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レジの前で「初回限定のクーポン、ありますよね」と言われて、スタッフが一瞬固まる。来店は三年目の常連さんで、LINEは先月はじめて追加したばかり。この場合、「初回」は何を指すのでしょうか。LINEを追加した日でしょうか、お店に来た日でしょうか。この問いに答えが決まっていないまま「初回限定」を告知すると、現場で毎回判断が割れます。
この記事では、LINE公式アカウントとエルメで「新規の方だけ」に初回特典を届けるとき、先に決めておくこと、エルメ側の設定の組み立て、取りこぼしやすい場面の切り分けを整理します。エルメの機能は公式マニュアル(あいさつメッセージ/クーポン配布)で確認した範囲だけを書き、確認できなかった点は後半にまとめています(取得日 2026-10-09)。
「新規」はエルメの中で誰を指すのか|3種類の友だちを分けて考える
エルメのあいさつメッセージは、友だちの状態によって3つに分かれています。公式マニュアルによると、「新規友だち用」は初めて公式アカウントを追加した友だち、「既存友だち用」はエルメを使い始める前から友だちで、メッセージを送ったことでエルメ上に表示された相手、「ブロック解除友だち用」は一度ブロックしたあとに解除した友だちです。初回特典の出し方は、この3つで別々に考える必要があります。
| 友だちの状態 | エルメ上の扱い(公式マニュアルより) | 初回特典の出し方の考え方 |
|---|---|---|
| 今日はじめて友だち追加した人 | 新規友だち用のあいさつメッセージが動く | ここが「初回限定」の本線。あいさつと一緒にクーポンを送る設定ができる |
| エルメ導入前から友だちだった人 | 既存友だち用。相手からメッセージを送って初めてエルメ上に現れる | 自動では届かない。特典を出すなら、キーワード返信やQRなど別の入口が必要 |
| ブロック後に解除した人 | ブロック解除友だち用が動く | 新規用とは別設定。ここに同じクーポンを入れると「何度でも初回」になりうる |
| エルメ側で友だち情報を削除された人 | 再追加すると新規として扱われ、以前の情報は復元されない | 管理者の操作で起きる。テスト以外では安易に削除しない |
「初回限定」と書くなら、少なくとも上の4行について「出す・出さない」を決めておくと、窓口で迷いません。
新規の方だけに届ける組み立て|クーポンをあいさつメッセージに乗せる
公式マニュアルでは、クーポンはフォームとテンプレートとQRコードアクションを組み合わせて作る方式で説明されています。新規友だちには、あいさつメッセージと併せてクーポンを送る設定もできると書かれています。流れを私なりに整理すると次のとおりです。
手順の流れ
- クーポン用のフォームを作る。シンプルタイプで、ヘッダー画像・案内文・送信ボタンを置く。
- フォームの設定で「1人あたりの回答回数」を1回に制限する。マニュアルでも、複数回の利用を防ぐためにこの設定が推奨されている。
- 利用時のメッセージと、「クーポン利用済み」のようなタグ付けを設定する。マニュアルによると、利用者をタグで把握するには「1度のみアクション稼働」の選択が前提。
- フォームの終了日時を決める。期限後に開いた人への案内文も設定できる。
- カラーボタン付きのテンプレートを作り、ボタンからフォームを開くようにする。
- 新規友だち用のあいさつメッセージに、このテンプレートを送るアクションを追加して保存する。
あいさつメッセージの注意として、公式マニュアルは「複数のアクションは必ずしも上から順に実行されるとは限らない」と書いています。「あいさつ文を読んでからクーポンが届く」順番に依存した文面にしないほうが安全です。たとえば「このあとクーポンが届きます」ではなく、「下のボタンからクーポンをご覧いただけます」のように、順番が前後しても意味が通る書き方にします。
抜け道と取りこぼしを切り分ける|状況別の判断表
「新規の方だけ」を守ろうとすると、運用の途中でほぼ必ず次のような場面にぶつかります。どれも設定ミスではなく、「初回」の定義が決まっていないことから起きるものです。
| 起きている状況 | 見分け方 | 判断の基準 | 次の一手 |
|---|---|---|---|
| 常連さんが、後から友だち追加して初回特典を求めた | 窓口で「LINEは今日が初めて」と言われる。エルメの友だち情報の追加日で確認できる | 「初回」を店の利用ではなくLINEの追加と定義しているなら出す。来店歴で定義するなら出さない | 定義を一文にして、ポップとあいさつ文の両方に同じ言葉で書く |
| 以前からの友だちが「自分には届いていない」と言う | エルメ導入前からの友だちか、追加日で確認 | 既存友だち用は自動送信の対象が違う。出すかは店の方針 | 出す場合はキーワード返信かQRで、別の特典として案内する |
