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制作・デザインの仕事では、「いま、どこまで進んでいますか」「納期は大丈夫ですか」という一言が、依頼主から届く連絡の中でも気を遣う種類のものです。進んでいれば簡単に答えられますが、素材待ちや修正の往復で遅れ気味のときほど、返信の文面に悩みます。しかも案件ごとに状況が違うので、文面を使い回しにくい。
この記事では、納期と進捗の連絡に使える文例を7つ、自作の「作例」として用意しました。ロゴ、チラシ、Web、動画、パンフレットなど、制作・デザイン系の小さな事務所やフリーランスを想定しています(士業の方の連絡とは性格が違うので除いています)。文例は【】の部分を差し替えて使う前提で、使いどころと避けたい言い方も付けました。エルメ(L Message)のどの機能で送るかは、公式マニュアルで確認できた範囲で表にまとめています(確認日2026-10-09)。
制作・デザイン業の納期連絡で、特に気をつけたい四つの事情
どの業種にも「納期の連絡」はありますが、制作・デザインには固有の事情があります。文例を選ぶ前に整理しておくと、言い回しの選び方が変わります。
- 依頼主側の素材・原稿・確認待ちで止まる。制作そのものより、支給物の遅れや確認の返事待ちで納期が動くことが多く、「誰待ちか」を曖昧にすると責任の押し付けに聞こえる。
- 修正のやりとりが何往復かで終わり方が変わる。初稿のあとの修正回数や、修正の範囲を最初に決めていないと、進捗報告のたびに揉めやすい。
- 納品物がデータ(画像・PDF・動画)で、確認の方法が複数ある。送り方、保存期限、ファイル形式を一緒に伝えないと、受け取れていないという行き違いが出る。
- 印刷や入稿など、社外の工程が絡む案件では、自分では動かせない日程がある。「遅れそうだ」という連絡が早いほど、先方の調整余地が残る。
これらを踏まえると、文例の核は「いつ、誰が、何をする番か」を一文で言い切ることです。丁寧さは大切ですが、遠回しすぎる言い方より、次の動きがはっきり分かる文面のほうが、制作現場では助かります。
なお、見積や初回の問い合わせへの返事は別の場面になります。その部分は 見積依頼への初回返信の文例7つ|制作・工務店・リフォーム向けの言い回しと使いどころ で書いていますので、あわせてどうぞ。
どの機能で送るか|案件の連絡は「1:1」が基本
納期や進捗は、案件ごとに内容が違います。そのため全員に同じ文面を送る一斉配信とは相性がよくありません。公式マニュアルから読み取れる各機能の特徴は次のとおりです。
| 配信の形 | 公式マニュアルで確認できた特徴 | 納期・進捗連絡での向き不向き |
|---|---|---|
| 1:1チャット | 友だちと一対一でやり取りでき、テンプレート送信ができる。テンプレートは送信前にテキストを編集でき、元のテンプレートは変わらない。送信予約もできる | 案件ごとの報告に最適。文例はテンプレートに登録し、【】を直して送る使い方に向く |
| リマインド配信 | リマインド終了日(通常は当日の日時)を基準に、何日前・何時間前に送るかを設定できる。絞り込みも可能 | 確認期限や打合せ日の前日連絡など、日付が決まっている連絡に向く |
| ステップ配信 | 開始アクションのあと、決めた順番・時間間隔で自動配信する。テキストにはLINE名などの自動挿入ができる | 納品後のフォロー(受け取り確認など)の定型ならあり得るが、案件の進捗報告には不向き |
| 一斉配信 | タグ等で絞り込んで、まとめてメッセージを送れる | 「年末年始の休業日」など全員共通の連絡向き。個別案件の進捗には使わない |
自動応答については、今回は詳細まで確認していないため表に入れていません。また、プランごとの機能差についても、確認したマニュアルの中では明示がなかったものがあります。ステップ配信の絞り込みはスタンダードプラン以上の有料プランで設定できる、と記載されていました。契約前に、使いたい機能の対象プランを公式で確認してください。
納期・進捗報告の文例7つ
以下はすべて当ブログの作例です。実際の案件に合わせて書き換えて使ってください。【】は仮置きの箇所です。絵文字は使っていません。丁寧な言い方を基本にしつつ、長くなりすぎないようにしています。
