す

1:1チャットの公式マニュアルによると、作成済みのテンプレートを送れて、送信前に本文だけを編集できます。元のテンプレートは変更されません。一次返信のひな形をテンプレートに登録しておくと、焦っていても型に沿って送れます。ただ、そのまま送ると定型文の印象を与えやすいので、相手の連絡内容に触れる一文を必ず足してください。

夜間の連絡と送信予約

深夜に届いた連絡に、翌朝まで何も返さないのは不安なものです。1:1チャットには送信予約があり、日時を指定して送れると記載があります。ただし、一次返信そのものを予約送信にするのは慎重に考えてください。相手が待っているときに、時刻がずれて届くと、かえって印象が悪くなることがあります。営業時間外の自動返信は、LINE公式アカウント側の標準の応答設定でも扱えるので、どちらを使うかを事前に決めておくと迷いません。

共有のルール:誰に、どこまで、どの道具で

お叱りの連絡の初動で、最も多い失敗は、一人で抱え込むことです。担当者が休みだったり、感情的に疲れていたりすると、対応が遅れます。そこで、共有のルールを先に決めます。

通知の道具を決める

エルメの通知設定のマニュアルによると、通知はスマホの専用アプリ、Chatwork、PCデスクトップで受け取れます。通知のタイミングは「リアルタイム」または15分〜24時間の間で選べて、通知内容詳細でチェックを入れた項目だけが通知されます。クレームの一次受け担当は、リアルタイムを選んでおくと、気づくのが遅れにくくなります。Chatworkはグループにも送れるため、複数人で同時に受け取れると記載があります。

また、スタッフ管理機能(有料プラン)を使う場合、2026年8月6日以降はスタッフごとに通知設定が独立しているとされています。それ以前は、同じLINE公式アカウントのスタッフ間で設定が連動していました。担当者ごとの通知設計は、エルメの通知設定を担当者ごとに分ける方法|複数人でLINE対応するときの設計【2026年8月の更新】に詳しく書いています。なお、スタッフ管理はフリープランでは利用不可と、公式サイトのプラン表(取得日2026-10-09)にあります。

状況共有先共有する内容道具
担当者が一人で運用している自分と、決めておいた代理の人連絡の要約と、一次返信を送った時刻Chatworkの個人宛または自分用のグループ
担当が複数いる対応責任者(一人に決める)連絡の全文、相手の友だち情報、過去のやりとりChatworkのグループ、1:1チャットのメモ
内容が重く、判断が必要決裁できる人状況の要約、確認済みの事実、未確認の事実電話や対面など、チャット以外の手段も併用
特定のスタッフに関する内容そのスタッフ以外の責任者本人を外して共有する運用を事前に決めておく社内の取り決め

共有の文面は「事実」と「推測」を分ける

共有メッセージには、確認できている事実と、まだ推測の部分を分けて書きます。「お客様は〇日に来店し、〇〇について不満を述べている(事実)」「原因はおそらく〇〇だが未確認(推測)」。この区別があるだけで、受け取る側の判断がぶれにくくなります。

記録の残し方:ステータス、タグ、メモの三点セット

クレーム対応の記録は、後から読む人のために残します。担当者の頭の中にしかない経緯は、担当が変わった瞬間に消えます。エルメでは、次の三つを組み合わせると、残し方がそろいます。

道具何を残すかルール例
対応ステータスいま誰の番か未対応、対応中(一次返信済)、上長確認中、完了のように、状態だけを表す
タグ後で数えたい、探したい分類「申出_サービス」「申出_連絡漏れ」のように、種類を表す名前。個人名や感情の言葉は使わない
メモ(右側パネル)経緯と判断の根拠日時、誰が何をしたか、次の約束の時刻。長文でなく箇条書き
ブックマーク優先して見たい相手対応中の間だけ付け、終わったら外す

公式のマニュアルでは、1:1チャットの右側パネルで、基本情報、友だち情報、タグ、フォーム回答、メモを確認でき、メモは作成、編集、削除、並べ替えができます。つまり、相手のチャットを開けば、その人の経緯が一か所で見えます。この「一か所で見える」状態を目指します。

メモに書く内容の型

メモの書き方を決めておくと、誰が書いても読みやすくなります。たとえば次の形です。

  • 日時:〇月〇日 〇時〇分
  • 受け付けた人:(名前)
  • 内容の要約:(相手の言葉をそのまま引用せず、要点だけ)
  • こちらの返信:一次返信送付、次回連絡は〇時
  • 確認が必要な事項:〇〇
  • 次にやること:〇〇(担当:〇〇、期限:〇時)

履歴の期間に注意する

公式サイトのプラン表(取得日2026-10-09)では、チャット履歴の閲覧、検索期間はフリープランで180日間、スタンダードとプロは制限なしとあります。フリープランで長引く案件を抱えるときは、メモに要点を残しておくと、履歴を遡れなくなっても経緯が読めます。履歴が180日後にどう扱われるかの詳細や、1:1チャットの書き出しが使えるプランの範囲は、今回確認したページでは見つけられませんでした(公式で確認できませんでした)。重要な記録は、必要に応じて別の保管場所を決めておくことをおすすめします。

つまずきやすい場面と対処(まとめ)

相手が読んだかどうかが分からない

公式のFAQによると、LINE公式アカウントでは個別の既読状況をエルメ上で確認できません。短縮URLを含むメッセージは、URL分析で開封やクリックを見られる場合があります。お叱りの連絡に対しては、「読んだはず」と決めつけず、約束した時刻に必ず次の連絡を入れる運用にします。

