LINE

資料請求のあと、全員に同じ案内を送っている|請求時の答えでルートを分けるステップ配信の組み方

広告(アフィリエイトリンク)を含みます。

月曜の朝、資料請求の通知が三件たまっている。一人は来月から通える教室を探している人、一人はまず料金だけ知りたい人、もう一人は先週から同じ内容で二度問い合わせている人。三人とも立場が違うのに、返す文面は「資料をお送りしました。ご不明点があればご連絡ください」の一通だけ。小さな教室や工房、小売店では、資料請求後のフォロー メッセージがこうして全員同じになりがちです。

この記事は、請求してくれた人に「状況に応じた次の案内」を出すための設計図です。見込み客の育成と言っても、大がかりなマーケティングの話はしません。請求のときに聞いた三つの答えを材料に、エルメ(L Message)のフォーム、タグ、ステップ配信、ステップ配信の分岐をつなぎ、手作業で出し分けている部分を減らす考え方を、取得日2026-10-10時点の公式マニュアルの範囲で整理します。

同じ案内が全員に飛ぶのは、何が欠けているからか

「状況に応じた案内」ができない理由は、文章力ではなく、状況の情報が手元にないことがほとんどです。請求フォームが名前と連絡先だけだと、請求した人が何を知りたくて、いつ頃までに決めたいのかが分かりません。先に原因を切り分けておくと、直す場所が見えます。

この記事の流れ1同じ案内が全員に飛ぶのは、何が欠けているからか2ルートを決める材料は、請求のときに聞く三つの答え3LINEで解ける部分、解けない部分と、組み立ての順番4そのまま使える運用ルール案とチェックリスト5活用例(架空の設計例)|小さな木工工房の資料請求6向かないケースと、確認が必要な点7私の見立て3点とまとめ
図:この記事の流れ
起きていること考えられる原因見分け方手当ての方向
全員に同じ文面が届く請求時に状況を聞いていない請求フォームの項目が連絡先だけフォームに選択式の質問を足し、答えをタグにする
答えは聞いているが、人が目で見て出し分けている答えがメモやスプレッドシートにだけある出し分けのたびに回答一覧を開いている選択肢ごとにタグを紐づけ、配信側でタグを使う
出し分けたいが、ルートを作ると管理しきれないルートの数が多すぎるルートが4本以上あるルートは2〜3本に絞り、残りは人が個別に見る
返事をくれた人にも自動の案内が続くステップの止め方を決めていない返信後にも次の案内が届いたと言われる返信時の停止、フォーム回答時の停止を先に設計する
請求しただけで動かない人が埋もれる「反応なし」のルートがない古い請求の人が一覧に残ったまま反応なしの人向けの最終の一通と、人が見る日を決める
同じ案内が全員に飛ぶのは、何が欠けているからか表の見出し:起きていること全員に同じ文面が届く答えは聞いているが、人が目で見て出し分けている出し分けたいが、ルートを作ると管理しきれない返事をくれた人にも自動の案内が続く請求しただけで動かない人が埋もれる
図:同じ案内が全員に飛ぶのは、何が欠けているからか

一番上の二行が、今回の記事で扱うおもな部分です。下の三行は、手順を組んだあとにつまずきやすい点で、あとの節で運用ルールとして戻ってきます。

ルートを決める材料は、請求のときに聞く三つの答え

聞くのは三つまでに絞る

請求フォームの質問を増やしすぎると、請求そのものを諦める人が出ます。ルート分けに使う質問は三つまでにして、それ以外は後から聞くのが無難です。三つの候補は次のとおりです。

  • 何について知りたいか(体験や見学、見積もり、まず資料だけ)
  • いつ頃までに決めたいか(今月、数か月以内、未定)
  • 過去にやりとりがあるか(初めて、再度)

エルメのフォームでは、単一選択の質問に対して、選択肢ごとにタグを紐づけられます。公式マニュアルでは、性別の質問に対して「男性」「女性」のタグをあらかじめ作成して対応させる例が紹介されています。この仕組みを使えば、回答した瞬間にタグが付くので、人が回答一覧を見て出し分ける作業が要らなくなります。

