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キーワード応答を作り始めると、最初の数個は順調なのに、増えるにつれて「この言葉に反応してほしくなかった」「あの言い方では反応しなかった」という問い合わせが出てきます。原因の多くは、機能の使い方ではなく、どの言葉を拾うかという設計の段階にあります。この記事では、LINE公式アカウントの応答メッセージと、エルメ(L Message)の自動応答について、公式ページで確認できた仕様をもとに、拾うキーワードの決め方と、拾いすぎ・拾い漏れの直し方を整理します。
情報の取得日は2026年10月9日です。根拠はLINEヤフー for Businessのマニュアルと、エルメの公式マニュアル・公式メディアのみです。公式で確認できなかった点は「確認できませんでした」と書きます。仕様は変わることがあるため、設定の前に最新の公式ページをご確認ください。
まず「一致の仕様」を押さえる:LINE標準とエルメの違い
設計の前提になるのが、どこまで一致したら反応するかという仕様です。公式で確認できた範囲を表にします。
| 項目 | LINE公式アカウントの応答メッセージ | エルメの自動応答 |
|---|---|---|
| 一致の条件 | キーワードと完全一致したときに送信される | 完全一致と部分一致を選べる(部分一致はキーワードが文中に含まれていれば反応) |
| 複数キーワード | 1つの応答メッセージに複数設定できる。公式ページでは最大51個と読み取れる | 2つ以上設定した場合、「すべて含む」または「どれか1つ含む」を選べる |
| 全メッセージへの返信 | 「一律応答」という別の応答タイプがある | 利用設定で「すべてのメッセージ」か「設定したキーワード」かを選べる |
| 返信の回数 | 今回確認したページには記載なし | 「1度のみ」または「何度でも」を選べる |
| 反応させる相手 | 今回確認したページには記載なし | 有効友だち/ブロックした友だちを選び、タグ等で絞り込める |
| 反応後の動作 | 返信内容(複数の吹き出し、差し込み等) | 返信に加えて、タグの付け外し、リッチメニューの切り替え、友だち情報の登録などのアクションを設定できる |
| スケジュール | 期間・毎日の時間帯を指定できる | 常時、または曜日・時間帯を指定できる |
51個という数字は、取得したページの記載をそのまま読んだものです。他の上限(キーワードの文字数など)は確認できませんでした。数字が運用に関わる場合は、作成画面の表示を見てください。エルメの自動応答の対象プランも、今回確認したページには書かれていなかったため、契約前に公式で確認する必要があります。
拾うキーワードの決め方:問い合わせの実物から作る
キーワードは、頭で考えた単語から作ると外れます。実際に届いた文面から作るのが近道です。手順は次の5つです。
手順1:直近の問い合わせを30〜50件、そのまま書き出す
チャットの履歴や、電話・メールで受けた質問を、言い回しを直さずに書き出します。同じ内容でも「営業時間」「何時まで」「やってますか」と表現がばらけることがわかります。
手順2:意図ごとにグループ分けする
言葉ではなく、聞きたいこと(意図)で分けます。「営業時間」「アクセス」「料金」「キャンセル」のように、答えが1つに決まる意図だけを自動応答の候補にします。人によって答えが変わる質問は、人が返す前提にして、無理に自動化しません。
手順3:各意図に代表の言葉と言い換えを書く
完全一致では、表記が違えば反応しません。たとえば「営業時間」と「営業時間は?」は別物です。意図ごとに、代表の言葉と言い換えを並べ、どれを自動応答に登録するかを決めます。
手順4:登録する言葉を長めにする
エルメの公式メディアでは、「キャンセル」だけでは通常の問い合わせにも反応しうるため、「キャンセル希望」のように言葉を具体的にして完全一致で設定するほうが安全という趣旨の説明がありました。短く一般的な単語ほど、拾いすぎのもとになります。
手順5:入口を用意して、言葉をそろえてもらう