文例1|素材・原稿の提出をお願いする連絡
送り方:1:1チャット
【お名前】様
お世話になっております。【案件名】の制作を進めております。
デザインに入るため、【ロゴデータ/原稿/写真素材】を【月日】までにお送りいただけますでしょうか。
【月日】までにいただければ、予定どおり【納品予定日】に納品できる見込みです。
難しい場合は、お手数ですがご都合をお知らせください。日程を一緒に調整します。
- 使いどころ:制作の入口で、依頼主の支給物が揃っていないとき。
- 避けたい言い方:「まだですか」「早くください」のような催促だけの言い方。期限と、遅れたときの影響を一文で並べると角が立たない。
- 差し替える箇所:【案件名】、【素材の名前】、【提出期限】、【納品予定日】
文例2|初稿提出のお知らせ
送り方:1:1チャット
【お名前】様
お世話になっております。【案件名】の初稿が仕上がりましたので、お送りします。
【URL/添付ファイルの案内】
ご確認のうえ、修正のご希望があれば【月日】までにお知らせください。修正は【回数】回までを想定しています(範囲を超える場合は別途ご相談します)。
- 使いどころ:初稿を出す場面。修正の期限と範囲を最初に示しておくと、後の往復が減る。
- 避けたい言い方:「気に入らなければ全部直します」と範囲を限定しない言い方。
- 差し替える箇所:【ファイルの送り方】、【確認期限】、【修正回数】
文例3|途中経過のご報告
送り方:1:1チャット
【お名前】様
お世話になっております。【案件名】の途中経過をご連絡します。
現在、【デザインの方向性の検討/制作の7割程度/校正の準備】まで進んでおります。次は【作業内容】を【月日】までに行い、【月日】にご確認用のデータをお送りする予定です。
現時点で予定の変更はありません。
- 使いどころ:依頼主から進捗を聞かれる前に、こちらから送る定時連絡。
- 避けたい言い方:「順調です」だけで何を指すか分からない書き方。進み具合は、作業名で伝える。
- 差し替える箇所:【現在の作業】、【次の作業】、【次の連絡予定日】
文例4|納期が遅れそうなときのお詫びと新しい納期
送り方:1:1チャット
【お名前】様
お世話になっております。【案件名】について、納期のご連絡です。
【素材のお預かりが遅れたため/制作に想定以上の時間がかかっているため】、当初の【納品予定日】に間に合わない見込みとなりました。申し訳ありません。
【新しい納品予定日】にお届けできる見込みです。印刷・入稿など、ご予定に影響がある場合はお知らせください。調整方法を一緒に考えます。
- 使いどころ:遅れが分かった時点で、できるだけ早く送る。印刷や入稿の予定がある案件は特に。
- 避けたい言い方:理由を依頼主のせいにしているように読める言い方。事実だけを短く書き、詫びは一度にする。
- 差し替える箇所:【理由】、【元の納期】、【新しい納期】、【影響のある予定】
文例5|修正依頼の受け取りと再提出日の連絡
送り方:1:1チャット
【お名前】様
修正のご依頼をありがとうございます。内容を確認しました。
【修正箇所】を反映し、【月日】にお送りします。
なお、【別の修正点】は今回の範囲を超えるため、対応の可否と進め方を別途ご相談させてください。
- 使いどころ:修正指示が届いた直後。「受け取った」ことと「いつ戻すか」を先に返す。
- 避けたい言い方:「できません」と一言で切る言い方。範囲外の場合は、相談という形に変える。
- 差し替える箇所:【修正箇所】、【再提出日】、【範囲外の内容】
文例6|確認期限が近いときのお声がけ(リマインド向き)
送り方:リマインド配信、または1:1チャット
【お名前】様
お世話になっております。【案件名】の確認期限が【月日】になっております。
期限までに修正のご希望がない場合は、現在の内容で進行します。ご確認が難しい場合は、延長も可能ですのでお知らせください。
- 使いどころ:依頼主の返事待ちで止まっている案件で、期限の前日などに送る。
- 避けたい言い方:「確認してくれないと間に合わない」と脅すような言い方。期限と選択肢を並べるだけにする。
