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ハンドメイドの受注枠と納期の案内を、何度も書き直している|数字の置き場を決めて「いつもの質問」だけ自動で返す設計

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ここに描くのは、ハンドメイド作家の仕事場でよくありそうな一場面です(想定であり、特定の方の実例ではありません)。夜、制作の手を止めてスマホを見ると「今から注文すると、いつ頃届きますか?」というメッセージが来ている。今週三度目の同じ質問です。先月の返信を遡って探し、日付だけ直して送る。ところが先月の文面には「受注枠は残り3つ」と書いてあり、今は残り1つ。慌てて打ち直し、そのあいだに作業は止まったままです。

受注枠と納期の案内は、短い文章なのに毎回書き直しが発生します。文章を書くのが苦手なのではなく、「今の枠の数」と「今の納期」という変わる数字が、文面の中に埋まっているからです。この記事では、その数字の置き場所を決め、エルメのフォーム・商品販売・自動応答・1:1チャットで「いつもの質問」だけを自動で返し、判断が要る相談は人が受けるところまでを整理します。

書き直しの正体を4つに分けてみる

「同じ案内を何度も書く」という悩みは、実は原因が一つではありません。原因ごとに効く手が違うので、先に切り分けます。次の表で、自分の書き直しがどれに近いかを確認してください。

この記事の流れ1書き直しの正体を4つに分けてみる2LINEで解ける部分と、解けない部分3受注枠と納期を三つの置き場に分ける手順4どの依頼をどの手段で受けるか:判断基準と運用ルール5活用例(架空の設計例)6向かないケースと、確認が必要な点7私の見立て3点とまとめ
図:この記事の流れ
原因見分け方手の打ち方
受注枠の数字が文面に直書きされ、すぐ古くなる過去の返信を検索して、数字だけ直して送っている数字を持つ場所を一か所に決め、文面には数字を書かない(後述の置き場A〜C)
納期が商品やオプションで違い、返信のたびに頭の中で計算している返信の前に「今の制作待ちは何件で、何日かかるか」を数えている納期を日数ではなく「通常」「名入れあり」「繁忙期」の段階名にして、段階表を先に作る
同じ質問がDM・コメント・LINEなど複数の入口から来る返信の場所によって答えが微妙に違っている質問を受ける入口を絞り、ほかの入口には「詳しくはこちら」の一文だけ置く
希望日が先に来て、受けられるかの判断から始まる毎回「確認しますね」の一通目を打っているフォームで希望日と用途を先に聞き、判断基準で振り分ける(後述の表)
書き直しの正体を4つに分けてみる表の見出し:原因受注枠の数字が文面に直書きされ、すぐ古くなる納期が商品やオプションで違い、返信のたびに頭の中で計算している同じ質問がDM・コメント・LINEなど複数の入口から来る希望日が先に来て、受けられるかの判断から始まる
図:書き直しの正体を4つに分けてみる

1つめと2つめは「情報の置き場」の問題で、仕組みで減らせます。3つめは入口の整理です。4つめは、受けるかどうかを作家が決める仕事なので、自動化せず「判断に必要な情報が先にそろう」状態を目指します。この線引きが、この記事全体の軸です。

LINEで解ける部分と、解けない部分

エルメは、LINE公式アカウントに足して使う拡張ツールです。受注枠と納期の悩みについて、解ける部分と解けない部分を分けると次のようになります(機能の内容は公式マニュアルで確認した範囲です)。