いちばん確実なのは、利用者に自由入力をさせないことです。リッチメニューやリッチメッセージのテキストアクションを使うと、ボタンを押したときに決めた文言が送信されます。その文言をキーワードに登録しておけば、表記のゆれが起きません。リッチメッセージの種類や仕様はLINE公式アカウントのメッセージの種類と使い分け|テキスト・画像・カードタイプ・リッチメッセージ・動画にまとめています。
設計シート:キーワードを台帳にして管理する
キーワードが10個を超えたあたりから、頭の中での管理は難しくなります。次のような台帳を作り、追加や変更のたびに更新しておくと、重なりや抜けに気づけます。
| 意図 | 登録する言葉 | 一致方法 | 返信の内容 | 回数 | 担当・確認日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業時間 | 営業時間/何時まで | 完全一致 | 曜日別の時間と休業日 | 何度でも | 受付担当・月初に確認 |
| 予約の取り消し | キャンセル希望/予約を取り消したい | 完全一致 | 取り消し手順と連絡先 | 何度でも | 責任者・変更時に確認 |
| 資料のお渡し | 資料希望 | 完全一致 | 案内ページへの誘導 | 1度のみ | 受付担当・四半期ごと |
| 人に回す | 相談したい/問い合わせ | 完全一致 | 担当者が返信する旨の案内 | 何度でも | 責任者・月初に確認 |
上の表は書き方の例であり、特定の業種の実例ではありません。ポイントは「担当・確認日」の列です。誰がいつ見直すかを決めておかないと、メニューや営業時間が変わっても自動返信だけが古いまま残ります。
拾いすぎ・拾い漏れの直し方
反応がおかしいときは、症状から原因を絞り込みます。公式で確認できた仕様と、そこから考えられる原因候補を分けて書きます。
| 症状 | 原因の候補 | 直し方 |
|---|---|---|
| 関係ない会話にも返信が出る | 部分一致で短い単語を登録している(エルメ) | 言葉を具体的にする。一致方法を完全一致に変える。複数キーワードの「すべて含む」を使う |
| 同じ人に何度も同じ返信が出てうっとうしい | 実行回数が「何度でも」になっている(エルメ) | 案内系は「1度のみ」にする。ただし再度聞かれたときに困らないか考える |
| 言い方が少し違うだけで反応しない | 完全一致で、表記ゆれが登録されていない | 頻出の言い換えを追加する。エルメなら部分一致も検討。入口をボタンにして文言を固定する |
| まったく反応しない | キーワードの誤字、スケジュール期間のミス、応答設定がオフ | 公式メディアも、この3点の確認を勧めている。利用開始を押し忘れていないかも見る |
| ボタンを押した文言に別の自動応答が反応する | ボタンの文言が別のキーワードにも一致している | エルメの設定には、カルーセルの質問ボタンを押したときのテキストへ反応させない選択肢がある |
| 時間外の返信が意図通りに出ない | 応答時間の設定と応答メッセージの状態がかみ合っていない | LINE管理画面の現在のステータスで送信可能な状態か確認する |
LINE公式アカウントの応答メッセージの公式ページには、「保存」だけでは利用中にならず、「利用開始」を押す必要があること、期間内でも利用停止中なら送信されないことが書かれています。作ったのに動かない、という相談の入口はここであることが多いので、最初に見てください。
優先順位と衝突:確認できたこと、確認できなかったこと
LINE公式アカウントの応答メッセージでは、公式ページに優先順位が明記されています。受信メッセージがキーワードと完全一致する場合はキーワード応答が送信され、一致しない場合は一律応答が、期間指定あり、毎日の時間指定あり、スケジュールなしの順で送られます。同じ条件の一律応答が複数ある場合は、その中から1つがランダムで送信されるとあります。
