※この記事は広告(アフィリエイトリンク)を含みます。公式マニュアルの記載(2026-10-09時点で確認)を整理したもので、実際に運用した体験談ではありません。
閉店後の作業台に、今日仕上がった品物が6つ並んでいます。受付票の束をめくってお名前と電話番号を確かめ、LINEの友だち一覧を開いて「この方のアイコンはどれだったか」と探し、一件ずつ文面を打っていく。同じような文を3回打ったところで、袖丈直しのお客様だけは「寸法の確認がまだだった」と気づいて手が止まる。修理店やクリーニング店の仕上がり連絡は、こうした場面の繰り返しになりがちです。
この記事で扱うのは、預かり品の受付から台帳づくりまでの全体設計ではなく、「仕上がった日の連絡作業」だけです。全体像(受付番号の案内・預かり期限のお知らせなど)は クリーニング店・修理店のLINE連絡を整える|受付番号の案内・仕上がり連絡・預かり期限のお知らせ にまとめてあります。ここでは、一件ずつ送る手間を「探す時間」「同じ文を打つ時間」「送ったか分からない不安」に分け、まとめて送ってよい連絡と、人が書くべき連絡の線引きを決めます。なお、預かり台帳(紙でも表計算でも)が正で、LINEは「お客様に知らせる窓口」という役割分担は変えません。
「一件ずつ」になってしまう理由は、たいてい4つのどれか
連絡が重く感じるのは、送信ボタンを押す一瞬より、その前の「探す・思い出す・確かめる」です。自店の手間がどこで生まれているかを先に切り分けると、直すべき場所が見えます。
| よくある原因 | 見分け方 | 次の一手 |
|---|---|---|
| 受付番号とLINEの友だちが結びついていない | 仕上がりのたびに、受付票から友だち一覧を目で探している | 預かり時に、友だちのシステム表示名へ受付番号を入れる(後述) |
| 仕上がり日が品物ごとにバラバラ | 1日に何度も「ちょっと送る」が発生し、作業が中断される | 「仕上がり便」の時刻を決め、その時刻にまとめて送る |
| 文面が品物ごとに違う | 毎回ゼロから文章を考えている | 標準文はテンプレートにし、書き換える部分だけを人が書く |
| 送ったかどうかを記憶で管理している | 「あの方には連絡したっけ」と台帳を見返す | タグで「仕上がり連絡待ち」「連絡済み」の状態を分ける |
LINEで解ける部分と、解けない部分
「LINEにすれば全部まとめて自動」ではありません。公式マニュアルで確認できた機能の範囲で、解ける部分と残る部分を分けます。
| 手間 | LINEで解けるか | 根拠・補足 |
|---|---|---|
| 誰に送るかを探す | 解ける | 1:1チャットの友だち検索は、LINE名とシステム表示名のどちらでもできる。システム表示名は管理用の名前で、1:1チャットの右パネルから個別に登録できる |
| 同じ文を何度も打つ | 解ける | テンプレートに保存し、1:1チャットや配信で呼び出せる。1:1では本文だけ送信前に編集できる |
| 仕上がった人だけに送る | 解ける | メッセージ配信は、タグの有無などで配信先を絞り込める |
| 送る時刻をそろえる | 解ける | 一斉配信は日時指定の予約ができる。1:1チャットにも送信予約がある |
| 見積り変更・状態の説明 | 解けない | 内容は品物ごとに違う。人が書き、了承の記録は台帳に残す |
| 読まれたかの確認 | 解けない | 個別の既読状況は、エルメ側では確認できない(公式のよくある質問より) |
| 台帳の更新 | 解けない | 台帳が正。LINEは台帳の代わりにならない |
「仕上がり便」を作る|前日の夕方にタグを付け、翌朝に予約配信する
仕上がるたびにその場で送るのをやめ、「仕上がり便」の時刻を決めます。たとえば「翌営業日の朝10時」に、前日までに仕上がった品物の分をまとめて送る、という運用です。ここでは、エルメの機能名で流れを組みます。
最初に一度だけ整えるもの
- タグを3つ作る。「データ管理」の「タグ管理」で新規作成します。一度に最大20個まで入力できるので、「預かり中」「仕上がり連絡待ち」「連絡済み」をまとめて作り、フォルダ「預かり管理」に入れておくと、後から探しやすくなります。
- 標準文をテンプレートにする。左メニューの「テンプレート」に「仕上がり連絡(標準)」を作ります。管理名は友だちには表示されません。