答えの組み合わせで、次の案内を決める判断表

タグが付いたら、次は「そのタグの人に何を送るか」を決めます。ここは公式の機能説明ではなく、自分の事業で決める部分です。下の表は考え方の例で、日数や文面は事業ごとに変えてください。

請求時の答え送る次の案内間隔の目安途中で人が見る条件
体験・見学がしたい(時期が近い)日程の候補と申込の入口を早めに翌日に1通、反応がなければ3日後に1通返信や申込が入ったら自動配信を止めて個別に対応
体験・見学がしたい(時期は未定)資料の見どころと、よくある質問を1通ずつ1週間後と2週間後質問が来たら人が返す
見積もりが知りたい見積もりに必要な情報の聞き取り(フォーム)を案内翌日に1通金額の判断が絡む返信は必ず人が行う
まず資料だけ欲しいお礼と、困ったときの連絡方法を1通だけ1週間後に任意の1通反応がなければそこで終わりにする
再度の請求自動の案内は止め、人が確認する—前回の経緯を見てから個別に返す

最後の行が重要です。繰り返し請求している人は、迷いが深いか、案内が伝わっていないかのどちらかで、自動の一通で解ける場面ではありません。自動ルートの外に出す、という判断も設計の一部です。

LINEで解ける部分、解けない部分と、組み立ての順番

やりたいことエルメで扱えること人に残すこと
請求時の答えを記録するフォームの単一選択に、選択肢ごとのタグを紐づけられるどの選択肢にどのタグを付けるかの定義
タグごとに文面を変えるステップ配信で配信対象を追加し、タグで絞り込める文面の中身、ルートの数の判断
返事が来たら自動配信を止める自動応答のアクションや、フォーム回答後のアクションでステップを停止できる返信の内容を読んで答えること
止まっている人に気づく友だちリストを、ステップ購読状況などで絞り込める声をかけるか見送るかの判断
決めきれない人の背中を押す—(機能では解けない)相手の事情を聞く会話。電話や対面が向く場面もある

手順1:フォームを作り、選択肢にタグを紐づける

「データ管理」のタグ管理で、先にタグを作っておきます。命名は「請求_体験」「時期_近い」のように、何を表すかが分かる形にすると、あとから整理しやすくなります(命名の考え方は、タグが増えすぎて何のタグか分からない問題|エルメのタグ管理で整理する手順と命名ルールに書いています)。そのうえで、フォームの単一選択の質問で回答情報の連携を「タグ」にし、選択肢ごとにタグを選びます。フォームのタイプ(シングルか分岐か)は作成後に変更できないため、最初に決めてください。回答後のアクションの仕組み自体は、フォームの回答後アクションと条件の考え方|回答でタグを付ける・通知する・次の案内につなぐにまとめています。

手順2:ステップ配信を作り、ルートごとに配信対象を分ける

「メッセージ」から「ステップ配信」を新規作成します。初期状態では「ステップ購読者全員」の配信対象があり、そこに全員向けの共通メッセージを置けます。ルートごとに分けたいときは、配信対象の「▶︎」から「配信対象追加」を選び、絞り込み条件で「選択したタグのいずれか1つ以上を含む人」を設定します。公式の分岐ページで例に出ている条件はタグによる絞り込みだけです。

ここで最も大切な確認は、公式にも書かれている二点です。条件が重複していないか、そして、すべての友だちがどれかのルートに入るかです。たとえば「体験」タグと「見積」タグを両方選んだ人が、二つのルートの両方に入ってしまうと、案内が二重に届きます。逆に、フォームに答えなかった人がどのルートにも入らないと、その人には何も届きません。全員向けの共通の一通をひとつ残し、タグ付きの人には追加でルート別の一通を届ける、という構成にすると抜けが出にくくなります。

