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夕方の4時を過ぎたころ、民宿の帳場の電話が立て続けに鳴る。「駅から歩いて行けますか」「着くのが19時を過ぎそうなんですが」「駐車場は何台目まで空いていますか」。どれも、予約確認のメールに書いてあるはずの内容です。けれど、メールは読まれていないか、迷惑メールに入っているか、そもそも宿の側が書き忘れているか、のどれかです。この記事では、そうした「チェックイン案内」と「予約確認」を、LINE公式アカウントとエルメ(L Message)でどこまで自動にできるかを、小規模な宿の目線で整理します。
先に断っておくと、エルメは宿泊施設専用のツールではありません。公式マニュアルにあるのは、サロン・面談予約の「予約完了メッセージ」と「リマインドメッセージ」、それに単体のリマインド配信です。この記事はそれらを宿泊に読み替えた設計案で、読み替えが効かない部分もはっきり書きます。宿全体の連絡の組み立てを先に見たい方は、小規模宿泊施設(民宿・ゲストハウス)のLINE連絡を整える|予約前の質問・チェックイン案内・チェックアウト後の連絡もあわせてどうぞ。
到着前の電話は、中身を三つに分けると減らし方が見える
電話の内容を一週間ぶんメモしてみると、たいてい「情報が届いていない」「情報が届いているが探せない」「その人固有の事情で個別の相談が必要」の三つに分かれます。LINEで減らせるのは、前の二つです。三つ目は、減らそうとすると宿の対応が冷たくなります。
| 電話の中身 | 原因の切り分け | LINEでの打ち手 | 数が減る見込み |
|---|---|---|---|
| 道順・最寄り駅・駐車場の台数 | 予約確認メールに書いていない、または長文で埋もれている | 前日のリマインドに地図URLと「到着の目印」を1〜2行で入れる | 高い(毎回同じ答えのため) |
| 到着が遅れる・夜になる | 宿が「遅くなる場合の連絡先と締め切り時刻」を伝えていない | 前日メッセージに「19時以降の到着は前日20時までにLINEで一言」と書き、返信を受ける | 中(返信の受け皿は必要) |
| チェックインの時刻・入り方(鍵、暗証番号、無人対応) | 宿泊日が近づく前に伝えると不安、当日だと遅いというタイミングのずれ | 暗証番号などは当日朝の送信に分け、前日は「明日の流れ」だけにする | 中〜高 |
| アレルギーなど食事の個別事情 | 予約時に聞いておらず、到着直前に申告される | 予約完了メッセージに質問項目(回答を友だち情報に記録)を付ける | 中(聞き方の設計次第) |
| 料金や部屋割りの変更交渉 | 予約内容と実際の希望が違う | LINEでは受けず、電話か1:1で確認と決める | 低い(減らさない) |
この表で見てほしいのは、いちばん上の行です。道順と駐車場の質問は、答えが毎回同じなので、自動送信にいちばん向いています。逆に最後の行は、無理に自動化しないと決めておくだけで、現場の判断がぶれなくなります。
LINEで解ける部分、解けない部分を最初に線引きする
エルメの予約まわりの機能で、この悩みに使えるのは次のあたりです。公式マニュアル(取得日 2026-10-10)で確認できた内容を、宿の言葉に置き換えて並べます。
| やりたいこと | 使う機能(公式の名称) | 宿での読み替え | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 予約が入ったら確認を自動で返す | サロン・面談予約の「予約完了メッセージ」 | コース名の欄に宿泊プラン名を入れ、予約日時を宿泊日として使う | 「全承認制」は予約完了後すぐ、「リクエスト制」は許可した時点で届く |
| 予約内容を文面に差し込む | メッセージの挿入コード「予約情報」 | 予約日時・コース名・料金・キャンセル用URL・店舗名を差し込める | スタッフ名の欄は、宿では「担当者名」に使うか空けておく |
| 到着予定時刻などを聞く | 「お客様への質問項目」と「友だち情報に回答を記録」 | 到着予定時刻、同伴人数、食事の希望などを予約時に聞く | 友だち情報が未記録だと、差し込み部分は空欄のまま送られる |