- 預かり時の登録ルールを決める。お客様が友だちになったら、1:1チャットの右パネルにあるシステム表示名へ「受付番号」を入力し、タグ「預かり中」を付けます。氏名ではなく受付番号を表示名にすれば、画面を覗かれても個人名が出ません。
仕上がり便の毎回の流れ
- 台帳で、仕上がった品物の受付番号に印を付ける。
- 前日の閉店前までに、1:1チャットで受付番号を検索し、該当の友だちに「仕上がり連絡待ち」を付ける。1:1チャットの一括操作で、複数の友だちにまとめてタグを付けられます。
- 「メッセージ配信」で新規作成し、管理用タイトルを入れ、配信タイミングを翌朝の日時指定にする。
- 配信先を「タグ:仕上がり連絡待ちあり」で絞り込む。条件を設定すると配信予定数が出るので、台帳で印を付けた件数と一致するかを確かめる。
- メッセージにテンプレートを呼び出して保存する。配信後は、タグ管理の一覧で「仕上がり連絡待ち」の友だち数をクリックして対象を表示し、一括解除する。同時に「連絡済み」を付ける。
つまずきやすい点を3つ挙げます。
- 予約配信は「配信時刻の時点」で条件に合う人に届きます。公式の注意点です。前日に付けた人だけでなく、朝のうちにタグを付けた人も入ります。逆に、送信後に付けた人は次の便です。台帳の件数と配信予定数が違うときは、タグの付け間違いを疑います。
- タグは自動では外れません。タグ追加時アクションで表示したリッチメニューが、タグを外しても元に戻らないのと同じで、状態の切り替えは自分で行う前提です。外し忘れると、次の便で同じ人に同じ連絡が届きます。
- 予約の編集・取り消しは配信時刻より前だけです。配信後は変更できません。前日の夜に配信予定数と文面を一度見直す習慣をつけます。
品物ごとに文が違うときは、1:1チャットで個別に
全部を一斉配信にする必要はありません。次の表のように、条件で送り方を分けます。
| こうなら | この方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 仕上がり・お預かり期限・受付票のご持参、だけを伝える | 仕上がり便(一斉配信・予約配信) | 文が全員同じで足りる |
| 仕上がりに寸法確認や色味の確認が要る | 1:1チャットで個別に書く | お客様の返事で次の作業が変わる |
| 見積り金額が変わった、直せなかった | 1:1チャット。難しければ電話に切り替える | 金額と結果の説明に誤解が出やすい(後述) |
| 夜に書いた個別連絡を、翌朝に届けたい | 1:1チャットの送信予約 | 深夜の通知を避けられ、配信時刻より前なら取り消せる |
| 複数点を預けた方で、一部だけ仕上がった | 1:1チャットで個別に書く | 標準文では「どの品か」が伝わらない |
運用ルール案とチェックリスト|そのまま使える形にしておく
機能を設定しても、運用が人によって違えば同じ手間に戻ります。次の6つを、レジ横に貼れる程度の長さで決めておくことをおすすめします(店の事情に合わせて書き換えてください)。
- 仕上がり便は「営業日の朝10時」と「閉店30分前の連絡確認」の2回に限る(それ以外は、その場で送らない)。
- 受付番号は、友だち登録後24時間以内にシステム表示名へ入れる。入れられなかったら、受付票の控えに「LINE未登録」と書く。
- タグは「預かり中→仕上がり連絡待ち→連絡済み」の一方向。戻すときは理由を台帳に残す。
- 配信前に、配信予定数と台帳の件数を二人で読み合わせる。
- 配信から3営業日たっても返信も来店もない場合は、電話または葉書に切り替える(LINEは既読を確認できないため)。
- 金額が変わる・直せない・事故の連絡は、LINEで先に送らず、電話か対面を先にする。
閉店前のチェックリストにすると、次の形になります。
- 台帳で今日の仕上がりに印を付けた
- 印の付いた受付番号に「仕上がり連絡待ち」を付けた
- 翌朝の予約配信の配信予定数が、印の件数と合っている
- 個別連絡が必要な品物を、1:1チャットで下書き(送信予約)した
- 昨日の便で送った方の「仕上がり連絡待ち」が外れ、「連絡済み」になっている
活用例(架空の設計例)|住宅街の洋服直しと靴修理の店
以下は実在の店の話ではなく、ここまでの機能を組み合わせた架空の設計例です。成果の数字は載せません。店主とパート1名の2人体制で、洋服の丈直しと靴の修理を受け付ける店を想定します。