| ブロックして解除した人にまたクーポンが届いた | ブロック解除用のあいさつにクーポンが入っていないか確認 | 解除用に同じ特典を入れていれば再送は仕様どおり | 解除用は「おかえりなさい」の文面だけにして、特典は入れない |
| 同じ人が複数回使っている | フォームの回答回数制限と、利用済みタグの有無を確認 | 1回制限と「1度のみアクション稼働」が両方入っているか | 両方を入れ直し、既存の回答は目視で確認する |
| 期限後にクーポンを見せられた | フォームの終了日時と、QRのスケジュール終了日時を確認 | フォームの期限とQRの配布期間は別設定 | 両方を同じ日にそろえ、期限後の案内文を入れる |
運用ルール案(そのままスタッフ共有に使える形)
- 「初回」とは、LINE公式アカウントを初めて友だち追加した日からを指す(来店歴は問わない)と決める。
- 窓口では画面のクーポンを見て、利用済みタグの有無を確認する担当を決める。
- ブロック解除の方には初回特典は出さない。
- エルメで友だち情報を削除する操作は、テスト用アカウント以外では行わない。
- クーポンの期限は、フォームの終了日時とQRの配布期間の両方を月初に確認する。
公開前のテスト手順
公式マニュアルでは、新規友だち用のテストは「一度も追加したことのないアカウントで追加する」のが基本とされています。すでに追加済みの自分のアカウントで確認する場合は、エルメ側で友だち情報を削除し、スマホでブロックして解除し、再追加する手順になります。ただし、削除すると紐づいていた情報は復元されません。本番の友だちを対象に試すのは避け、テスト専用のアカウントを用意してください。
活用例(架空の設計例)
以下は実例ではなく、設計のイメージをつかむための架空の例です。成果の数字は書いていません。
駅前の小さなコーヒー豆店【店名】。入口のポップにQRコードを置き、「LINEを初めて追加した方に、200gまでの豆の試飲カップ券」を案内します。新規友だち用のあいさつには、案内文とクーポンのテンプレートを設定し、利用済みタグ「初回券使用」を付けます。ブロック解除用は「またお会いできて嬉しいです。営業日はこちら」とだけ送ります。以前からの友だち(エルメ導入前)は数十人いる想定で、店頭で「初回券はありますか」と聞かれたときだけ、スタッフがキーワード返信用の文言を口頭で伝えます。フォームの終了日は、ポップの掲示終了日と同じ日にそろえます。
向かないケースと、確認が必要な点
次のようなときは、LINEのクーポンより別の方法のほうが合います。
- 高額な値引きで、本人確認が必要なもの。画面を見せるだけの仕組みでは、本人かどうかは確認できません。対面で会員証や予約票と突き合わせるほうが確実です。
- 「初回」の判定を、過去の購入履歴で厳密に行いたい場合。エルメ上の友だち追加日と、お店の販売履歴は別のデータです。レジ側の履歴での判定が必要です。
- 高齢の方が多く、スマホ操作が難しい層。QRを読み込んでもらうより、紙の引換券を渡すほうが確実です。
なお、次の点は公式マニュアルを読む範囲では確認できませんでした。契約前や設定前に、公式サイトまたはサポートで確認してください。
- あいさつメッセージ・クーポン機能の対象プラン(マニュアルに記載がなく、有料プラン限定カテゴリとの関係も不明)。
- フォームの回答回数制限が、LINEの友だち単位でどう識別されるかの詳細。
- 複数のアクションの実行順を指定する方法。
私の見立て3点とまとめ
- 「初回限定」で一番揉めるのは、機能ではなく定義です。LINE追加を基準にするのか、来店を基準にするのかを一文で決めるだけで、窓口の迷いはほぼなくなると考えています。
- ブロック解除用のあいさつには、特典を入れないほうが安全です。新規用と解除用は別設定なので、うっかり同じ内容にしやすい箇所です。
- テストは必ずテスト用アカウントで。友だち情報の削除は元に戻せないので、本番の友だちで試さないルールを先に決めておくとよいと思います。
まとめると、新規の方だけに初回特典を届けるには、(1)「初回」の定義を決める、(2)新規・既存・ブロック解除の3種類を分けて考える、(3)フォームの回答回数制限と利用済みタグ、期限を両方そろえる、の3点です。
関連記事として、「初めて来る人が入口で迷う」を減らしたい|あいさつメッセージとリッチメニューで入口の目印を先に渡す手順では入口の設計を、LINE公式アカウントのクーポン・ショップカード機能とエルメの使い分け|どちらで何をするかの判断軸ではクーポン機能の選び方を書いています。
運用のコツとして、初回特典を出す前に、スタッフ全員が「初回の方」をどう判断するかを一枚にまとめておくと、レジでの迷いが減ります。判断に迷う方には、特典を出す前に一言確認する、という手順を決めておきます。
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