手順3:開始のきっかけと、止めるきっかけを決める

ステップ配信は、作成しただけでは配信されません。フォームの回答完了時アクションで「ステップ」を選び、開始を設定します。同じアクション設定の中で、タグの付与とステップの開始を並べて登録できます。止める側は二つあります。ひとつは、友だちから返信があったときに自動応答のアクションで停止する方法、もうひとつは、フォームに回答したときに停止する方法です。

つまずきやすい点が二つあります。まず、フォーム回答時の停止は、公式マニュアルによると、そのフォームに紐づくステップだけでなく、その人に動いているすべてのステップ配信を止めます。資料請求のステップのほかに、別のお知らせのステップが同時に走っている場合は、思わぬものまで止まります。次に、1通目に複数のメッセージを入れると、それらは同時にまとめて届きます。お礼と質問を2通に分けたつもりが、一度に届いて長くなる、ということが起きます。

手順4:時間の指定と、公開前のテスト

2通目以降は「日時で指定」か「経過時間で指定」を選びます。経過時間は72時間以内で、それより先は日時指定を使うよう公式に案内があります。開始した時刻が指定時刻を過ぎていると、翌日扱いになる例が公式にあるので、夕方に申込が入りやすい事業では、翌朝の時刻を指定する前提で組むと分かりやすくなります。公開前には、自分のLINEを友だち追加してエルメに登録したうえで、テスト配信で分岐を通します。テストの方法は公式に別ページで案内されています。

そのまま使える運用ルール案とチェックリスト

仕組みを作ったあとに効いてくるのは、運用の決めごとです。次のルール案は、そのまま貼って書き換えて使えるように短くまとめています。

運用ルール案

  • ルートは3本まで。4本目が必要だと感じたら、タグの付け方を見直す。
  • 自動で送るのは1ルートあたり最大3通まで。4通目以降は人が判断する。
  • 返信があった人、フォームに回答した人、申込が入った人は、自動配信を止めて人が引き継ぐ。
  • 再度請求した人は、自動ルートから外して人が確認する。
  • 週に一度、ステップを購読中の人を絞り込んで一覧し、止まっている人がいないかを見る。
  • 文面を変えたときは、変更日と理由を一行で残す。
  • タグを外しても、タグ追加時アクション(リッチメニューの表示など)は元に戻らない。外す必要があるときは、アクション側にも「戻す」処理を足す。
運用ルール案ルートは3本まで自動で送るのは1ルートあたり最大3通まで返信があった人、フォームに回答した人、申込が入った人は、自動配信を止めて人が引き継ぐ再度請求した人は、自動ルートから外して人が確認する週に一度、ステップを購読中の人を絞り込んで一覧し、止まっている人がいないかを見る文面を変えたときは、変更日と理由を一行で残す
図:運用ルール案

公開前チェックリスト

  • フォームの選択肢ごとにタグが紐づいている。
  • ステップの配信対象が重複しておらず、フォーム未回答の人にも共通の一通が届く。
  • 1通目の複数メッセージが、同時に届いて構わない内容になっている。
  • 経過時間が72時間を超える指定がない。
  • 返信時の停止と、フォーム回答時の停止の両方が、自分の端末で動作確認できている。
  • 他のステップを巻き込んで止めてしまわないか確認した。
  • URLの変換を無効にした場合は、開封数・クリック数が計測されなくなることを理解している。

活用例(架空の設計例)|小さな木工工房の資料請求

以下は、この記事のために作った架空の設計例です。実在の事業の例ではなく、成果を示すものでもありません。

家具づくりの体験会と、オーダー家具の相談の二本立てで資料を渡している、小さな木工工房を想定します。工房はスタッフが2人で、資料請求は週に数件。請求フォームには、①知りたいこと(体験会/オーダー家具/まず資料だけ)、②決めたい時期(今月/数か月以内/未定)の二問を置きます。選択肢にはそれぞれ「請求_体験」「請求_オーダー」「請求_資料のみ」「時期_近い」「時期_未定」のタグを紐づけます。