場面LINE(エルメ)で解ける部分解けない部分
「納期は?」「受注枠は?」への即答自動応答で、キーワード(完全一致/部分一致)に反応して決まった文面を返せる。曜日や時間帯の指定、稼働回数(一度のみ/何度でも)も選べる個別の事情(贈る日が決まっている、素材が特殊など)への可否の返事
受注枠の見せ方商品販売で在庫数を設定すると販売個数に上限を持たせられ、商品ページに在庫数を表示するかどうかも選べる制作が間に合うかどうかの判断。枠を増やすか減らすかの決断
希望日・用途の聞き取りフォームの日付・時刻の質問や単一選択で、希望日と用途を先にそろえられる。回答後にタグ付けやメッセージ送信もできる聞いた内容から「この日程で本当にできるか」を決めること
個別返信の手間1:1チャットのテンプレート送信は、送信前にテキストだけ編集できる(元のテンプレートは変わらない)。返信の予約送信もできる相手の気持ちに合わせた最後の一言。謝罪や特例対応
制作の進み具合の共有タグで「制作中」「発送待ち」などの段階を付けて見分けられる制作そのものを早めること

つまり、LINEで解けるのは「数字を置く場所」「いつもの質問への返答」「希望日の聞き取り」の三つです。受けるかどうかの判断と、制作の時間は解けません。ここを混ぜると「自動で返したのに話がこじれた」という失敗につながります。

受注枠と納期を三つの置き場に分ける手順

手順は五つです。上から順に進めると、後の設定が楽になります。

手順1:納期の段階表を先に自作する

ツールを開く前に、紙でもメモでもよいので段階表を作ります。たとえば「通常(制作待ちが少ない時期)」「名入れ・サイズ変更あり」「繁忙期(連休前・年末など)」の三段階に、それぞれの目安日数を書きます。ここで決めるのは作家本人のルールで、ツールの機能ではありません。段階名を決めておくと、文面は「現在は通常の段階です」と書き換えるだけで済みます。

手順2:受注枠の数字を持つ場所を一つ選ぶ

受注枠の数字の置き場は、次の三つのどれかに決めます。複数に分散させないのがコツです。

  • 置き場A(商品販売の在庫数):エルメの商品販売で商品を作り、在庫数を受注枠として設定する。購入されるたびに販売数が積み上がり、上限に達すると売り止めになる形で枠を管理できる。決済システム(UnivaPayまたはStripe)との連携が必要で、一度保存すると変更できない点に注意。商品販売とタグの組み合わせは小さなお店の通販で、受注・入金確認・発送連絡が手作業のまま|エルメの商品販売とタグで「今どの段階か」を見える化するで詳しく扱っています。
  • 置き場B(フォームの回答を数える):決済は別の方法で行い、エルメのフォームで受注の申込だけを受ける。枠の残りは作家が回答数を見て数える。決済連携が不要な代わりに、枠の更新は手作業。
  • 置き場C(固定の案内を一通だけ更新):自動応答に返す文面の中に「現在の受注状況」を一行で書き、枠が変わるたびにその一通だけを書き換える。最も手軽だが、更新を忘れると古い数字が出続ける。

迷ったら、受注が月に数件でオーダーごとに内容が違うならB、既製デザインを数量限定で出すならA、まず試すならCから始めるのが現実的です。なお、無料プランでも始められます。フォームは3つまで、リッチメニューは2つまで、配信は月1,000通までという上限(取得日2026-10-09、公式サイトの記載)の中でどこまでできるかは個人事業主・フリーランスがエルメをフリープランで始める設計|上限の範囲でどこまでできるかも参考になります。

手順3:自動応答で「いつもの質問」に一通返す

エルメの「自動応答」で、新規作成→キーワード設定→スケジュール→アクションの順に設定します。キーワードは「納期」「いつ届く」「受注枠」「オーダー」などを部分一致で登録します。つまずきやすい点が二つあります。

  • 部分一致にすると、「納期を早めたいのですが」のような特急の相談にも反応してしまう。返す文面の最後に「お急ぎの場合は『急ぎ』と送ってください」の一文を入れ、そのキーワードの自動応答は作らずに人が受けるルールにしておく。
  • 稼働回数を「一度のみ」にすると、同じ人が二回目に聞いたときは返らない。枠の状況は変わるので、納期や受注枠の案内は「何度でも」にしておく。