| 前日・当日に案内を送る | 予約設定の「予約前後に送るリマインドメッセージ」 | 日程指定で「1日前」「0日後(当日)」を設定 | タイミングの数字は半角で入力しないと「決定」が押せない |
| 宿泊日を終了日にして逆算で送る | リマインド配信(予約管理)の「リマインド終了○日前の○:○」 | 終了日を宿泊日にして「1日前の20:00」などを設定 | 「○時間○分前」は最大23時間59分前まで |
| 解けない部分 | — | 客室の在庫管理、他の予約サイトとの二重予約の防止、決済、鍵の遠隔操作 | 公式で確認できた範囲では、宿泊向けの客室在庫管理機能の記載は見つかりませんでした |
一番下の行が大事です。エルメで作るのは「お客様への連絡の流れ」であって、客室の空きを管理する仕組みではありません。他の予約サイトからの予約をLINEにどう取り込むかは、この記事では扱わない領域です。
設定の流れ:予約完了、前日、当日朝の三通に分ける
一通に全部を詰め込むと、読まれません。送る時点ごとに役割を分けます。
- 予約完了メッセージ(予約した直後):予約内容の確認と、到着予定時刻などの質問への回答のお願い。予約設定から「予約時の設定をする」を開き、承認方式を選び、挿入コードで宿泊日・プラン名・キャンセル用URLを入れて保存します。
- 前日のリマインド(宿泊の1日前、夕方〜夜):明日の流れ(到着の目安、道順、駐車場)と、遅れる場合の連絡方法。予約前後に送るリマインドメッセージで「日程で指定」し、1日前の時刻を決めます。
- 当日朝のリマインド(0日後):チェックインの入り方と、困ったときの連絡先。暗証番号のような情報は、この通だけに入れます。
つまずきやすい三つの点
- 空欄で届く:到着予定時刻を挿入コードで差し込む設計にしたのに、お客様が質問に答えていないと、その部分が空欄で届きます。「未回答の場合は○時以降とみなします」と文面側で逃がすか、差し込みを使わず固定文にします。
- 友だち情報を作り直すとコードが変わる:項目を作り直すと新しいコードが発行され、既存メッセージのコードも差し替えが必要です。質問項目の名前は最初に決めきっておくのが安全です。
- コースごとに文面を変えたいとき:宿泊プランごとに案内が違うなら、コース設定のコース詳細にある「予約完了・リクエスト承認時アクション」で設定します。全体共通の設定だけでは足りません。
キャンセルされた予約のリマインドは自動で止まる、と公式マニュアルに書かれています。キャンセルされた後に「明日お待ちしています」が届いてしまう事故は、この仕組みで避けられます。ただし、お客様がLINEではなく電話でキャンセルを伝えた場合は、宿の側で予約をキャンセル扱いにしないと止まりません。ここは運用ルールで補います。
運用ルール案とチェックリスト:そのまま貼って使える形
送信の仕組みができても、文面と担当の決まりが曖昧だと、結局電話が鳴ります。次をたたき台にして、宿の実情に合わせて削ってください。
- 前日メッセージの送信時刻は、チェックイン前日の18時台に固定する(夜遅いと見落とされ、昼だと忘れられる、というのは当ブログの設計上の考えで、効果の保証ではありません)。
- 1通の長さは、スマホ画面で2画面以内。道順は文章で書かず、地図URLと「目印は○○」の一行にする。
- 暗証番号・鍵の場所は、前日ではなく当日朝の通にだけ書く。
- 「遅くなる場合は前日20時までにこのトークへ返信を」と必ず書く。20時以降は、返信が来ても自動で対応しない(電話番号を併記する)。
- 返信を見る担当を決める。帳場に人がいない時間帯は「返信は○時以降に確認します」と書き添える。
- 電話でキャンセルを受けたら、その場で管理画面の予約をキャンセル扱いにする。
- 月初に、送信文面の内容(駐車場の台数、チェックイン時刻、地図URL)が現状と合っているかを見直す。
送る前の確認用に、次の四つを毎回見てください。(1) 宿泊日・プラン名の差し込みが正しく出るか、自分のLINEでテスト予約して見る。(2) 空欄で届く箇所がないか。(3) キャンセル用URLのリンク先が生きているか。(4) 暗証番号などを前日の通に入れていないか。