送ったメッセージを取り消したくなった

FAQには、送信の取り消しは配信後24時間以内ならLINE Official Account Managerから削除できるとあり、エルメ内からは削除できないとされています。送る前の確認が大切です。1:1チャットには、送信前に確認画面を出す送信プレビューの設定があるので、クレーム対応の担当者はオンにしておくと安心です。

感情的な長文が連続して届く

連続して届くメッセージにその都度返信すると、やりとりが膨らみます。まず全体を読み、一次返信を一度にまとめて送ります。内容が事実の確認を要するものなら、その旨と次の時刻だけを書きます。同じ話題で追加が来たら、メモに追記して、約束した時刻の返信にまとめます。

内容が人によってぶれる

複数のスタッフが別々の言い方で返すと、相手に混乱が生じます。返信は対応責任者を一人に決め、他のスタッフは下書きや確認の役に回す運用が現実的です。1:1チャットには引用返信の機能があり、相手の言葉を引用して返せるため、どの発言に答えているかが分かりやすくなります。

これは自分たちでは決められない、と感じたとき

返金の可否や責任の所在といった判断は、本記事では扱いません。そうした判断が必要になりそうなときは、一次返信で「担当者と確認します」と約束した時刻を守りつつ、社内の決裁者や専門家に相談してください。初動ルールの役割は、判断する人に正確な情報が早く届くようにすることです。

活用例(架空の設計例)

以下は実在する事業者の事例ではなく、考え方を示す架空の例です。成果の数字は載せません。

スタッフ三人で運営する小さな店舗を想定します。LINE公式アカウントに、予約の内容を巡って不満を述べるメッセージが届きました。事前に決めておいた初動ルールは次のとおりです。

  1. 一次受け担当(その日のLINE当番)は、通知を見たらまず1:1チャットを開き、メッセージを読みます。まだ確認済みにしません。
  2. 対応ステータスを「要丁寧対応」に変えて、ブックマークを付けます。これで他の二人にも、誰かが対応を始めたことが分かります。
  3. テンプレート「一次返信」を開き、相手の連絡内容に触れる一文を足して送ります。「本日18時までに」と時刻を添えます。
  4. Chatworkのスタッフ用グループに、事実と推測を分けた要約を投稿します。対応責任者が返信の方針を決めます。
  5. 確認した事実を右側パネルのメモに箇条書きで残し、タグ「申出_予約」を付けます。
  6. 約束の時刻までに本返信を送り、ステータスを「完了」にします。その後、ブックマークを外し、月に一度のふりかえりで、タグごとの件数を見て、仕組みの見直しに回します。

この例の要点は、返信の巧みさではなく、「誰が見ても次に何をするか分かる」状態が、特別な準備なしに作れることです。タグの名前や、ステータスの数は、現場の規模に合わせて減らして構いません。

私の見立て ― 3つのポイント1初動ルールの価値は、完璧な対応を保証することではなく、「やってはいけない動き」を減らすことにあります。確認前に断定しない、一人で抱えない、記録…2道具の設定は、最初から作り込まなくて大丈夫です。ステータスを一つ、タグを一つ、一次返信のテンプレートを一つ。この三点だけ作って、実際の連絡が来…3お叱りの連絡は、運用の穴を教えてくれる情報でもあります。ただし、そう考えられるのは、対応する人が追い込まれていない場合だけです。担当者を守ると…
私の見立ての要点

私の見立て

  1. 初動ルールの価値は、完璧な対応を保証することではなく、「やってはいけない動き」を減らすことにあります。確認前に断定しない、一人で抱えない、記録を残す。この三つが守れるだけで、後の手戻りは減ります。
  2. 道具の設定は、最初から作り込まなくて大丈夫です。ステータスを一つ、タグを一つ、一次返信のテンプレートを一つ。この三点だけ作って、実際の連絡が来たら手直しする進め方が続きます。
  3. お叱りの連絡は、運用の穴を教えてくれる情報でもあります。ただし、そう考えられるのは、対応する人が追い込まれていない場合だけです。担当者を守るという意味でも、共有と記録のルールは先に決める価値があります。

まとめ

  • 初動の順番は「読む(確認済みにしない)、ステータスを変える、一次返信、共有、事実確認、記録」。
  • 一次返信は「受け止め、確認中であること、次の連絡の時刻」の三つだけ。原因の断定や個別の約束は書かない。
  • 共有は通知(アプリ、Chatwork、PC)と1:1チャットのメモで行い、事実と推測を分ける。
  • 記録は対応ステータス、タグ、メモの三点セット。フリープランのチャット履歴は閲覧、検索が180日間(取得日2026-10-09)。
  • 法律や賠償などの判断が要る場面は、事前に決めた相談先に任せる。

料金は、公式サイトのプラン表(取得日2026-10-09)でフリープラン0円、スタンダード10,780円(税込)、プロ33,000円(税込)とあり、スタッフ管理はフリープランでは利用不可です。1:1チャットの基本的な使い方は、エルメの1:1チャットの使い方と、複数人で対応するときの決めごともあわせてどうぞ。

構築代行のご案内(30万円〜・税別)

初動ルールの設計、ステータスやタグの名前決め、テンプレートの用意、通知の設定までを一緒に作りたい方向けに、構築代行を承っています。料金は30万円〜(税別)で、内容は状況に応じてご相談になります。詳細は構築代行のご案内ページをご覧ください。