手順4:フォームで希望日と用途を先に聞く

オーダーや特注を受けるなら、フォーム作成で申込フォームを作ります。聞く項目は、希望の品、色やサイズ、ご用途(自分用/贈り物)、いつまでに欲しいか(日付の質問)、参考画像(ファイルアップロード)くらいに絞ります。回答後のアクションで、用途ごとにタグを付けておくと、あとで「贈り物で期日あり」の人だけを見分けられます。フォームのタイプ(シンプルか分岐か)は作成後に変更できないため、用途で質問を変えたいなら最初から分岐タイプを選んでください。

手順5:個別の返信は1:1チャットのテンプレートで

受けるかどうかを決めたあとの返信は、1:1チャットのテンプレートを呼び出し、数字と日付だけ直して送ります。文面の型は注文受付確認と制作期間のご案内の文例7つ|ハンドメイド作家向けの言い回しと使いどころに作例があるので、そのまま土台にできます。

どの依頼をどの手段で受けるか:判断基準と運用ルール

仕組みを作っても、依頼の種類ごとに入口が決まっていないと、結局DMに戻ってきます。次の表を自分の言葉に直して、プロフィールや固定の案内に載せてください。

依頼の状況受け方作家がすること
既製デザインで、通常の納期で足りる商品販売ページ(置き場A)または申込フォーム何もしない(自動で受付)。枠が埋まれば売り止め
色やサイズを選ぶだけフォームの単一選択で申込内容を確認し、1:1で金額と納期を返す
名入れ・特注など作り方が変わるフォームで内容と希望日を受ける可否を判断。できる場合は段階表の「名入れあり」で納期を伝える
希望日が通常の納期より前自動応答では返さず、1:1で人が受ける間に合うかを判断。難しい場合は代替案(別の日、既製品)を示す
受注枠が埋まっている受付停止の案内を一通出す次回の枠が開いたら知らせてほしい人にタグを付けて、再開時に絞り込んで知らせる

そのまま使える運用ルール案を並べます。自分の制作ペースに合わせて数字を変えてください。

  • 毎月の初めに、その月の受注枠の数を決めて記録する(枠は作家の体力と素材の都合で決める)。
  • 枠の数字を変えたら、同じ日に、自動応答の文面か商品の在庫数を更新する。更新する場所は一つだけ。
  • 納期の段階は月に一度見直し、繁忙期に入る前に「繁忙期」に切り替える。
  • 「急ぎ」と書かれた問い合わせは自動で返さず、24時間以内に人が返事をする目安を決めておく。
  • 枠が埋まったら、「満枠」の案内を出し、再開予定を書く。再開予定が未定なら「未定」と正直に書く。
  • 受注から発送までの段階はタグで揃え、タグ名を最初に決める(例:制作待ち/制作中/発送済み)。
どの依頼をどの手段で受けるか:判断基準と運用ルール毎月の初めに、その月の受注枠の数を決めて記録する(枠は作家の体力と素材の都合で決める)枠の数字を変えたら、同じ日に、自動応答の文面か商品の在庫数を更新する納期の段階は月に一度見直し、繁忙期に入る前に「繁忙期」に切り替える「急ぎ」と書かれた問い合わせは自動で返さず、24時間以内に人が返事をする目安を決めておく枠が埋まったら、「満枠」の案内を出し、再開予定を書く受注から発送までの段階はタグで揃え、タグ名を最初に決める(例
図:どの依頼をどの手段で受けるか:判断基準と運用ルール

活用例(架空の設計例)

ここからは、実在の事例ではなく、考え方を示すための架空の設計例です。成果の数字は載せていません。

設定:革小物を一人で作る作家。月の受注枠は8。既製デザインは「通常」、名入れは「名入れあり」の段階で、繁忙期は年末の前後。受注枠は置き場B(フォームの回答を数える)にして、決済は別の方法で行う。