一方、エルメの自動応答については、複数の自動応答が同時に一致した場合にどれが優先されるか、また両方が動くのかを、今回確認したマニュアルと公式メディアのページでは確認できませんでした。LINE側の応答メッセージとの優先関係も、確認できませんでした。ここは推測で書かず、設計のほうで「重ならないようにする」という方針を取るのが安全です。具体的には、次のような運用ルールを置きます。
- ある言葉が、別のキーワードの一部になっていないかを台帳で確認する。部分一致を使うなら特に注意。
- 新しいキーワードを追加するときは、既存の言葉すべてと突き合わせてから登録する。
- エルメの自動応答と、LINE標準の応答メッセージの両方に似た言葉を入れない。どちらか一方に寄せる。
- 迷ったら、実際に自分のアカウントへ送ってテストし、結果を台帳に書き残す。
営業時間外の自動返信を組むときの標準の応答設定は、LINE公式アカウントで営業時間外に自動返信する方法|標準の応答設定でできることと、日をまたぐ時間帯の注意が参考になります。
公開前のテストと、月に一度の見直し
公開前のテスト(15分)
- 台帳の「登録する言葉」をそのまま送り、狙った返信が出るかを確かめる。
- 言い換えを5つほど送り、反応するもの・しないものを記録する。
- 関係のない普通の挨拶(「こんにちは」「ありがとうございます」など)を送り、勝手に反応しないかを見る。
- ボタンから送られる文言が、想定したキーワードだけに反応しているか確かめる。
- 同じ言葉を2回送り、実行回数の設定通りに動くかを見る。
月に一度の見直し
チャット履歴を見て、人が手で返した問い合わせのうち、同じ内容が3回以上あるものを拾います。それが次に自動応答にする候補です。逆に、自動返信のあとに「そうじゃなくて」と続けて送られてきた会話があれば、そのキーワードは拾いすぎの疑いがあります。見直しのたびに、台帳の確認日を更新します。この見直しの考え方は、同じ質問への返信を毎回手打ちしている問題の解き方|FAQの整え方と、LINE公式アカウント+エルメの自動応答・テンプレート・リッチメニューが向く条件とも通じます。
活用例(架空の設計例)
以下は実例ではなく、設計の考え方を示すための架空の例です。成果の数字は含みません。
架空の小さな教室で、スタッフ2人が交代で返信している場面を考えます。最初は「料金」「時間」「キャンセル」の3語を部分一致で登録しましたが、「キャンセル待ちはできますか」という質問にまでキャンセルの手順が返信されてしまい、混乱が起きました。そこで次のように直しました。
- 「キャンセル」単体の登録をやめ、「キャンセル希望」「予約を取り消したい」を完全一致で登録。
- リッチメニューに「予約の取り消し」ボタンを置き、押すと「キャンセル希望」が送られるテキストアクションにする。
- 「キャンセル待ち」は自動応答にせず、スタッフが返す前提に変更。
- 台帳に確認日と担当を書き、月初に2人で10分だけ見直す。
この例のポイントは、機能を増やしたのではなく、拾う範囲を絞り、入口を固定し、人が答える領域を明確にしたことです。
私の見立て
- 自動応答は「増やす」より「減らして正確にする」ほうが、運用が長続きします。台帳で10個以内に収めるくらいの感覚で始めるのが、現場では扱いやすいと考えています。
- 表記ゆれを言葉の追加で追いかけるより、ボタンで文言を固定するほうが保守が楽です。
- 優先順位が公式で確認できない部分は、仕様を推測するのではなく、重ならない設計で避けるのが誠実な対処です。
まとめ
キーワード応答の設計は、一致の仕様を知る、実物の問い合わせから意図を分ける、言葉を長めに具体化する、入口のボタンで文言を固定する、台帳で重なりを管理する、という順番で進めると崩れにくくなります。LINE標準は完全一致のみ、エルメは部分一致や複数条件、実行回数、アクションまで選べる、というのが公式で確認できた大きな違いです。エルメ側の優先順位は確認できなかったため、重ならない設計で備えましょう。まずは3〜5個の意図から小さく始めて、月に一度の見直しで育てていくのがおすすめです。
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