※広告(アフィリエイトリンク)を含みます。
月に40個ほどを自分で梱包して送る、革小物の小さなショップを想像してください(以下の場面は、設計を考えるための架空の例です)。発送の3日後に「いかがでしたか。よろしければ感想をお聞かせください」と全員に一斉に送ったところ、離島のお客様にはまだ荷物が届いておらず、「届いていないのに感想?」という返信が来てしまった。一方、届いた日に不具合に気づいて問い合わせてきた人にも、同じ文面が機械的に届いていた。
購入後フォローで起きる失敗の多くは、文面ではなく「いつ送るか」の起点が間違っていることから生まれます。この記事では、起点を「申込日」や「発送日」ではなく、お客様自身が押す「届きました」の一押しに置き換え、使い方案内とレビュー依頼を人ごとにずらして届ける組み方を、エルメ(L Message)の公式マニュアルで確認できた機能の範囲で整理します。文例そのものは、すでに公開している商品レビュー・感想のお願いの文例7つ|強要しない言い方と、小規模ショップ向けの使いどころに任せ、ここでは仕組みと判断基準に絞ります。
「購入後に送る」が空振りする原因を、四つに切り分ける
購入後フォローがうまく回らないとき、原因は大きく四つに分けられます。どれが自分のショップに当てはまるかで、直す場所が変わります。
| 症状 | 主な原因 | 見分け方 | 直す場所 |
|---|---|---|---|
| 届く前に感想のお願いが届く | 起点が申込日・発送日で、到着日が人によって違う | 配送の所要日数が地域や配送方法でばらつく | 起点を「届いた」の自己申告に変える |
| 不具合を伝えた人にも依頼が届く | 全員同じステップで、状態の分岐がない | 問い合わせ履歴とレビュー依頼の送信日が重なる | 使い心地の2択を挟み、タグで届け先を絞る |
| 使い方案内が読まれない | 届いた直後に長文を一度に送っている | 案内の送信後に同じ質問が来る | 短く分け、使い始めの頃に1つだけ送る |
| 一部のお客様にだけ届かない | 商品販売機能を通らない注文があり、タグが付いていない | マーケットや店頭の購入者が友だちにいる | タグの付与経路を購入経路ごとに決める |
四つ目は見落としやすい点です。エルメの商品販売機能は、決済連携(UnivaPayまたはStripe)のうえで商品を販売する機能で、「申込完了時」「決済時」などにアクションを自動実行できます。裏返すと、この機能を通らない購入(店頭、他の販売の場など)では、このアクションは動きません。購入経路が複数あるショップは、タグの付け方を経路別に決めておく必要があります。
LINEで任せられる部分/人が書く部分
| 項目 | LINE(エルメ)で任せやすい | 人が判断したほうがよい |
|---|---|---|
| 到着後の最初の一言 | 届いたと押された人へ自動で返信する | 特別な事情(遅延のお詫びなど)の個別対応 |
| 使い方案内 | 商品別に決まった内容を、決まった日に送る | 素材や個体差による相談への回答 |
| レビュー依頼の送り先 | 「問題なし」と答えた人だけに絞る | 依頼するかどうかの最終的な方針 |
| 不具合・不満の受け止め | 「気になる点あり」のタグで見つける | 返品・交換・返金の判断 |
組み方:申込完了から、感想のお願いまでの流れ
全体像は次のとおりです。①購入時にタグを付ける、②発送連絡で「届いたらボタンを押してください」と伝える、③ボタンの押下をきっかけにステップ配信を始める、④途中で使い心地を2択で聞き、⑤「問題なし」の人にだけ感想のお願いを送る。公式マニュアルで確認できた機能だけで組めます。
手順1 購入時に、商品名つきのタグを付ける
商品販売機能の「申込完了時」のアクションで、受付メッセージの配信とタグの付与を設定します。タグ名は「購入_商品名」のように商品がわかる形にしておくと、あとで使い方案内を商品別に出し分けられます。なお、商品販売にはテスト環境が用意されていて、ダミーカードで動作確認ができます。本番の前に必ず1回通しておきましょう。
手順2 発送連絡に「届きました」のボタンを添える
発送のお知らせに、クイックリプライなどのボタン付きメッセージを添えます。ボタンの種類にはスタンダード、カラーボタン、画像、クイックリプライがあります。クイックリプライは複数のメッセージを同時に送ると常に最後に送られる仕様なので、発送連絡の本文のあとに1つだけ付けるのが安全です。ボタンの文言は「届きました」のように短く、あとで自動応答に登録する言葉と一字一句そろえます。
手順3 自動応答で、ステップ配信を始める
ボタンを押すと、その文言がお客様から送信された形になります。自動応答のキーワードに同じ文言を完全一致で登録し、アクションで「到着確認」のタグ付与とステップ配信の開始を設定します。ステップ配信は、作っただけでは配信されません。トリガー(自動応答もその一つです)で開始設定をして、はじめて動きます。稼働回数は「友だちごとに1回だけ」にしておくと、誤って何度も押されても重複して始まりません。
手順4 ステップの中身と、送るタイミング
| 順番 | タイミングの設定 | 内容 | つまずきと対処 |
|---|---|---|---|
| 1通目 | ステップ開始直後 | 届いたことへのお礼と、使い始めの一言 | 同じ1通目に複数のメッセージを入れると同時に届く。2通目と混同しない |
| 2通目 | 日時で指定(例:3日後の19時) | 使い方の案内と、「問題なし/気になる点あり」の2択 | 経過時間の指定は72時間以内。24時間以上は日時で指定する |
| 3通目 | 日時で指定(例:14日後の12時) | 感想のお願い(問題なしの人だけ) | 配信対象にタグの絞り込みを追加して届け先を限る |