- 差し替える箇所:【確認期限】、【期限後の進め方】
文例7|納品完了と受け取り確認のお願い
送り方:1:1チャット
【お名前】様
お世話になっております。【案件名】の最終データが完成しましたので、納品します。
【ファイル形式】で【URL/添付】にまとめております。ダウンロードできる期間は【月日】までです。
お手数ですが、データを開けるかどうかのご確認をお願いします。今後の運用でご不明点があれば、このトークでお知らせください。
- 使いどころ:最終納品。形式と保存期限を添える。受け取れたかどうかの確認もセットにする。
- 避けたい言い方:「納品しました」だけで、開き方や保存期限が書かれていない言い方。
- 差し替える箇所:【ファイル形式】、【保存期限】、【サポートの範囲】
送る前のチェックと、運用で揃えておきたいこと
文例を使うときの確認事項を表にまとめます。送信前の数秒で見られる程度の項目に絞っています。
| 確認する点 | 見るポイント | 困りごとの例 |
|---|---|---|
| 期限の書き方 | 日付と曜日、午前・午後、時間帯の有無 | 「週明け」が人によって違う |
| 誰の番か | 次に動くのが依頼主か制作側かが一文で分かるか | 互いに相手の連絡を待ってしまう |
| 修正の範囲 | 回数・範囲・追加費用の有無 | 途中で範囲が膨らむ |
| データの扱い | 形式・保存期限・受け取り確認 | 開けない、期限切れで受け取れない |
| 宛名と案件名 | 【】の差し替え漏れがないか | 別の依頼主の名前が残る |
テンプレートの運用では、【】の差し替え漏れが最も事故になりやすい点です。1:1チャットのテンプレート送信は、送信前に編集できる仕組みなので、そのまま送らずに必ず目で確認してください。元のテンプレートは変わらないとされています。
1:1チャットでは、対応ステータスを「未対応」「対応中」「完了」などで付けられるとされています。案件の進行状況をスタッフ間で共有したいときの目安にもなります。フリーランスの案件窓口全体の整え方は フリーランス(デザイナー・ライターなど)の案件窓口をLINEで整える|依頼の受付・進行連絡・納品と請求の案内 も参考になります。
向かないケースと、LINEで送らないほうがよい連絡
- 大きな遅延や金額が絡む相談。LINEの文面だけで済ませず、電話や対面での説明を添える。
- 契約内容の変更や責任の所在に関わる連絡。内容は各自の契約書・規約に沿って確認し、必要に応じて専門家に相談する。
- 依頼主が「LINEでは見ない」と明言している場合。メールや電話に切り替える。
- 大容量のデータ。1:1チャットで送れるファイルの大きさには上限がある(画像10MB、PDF10MBなど、公式に記載)。大きなファイルは別の受け渡し方法を使う。
- LINEの既読は確認できない(1:1チャットでは既読情報を確認できない、と公式に記載)。期限が絡む重要な連絡は、返信をもらう形にする。
私の見立て|3点だけ
- 進捗報告は、頻度よりも「次にいつ連絡するか」を毎回書くほうが安心感につながります。定時連絡を決めておくと、聞かれる前に済みます。
- 遅れの連絡は、文面の巧さより早さが効きます。遅れそうだと分かった時点で、新しい納期の見込みとともに伝えるのが基本です。
- テンプレートは増やしすぎないこと。7つ程度を磨いて、案件に合わせて数語を足すほうが、運用が続きます。
まとめ
納期・進捗の連絡は、案件ごとの内容を、依頼主が次に何をすればよいか分かる形で伝えるのが肝心です。この記事では、素材依頼、初稿提出、途中経過、遅延のお詫び、修正の受け取り、確認期限、納品完了の7つを作例で示しました。送る手段は、案件ごとの連絡なら1:1チャット、日付が決まっているものはリマインド配信、というのが基本の整理です。公式マニュアルで確認できなかった点(自動応答の詳細、プラン別の機能差の一部など)は、契約前に公式で確認してください。
営業時間外の受け付け返信は お問い合わせ受付完了(営業時間外)の返信文例7つ|小規模な事務所・制作会社向けの言い回しと使いどころ にまとめています。
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