  • 友だち追加のあいさつメッセージに、「納期」「受注枠」と送ると現在の状況をお返しします、の一文を入れる。
  • 自動応答は「納期」「受注枠」「いつ届く」を部分一致で登録。返信は「現在は【通常】の段階です。通常は【約2週間】、名入れありは【約3週間】です。今月の受注枠は【残り○】です。お急ぎの場合は『急ぎ』と送ってください」。【】の部分が月ごとに書き換える箇所。
  • 「オーダー」と送られたら、申込フォームのリンクを返す。フォームは「ご用途」と「いつまでに欲しいか」を必須にし、用途が贈り物の人にはタグ「贈り物」を付ける。
  • 「贈り物」タグの人の申込は、作家が毎朝まとめて確認し、間に合うかを1:1で返す。
  • 月の枠が埋まったら、自動応答の文面を「今月の受付は終了しました。次回は【来月1日】に再開予定です」に書き換え、「再開を知りたい」と返してくれた人にタグを付ける。

この設計で作家が毎回書くのは、月初の数字の更新と、特注への個別返信の二つです。ほかの質問は仕組みが受けます。

向かないケースと、確認が必要な点

LINEの自動化が向かないケース

  • 贈る日が決まっていて、納期が数日しか余らない依頼。メッセージの往復で時間が過ぎるので、電話や通話で素材の在庫と制作時間を一度に確認したほうが早い。
  • 寸法や仕様を細かく詰めるオーダー。言葉だけでは伝わらず、写真や図をやりとりしながら決めるほうがずれにくい。
  • 遅れや不備へのお詫び、返金の相談。自動の返事は逆効果になりやすく、人が個別に丁寧に対応する場面。
  • 受注の枠を増やすかどうか、納期を延ばすかどうか。体調と素材の事情で決めることなので、ツールに任せない。

確認が必要な点(公式で確認できなかったこと)

次の点は、公式マニュアルで確認できませんでした。契約前、または設定前に、公式サイトまたはサポートで確認してください。

  • 商品販売・フォーム・自動応答が、どの料金プランで使えるか(ページに対象プランの記載がありませんでした)。
  • 在庫数が期間で自動的に戻る、または月替わりで自動的にリセットされる機能の有無。確認できていないので、枠の更新は手作業で行う前提で設計してください。
  • 決済システム側(UnivaPay、Stripe)の手数料など。商品販売を使う場合は、各社の公式で確認してください。

また、商品販売では、特定商取引法に基づく表示のうち支払時期や解約方法などの項目が自動表示されないため、事業者側で用意する必要があるとマニュアルに書かれています。法的な判断はしませんので、各自の販売形態に合わせて確認してください。料金は取得日2026-10-09時点で、無料0円、スタンダード10,780円、プロ33,000円(いずれも税込)が公式サイトに掲載されています。

私の見立て3点とまとめ1数字は一か所にしか置かない2納期は日数ではなく段階名で伝える3自動で返すのは「いつもの質問」だけにし、特急や特注は人が受ける
図:私の見立て3点とまとめ

私の見立て3点とまとめ

  • 数字は一か所にしか置かない。受注枠が文面、投稿、固定の案内の三か所に書かれていると、一つ直し忘れるだけで案内が食い違う。
  • 納期は日数ではなく段階名で伝える。日数は毎回計算が要るが、段階名なら「今は通常です」の一言で済み、判断の手間が半分になる。
  • 自動で返すのは「いつもの質問」だけにし、特急や特注は人が受ける。自動化の範囲を狭くしたほうが、お客様との行き違いは減りやすい。

受注枠と納期の案内を何度も書く悩みは、文章力の問題ではなく、変わる数字の置き場が決まっていない問題でした。納期の段階表を作り、枠の数字を持つ場所を一つに決め、「いつもの質問」だけを自動応答に任せ、希望日の聞き取りはフォームに寄せる。この四つで、毎回の書き直しはかなり減らせます。まずは手順1の段階表と、自動応答の一通から試してみてください。

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