3通目の絞り込みが、この設計の要です。2択の返事を自動応答で拾い、「問題なし」には「使用OK」、「気になる点あり」には「要フォロー」のタグを付けます。ステップ配信は、配信対象を「ステップ購読者全員」から、タグなどの条件付きの対象に切り替え・追加できます。これにより、返事のなかった人や不満のある人に、感想のお願いが届かなくなります。
手順5 本番前に、自分のスマホで通す
ステップ配信には、プレビューとテスト配信があります。送信方法は、設定どおりのタイミング、全メッセージ同時、20〜30秒間隔の3種類です。まず「全メッセージ同時」で文面と並びを確認し、次に「20〜30秒間隔」で、ボタンを押してタグが付く流れまでを通します。自分のLINEがエルメに友だち登録されている必要があります。
運用ルール案:毎週の見直しと、判断の線引き
| 状況 | 対応の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 「気になる点あり」が押された | 24時間以内に1:1で個別に連絡し、感想のお願いは送らない | 不満の最中に依頼が届くと、不信が強まりやすい |
| 2択に返事がない | 感想のお願いは送らない。必要なら一度だけ別の機会に案内する | 反応のない人への連続した催促は、負担になりやすい |
| 届いたあと「ボタンが見当たらない」と言われた | 1:1で「届きました」と送ってもらうか、こちらでタグを付ける | ボタンに頼りすぎない逃げ道を残す |
| ギフトで贈られた商品 | 購入者への依頼は止め、使う人がわかる場合だけ別に案内する | 購入者と使う人が別人のことがある |
毎週決まった曜日に、次の項目を確認します。
- 今週「届きました」が押された件数と、発送した件数に大きな差がないか
- 「要フォロー」のタグが付いた人に、連絡を返したか
- ステップ配信の3通目が、「使用OK」の人にだけ届いているか
- 自動応答に登録した言葉と、ボタンの文言が同じままか
- 商品を追加・変更したとき、タグ名と使い方案内の対応を更新したか
活用例(架空の設計例):週末だけ営業する革小物のショップ
これは実在の事例ではなく、設計を具体的に考えるための架空の例です。成果の数字もありません。
月に40個ほどを、土曜に梱包して日曜に発送する想定です。商品は財布、カードケース、キーケースの3種類で、タグは「購入_財布」「購入_カードケース」「購入_キーケース」。ご購入の際に自動で付き、受付メッセージが届きます。日曜の発送連絡には「届いたら、下の『届きました』を押してください。開封の合図になります」と書き、クイックリプライを1つ付けます。
押された人には、お礼と「最初の1週間は革がなじむ途中なので、固く感じるのは自然です」といった商品別の一言が届きます(商品別の出し分けはタグで絞ります)。3日後の19時には、「使い心地はいかがですか」と、「問題なし」「気になる点あり」の2択が届きます。「気になる点あり」を押した人には、店主が翌日の昼までに1:1で連絡します。14日後の昼、「使用OK」の人にだけ、感想のお願いが一度だけ届きます。感想の書き先と、書かなくてもよい旨は、前述の文例記事の考え方に沿って入れます。
向かないケースと、確認が必要な点
LINEでの購入後フォローが向かないケース
- 高額品や、取り付けが必要な商品:電話や訪問で状態を確認するほうが、お客様の不安が小さくなる
- 食品や化粧品など、体質や安全に関わる商品:不調の相談はLINEの自動返信で済ませず、個別に、必要なら専門の窓口へ案内する
- 友だち登録をしていない購入者が多い店:ステップ配信は友だちにしか届かないため、同梱物で登録をお願いする別の仕組みが先になる
- 購入者が少なく、全員に手書きで連絡できる規模:仕組みを組む手間のほうが大きい
公式で確認できなかった点(契約前に確認を)
- ステップ配信のタグ絞り込み(配信対象)が、どのプランで使えるか:開始時の絞込は有料プランと記載があるが、配信対象の絞り込みの対象プランは確認できなかった
- ステップ配信を途中で止める操作の詳細
- 商品販売と友だちを紐づけられない購入経路の扱い
- レビュー依頼に関する各販売先の規約(本記事では扱わない)
料金や上限は変更されるため、契約前に公式ページで最新の情報を確認してください(調査日:2026-10-09)。
私の見立てと、まとめ
私の見立て
- 購入後フォローの精度は、文面より「起点」で決まる。到着日が人によって違うなら、自己申告の一押しを起点にするのが、最も手間の少ない解決だと見ています。
- 感想のお願いは、送らない人を決める設計のほうが大事。「問題なし」と答えた人だけに送るだけで、お願いが重くならない。
- ボタンが押されない人は必ずいる。自動化の脇に、手でタグを付けられる逃げ道を残しておくと、仕組みを信頼できる。
まとめ
購入後の使い方案内とレビュー依頼は、「いつ送るか」の起点を、お客様の一押しに置き換えると、空振りが減ります。購入時のタグ、「届きました」のボタン、自動応答からのステップ開始、2択によるタグでの絞り込み、という流れは、公式で確認できた機能だけで組めます。まずは1商品だけで、テスト配信を通しておくことをおすすめします。
商品販売とタグを軸にした注文管理は小さなお店の通販で、受注・入金確認・発送連絡が手作業のまま|エルメの商品販売とタグで「今どの段階か」を見える化するで、商品別の使い方案内の文例は商品の使い方・お手入れ案内の文例7つ|雑貨・ハンドメイド向けの言い回しと使いどころで扱っています。
構築代行のご案内(30万円〜・税別)
「自分のショップの購入経路に合わせて、タグと自動応答を設計してほしい」という場合は、構築代行も承っています。詳しくは構築代行のご案内をご覧ください。