活用例(架空の設計例)
これは実例ではなく、設計のイメージです。成果の数字は載せません。
設定:客室4室の民宿。素泊まりと夕食付きの2プラン。チェックインは15〜18時。到着は電車とバスで、バス停から徒歩8分かかる。駐車場は3台。
- 予約完了メッセージ:プラン名・宿泊日・キャンセル用URLを差し込み、質問項目で「到着予定時刻(15〜18時/18時以降)」と「夕食のアレルギー・苦手なもの」を聞く。回答は友だち情報に記録する。
- 前日18時のリマインド:「明日のご到着をお待ちしています。バス停○○から徒歩8分、赤い屋根の門が目印です。18時以降になる場合は、今夜20時までにこのトークへ一言お願いします」。地図URLを添える。
- 当日朝8時のリマインド:玄関の入り方と、到着後の流れ(荷物、部屋、夕食の時間)。駐車場は先着3台のため、車でお越しの方は枠を事前に宿へ知らせてもらう旨を書く。
- 遅れの連絡を受ける日:20時以降の返信は翌朝確認と書いておき、夜の連絡は電話番号に誘導する。
この設計の狙いは「毎回同じ答えの電話」を前日までにLINEで済ませ、帳場の手が空いた時間に、食事の個別対応や遅れてくる人への電話連絡に回すことです。
向かないケースと、公式で確認が必要な点
次の場合は、LINEの自動送信に頼らないほうが安全です。
- 高齢のお客様が中心で、LINEを使っていない:LINEの友だち追加が前提なので、予約時に電話番号の確認を先に取る必要があります。LINEを使えない人にまで案内を押しつけると、かえって混乱します。
- 到着が深夜になる・当日急な変更が多い:自動の文面は返事を待ちません。個別の確認は電話のほうが速く確実です。
- 病気・体調・アレルギーの重い申告:文面に書かれた回答だけで判断せず、電話や対面で確認する運用にしてください。個人情報の扱いは、宿の方針と規約に従ってください。
- 鍵・暗証番号の取り扱い:LINEのトークは転送や画面共有で他人の目に触れる可能性があります。暗証番号をどう扱うかは、各施設の防犯方針で判断してください。
公式で確認が必要な点を、ここにまとめます。
| 項目 | 状況(2026-10-10時点) |
|---|---|
| 宿泊施設専用の機能・客室在庫管理 | 公式で確認できませんでした |
| 他の予約サイト・宿泊管理システムとの連携 | 公式で確認できませんでした |
| 予約完了・リマインドの対象プラン | マニュアルに対象プランの明記はなく、「有料プラン限定」の分類表示があるのみ。契約前に問い合わせで確認を |
| LINE公式アカウント側の配信通数 | 予約完了+前日+当日朝で1予約あたり3通以上を使う設計になるため、月の宿泊件数と通数の見積もりが必要 |
通数の見積もりは、予約確認の連絡を一件ずつ手で打っている|予約完了メッセージとリマインドを自動で送る設定の流れの考え方も使えます。
私の見立て3点とまとめ
- 宿の電話の多くは「同じ答えの繰り返し」なので、道順と駐車場の案内を前日のLINEに移すだけで、手間の質が変わると見ています(数字の約束はできません)。
- 三通に分けて、暗証番号のような扱いに気をつかう情報は当日朝の一通だけに入れる設計が、事故を減らします。
- LINEで解けるのは「連絡の流れ」までです。客室在庫と他サイトとの二重予約は、別の仕組みで守る前提で考えてください。
送る日を覚える運用が不安なら、リマインドを送る日をカレンダーで管理していて抜ける|送る日を覚える代わりに「終了日から逆算」で決める手順の考え方が、宿泊日を終了日に置く設計と相性がよいはずです。まず無料プランで、自分のLINEに予約完了とリマインドが届くところまで試してください。
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文面、質問項目、前日・当日の送信タイミング、返信の受け皿までを、宿の運用に合わせてまとめて組むことも可能です。ご希望の方は、構築代行のご案内をご覧ください。