- 預かり時:受付票の隅にQRコードを印刷する。お客様が友だち追加したら、店主が1:1チャットで受付番号をシステム表示名に入れ、「預かり中」を付ける。受付番号は「月2桁+通し番号」のように短い数字にする。
- 火曜と金曜の朝10時:仕上がり便。前日の夕方に、台帳に印のある受付番号へ「仕上がり連絡待ち」を付けておく。標準文は「仕上がりました。受付票をご持参ください。お引き取り期限は【日付】です」。
- 個別連絡:袖丈直しで寸法確認が残る方、靴の底の張り替えで追加費用が出そうな方は、仕上がり便の対象から外し、1:1チャットで一人ずつ書く。追加費用の話は電話にする。
- 便のあと:パートが配信予定数と台帳を読み合わせ、「仕上がり連絡待ち」を一括解除して「連絡済み」を付ける。3営業日たっても動きのない方は、受付票の電話番号に連絡する。
この設計で変わるのは、連絡の「回数」ではなく「中断」です。仕上がった瞬間に手を止めてスマホを開く必要がなくなり、確認の要る連絡だけに頭を使えます。
向かないケースと、確認が必要な点
次のような場面では、LINEを主役にしないほうがよいと考えます。
- 高額・思い出の品(時計、ブランド品、着物など):状態の説明や同意の記録が要る。文面だけでは写真の見え方や言葉の温度が伝わりにくく、行き違いが後で大きくなるため、電話か対面で説明し、台帳に記録を残す。
- 仕上がりに不満の可能性があるとき:シミが残った、寸法が合わなかった、などは文字だけで先に送ると、受け取り方に差が出る。まず電話、可能なら来店のうえで現物を見ながら話す。
- LINEを使わないお客様:高齢の方など、友だち追加をお願いすること自体が負担な場合は、電話・葉書を続ける。LINE用の運用に合わせるために、使わない方に頼まないこと。
- 期限が迫った緊急連絡:既読を確認できないため、「今日中に」といった連絡はLINEだけに頼れない。
次の点は、公式のマニュアルを読んだ範囲では分かりませんでした。契約前、または設定の画面で確認してください。
| 確認したいこと | 現時点で分かること | 進め方 |
|---|---|---|
| タグ・友だち情報の項目数の上限 | 今回読んだページには記載なし | 画面と公式サポートで確認 |
| 予約配信での配信通数の数え方 | 今回読んだページには記載なし | プランの通数と合わせて公式で確認 |
| 配信メッセージのアクションで、タグの「削除」までできるか | アクションにタグの項目があることは確認。付与のみか削除もかは未確認 | 画面で確認し、できなければ一括解除で運用 |
| 友だち情報(受付番号欄)を本文に差し込む動き | テンプレートは友だち情報を差し込める、との記載あり。一斉配信での表示は未確認 | 少人数でテスト送信してから本番 |
私の見立て3点とまとめ
- 見立て1:最初に効くのは、文面ではなく「受付番号をシステム表示名に入れる」ことだと思います。探す時間が消えると、連絡の作業が一段軽くなります。
- 見立て2:まとめて送る連絡は、あえて「全員同じ文で足りるもの」に限るのがよいと考えます。個別性の高い連絡まで寄せると、行き違いの原因になります。
- 見立て3:タグの付け外しは手作業なので、機能の数よりも「二人で読み合わせる」ルールのほうが事故を減らします。
仕上がり連絡を一件ずつ送っている、という悩みは、「探す」「同じ文を打つ」「送ったか分からない」の3つに分けると整理できます。仕上がり便で全員同じ文の連絡をまとめ、確認が要る連絡は1:1チャットで個別に書き、金額や不具合に関わる話は電話か対面に回す。この三層に分ければ、LINEの機能は台帳を補う道具として働きます。複数人での1:1チャット運用は エルメの1:1チャットの使い方と、複数人で対応するときの決めごと を参考にしてください。タグの数が増えてきたら、タグが増えすぎて何のタグか分からない問題|エルメのタグ管理で整理する手順と命名ルール の命名ルールが役に立ちます。
構築代行のご案内(30万円〜・税別)
タグの設計、テンプレート、仕上がり便の配信設定、運用ルールの文書化までを、お店の台帳と受付の流れに合わせて代行することもできます。「自分で組むと時間がかかりそう」「まず運用ルールだけ相談したい」という場合は、構築代行のご案内 をご覧ください。費用は30万円〜(税別)です。