ルート対象のタグ1通目(開始直後)2通目3通目
体験会ルート請求_体験資料のお礼と、体験会の日程の案内翌日の朝に、持ち物と所要時間の案内5日後に、申込の入口の再案内
オーダールート請求_オーダーお礼と、相談に必要な情報(置く場所の寸法など)をたずねるフォームの案内3日後に、納期の目安についての考え方の案内—(以降は人が見る)
資料のみルート請求_資料のみお礼と、連絡方法の案内10日後に、よくある質問のまとめ—

「時期_近い」のタグが付いた人は、どのルートでも2通目を早める、という運用にします。公式の分岐は配信対象を分けられるため、「時期_近い」を別の配信対象として追加し、間隔を短くした2通目を置く形です。返信があった人は自動応答で、フォームを送ってくれた人はフォーム回答時に、それぞれ自動配信を止めて、スタッフが1:1チャットで引き継ぎます。

この工房では、オーダー家具の金額に関する返事は、必ずスタッフが書くと決めています。自動の一通に金額を入れず、金額の話は1:1チャットに移す、という線引きです。

向かないケースと、確認が必要な点

この設計が向かないケース

  • 請求が月に数件しかない。人が一人ずつ書いたほうが速く、ルートを作る手間のほうが大きくなる。
  • 資料の内容が一人ずつまったく違う(個別の見積書など)。ステップではなく、個別の返信が適している。
  • 金額や契約条件の説明が必要。誤解が出やすく、電話や対面のほうが確実。
  • 年配の方や、LINEをあまり使わない層が中心。メールや電話での案内と併用しないと届かない。
  • ご家族の事情や体調など、デリケートな話が出やすい相談。自動の一通が相手に失礼になることがある。

確認が必要な点(取得日2026-10-10)

  • ステップ配信の絞り込みの対象プラン:公式のステップ配信ページには、エルメアクションの絞り込み設定はスタンダード以上で利用できると読める記載があり、トップの料金表でも条件分岐(アクション絞り込み)はFreeが「なし」です。分岐ページ自体には必要プランの記載がないため、無料プランで使えるかどうかは契約前に公式で確認してください。
  • 無料プランで近い形にする場合:フォームは無料で3つまでと料金表にあります。「体験用」「見積用」のように入口のフォームを分け、フォームごとに別のステップを開始する形が考えられますが、この組み方は私の設計案で、公式の手順としては示されていません。
  • タグの手動での付与:今回読んだタグ管理ページでは、手動での付与方法の記載を確認できませんでした。
私の見立て3点とまとめ1フォローの質は、文面よりも「請求のときに何を聞いたか」で決まる2自動で送る範囲を決めるのと同じくらい、自動をやめる条件を先に決めることが大切3分岐は、全員がどこかのルートに入ることの確認が最優先
図:私の見立て3点とまとめ

私の見立て3点とまとめ

私の見立て

  • フォローの質は、文面よりも「請求のときに何を聞いたか」で決まる。質問は三つまで、ルートも三つまでが、続けやすい上限だと考えています。
  • 自動で送る範囲を決めるのと同じくらい、自動をやめる条件を先に決めることが大切。返事をくれた人への案内が止まらないことは、信頼を損ねる原因になります。
  • 分岐は、全員がどこかのルートに入ることの確認が最優先。きれいな表より、抜けのないテストのほうが価値があります。

まとめ。資料請求後のフォローを状況に応じたものにするには、請求時に三つ以内の質問をして、その答えを選択肢ごとのタグにし、ステップ配信の配信対象をタグで分ける、という流れが基本です。解けるのは「出し分け」と「止めるきっかけ」まで。迷っている人の背中を押す会話は、人が行う部分として残します。検討状況をたずねる一通の作り方は、資料を送ったあとの検討状況を聞き忘れる|ステップ配信と分岐で「聞くタイミング」を仕組みにする手順でも扱っています。

構築代行のご案内(30万円〜・税別)

資料請求のフォーム、タグ、ステップ配信のルート設計を、事業の流れに合わせて組むところまで任せたい場合は、構築代行をお受けしています。内容と料金はLINE業務改善の構築代行のご案内をご覧ください(30万円〜・税別)。